6畳小屋をセルフビルドした記録・費用・材料の全まとめ
2016年10月から2017年3月にかけて、ホームセンターの材料を用いて山林にDIYで作った、6畳+ロフト付きの山小屋に関するまとめ記事です。
6畳小屋に関する全ての記事へのリンク、使用した材料、費用、反省点をまとめています。
基本設計
- 3.6×2.7mの6畳間+1.8×2.7mのロフト
- 枠組壁構法(ツーバイフォー工法)で建築
- 独立基礎
- 南向き片流れ屋根
遣り方
作業期間:2016年10月17~20日
正味作業日数:1.5日
※遣り方で使用したものは使いまわし出来るので資材としてカウントせず。
基礎
「穴掘りと砕石投入」
「沓石をモルタルで固定・調整する方法」
「沓石設置本番」
作業期間:2016年10月21~28日
正味作業日数:6.5日
使用した資材
・高さ300mm羽子板付き沓石:12個
・高さ240mm羽子板付き沓石:8個
・セメント:50kg
・砂:160kg
・ドライモルタル:20kg
(セメントと砂はちょっと余った)
金額小計:24,384円
反省点
- 砕石投入量減らすために穴は小さめに作ったが、おかげで沓石設置時に周辺の土を削らないといけないときがあった。
- 穴掘り時に出てきた土は、まとめて置くか周辺の整地に使用するべき。
- ハンマーでの砕石自作はかなりの重労働。
ハンマーやシートを痛めたりする恐れがあるので、砕石を安く購入できるなら購入した方が良い。 - モルタル配合比率を間違えたときがあった。
- (沓石は半分ほど埋まるような高さにしたほうが、転びにくく強度があった?)
床束と根がらみ
作業期間:2016年10月29日~11月2日
正味作業日数:2日
「床束の製作」
「床束の修正と防腐剤の塗装」
「床束と根がらみの取付」
使用した資材
・スギ角材 105×105×3000:3本
・キャットスペーサー:2個
・タフソート:1L
・防腐剤注入ベイツガ 105×105×4000の端材:2m
・防腐剤塗装SPF 12f:4本
・コーチスクリューなど
金額小計:約14,000円
反省点
- 余分を数mm作って床束を製作したが、電動カンナも無いような状況ではピッタリカットしたほうが良かった。
土台
作業期間:2016年11月3~5日
正味作業日数:1.5日
使用した資材
・防腐剤注入ベイツガ 105×105×4000:6本
・各種金物
金額小計:25,788円
反省点
- 土台角材を反りの方向を間違えて組んでしまった。
おかげで床束からはみ出てちょっと不安定で危なっかしい。 - 平たがねをノミの代用としたが、どうせノミは必要となるからこの時に購入するべきだった。
- 仕口は大入れ継ぎよりも、T型相欠き継ぎのほうが良かったかも。
- 反りのある角材だからせめて両端は羽子板ボルトを使って床束と固定し、反りを矯正するべきだった。
どうせボルトは壁内の断熱材に覆われるし、暖房はほとんど使わない生活だから結露も少ないだろう。 - 山形プレートが上下逆。
足(?)の方を横架材に、山のほうを柱につけるのが正しい。
床
作業期間:2016年11月6~15日
正味作業日数:4日
「床はネダレス工法、断熱材はスタイロフォームに」
「床断熱材の施工」
「床合板の設置」
使用した資材
・スタイロフォーム50mm厚:12枚
・構造用合板12mm厚:12枚(正味で)
・ヒノキ板 12×90×2000:約10枚
・ベイマツ 45×45×2000:6本
・シリコンシーラント:3本くらい
金額小計:40,980円
反省点
- 1820×910の合板より、2000×1000のネダレス合板を使用した方が良かった。
サイズの小さな材を継ぎはぎすると、隙間を大きくし強度も下がる。 - スタイロフォームを100mm厚にしたのは正解なのか失敗なのかは判別つかず。
- 12mm厚合板2枚重ねの床は中央を踏むと若干たわむ。
木材は粘りがあるから床が抜けることはそうそう無いが、重いものを載せる予定があるなら36mm厚くらいにしたほうが安全。
壁パネル
下部壁パネル
作業期間:2016年11月15~22日
正味作業日数:5.5日
上部壁パネル
作業期間:2016年11月23日~12月1日
正味作業日数:5日
「壁パネル基本設計」
「壁枠づくり開始、窓のサイズ決定、壁を立ててみる」
「建築中の雨養生、合板を張って壁を立てる?」
「壁パネルづくりと屋根の設計、メモの効能」
「壁パネル起こし」
「上部壁パネル施工開始、安全な高所作業」
「シートで雨養生」
「壁パネルの綺麗な分割と結合、壁パネル完成」
使用した資材
・SPF2×4 6f:60本
・SPF2×4 12f:22本
・SPF2×6 12f:8本
・構造用合板12mm厚:16枚
・OSB12mm厚:12枚
・スギ板 12×90×2000:10枚
・アカマツ 30×40×2000:18本
金額小計:73,030円
反省点
- 別の壁パネルの耳で壁パネルどうしを繋ぐのは強度も気密性も向上されて評価できるが、合板下端を土台下端に合わせたらもっと効果的だった。
- 修正するのが面倒でもやはり頭繋ぎは入れておくべきだった。
(完成後に強度的に不安が出てきたというわけではないが…) - 後々下屋を作る時などに接合が不安無く出来るので、約90mm角にする4隅では90mm角材を使用した方がベター。
- 壁枠を直角にするために合板を貼ってから壁を起こすか、壁を起こしてから貼るか悩んだ。
しかし内側から仮筋交いを設置すれば、壁枠だけでもそれなりに剛性が出て施工しやすくなっただろう。 - ロフト窓は1300×800くらいにするより、もう少し幅を狭くして最大高さを目線のところまで上げたほうが、座っているときに景色が良く見えた。
(地面からの高さ900~1800mmの窓は腰窓として完璧。幅も900mmくらいで十分。窓とドアの位置は大きな不満無し) - 壁枠を立ててしまうと雨仕舞いがかなり面倒。
常に雨水の流れを考慮し、雨仕舞いがしやすい作業工程にしたり天気予報をチェックすべし。 - 壁パネルどうしを分割する場合、面材の継ぎ目以外の上枠と下枠を斜めにカットし、設置後はビスの斜め打ちで固定すると綺麗に接合できる。
- 高所作業時は、梯子と脚立の両方があったほうが便利。
- 小屋の高さは最大3.6mくらいだが、梯子や脚立の長さを考えたらこのくらいまでにしたほうが良い。
それ以上の高さにするには足場を組む必要あり。 - 上部に固定していないものを置いておくと、落ちてきて危険。
屋根
作業期間:2016年11月26日~12月10日
正味作業日数:4.5日
「垂木の設計とシンプソン金具で固定」
「けらば垂木と屋根下地合板」
「アスファルトルーフィングと鼻隠し」
「横桟とガルバリウム波板貼り」
使用した資材
・SPF2×4 12f:11本
・構造用合板12mm厚:10枚
・スギ板12×120×1820:10枚
・アスファルトルーフィング:21m
・アカマツ30×40×2000:18本
・ガルバリウム波板 6尺と7尺:7枚ずつ
・ガルバ傘釘
・ハリケーンタイ H3:22枚
金額小計:約46,000円
反省点
- アスファルトルーフィングは破れやすい。
- 流し桟木を垂木の上に取り付けてから、横桟を取り付けるべき。
- 横桟の位置は、波板の継ぎ目位置を考えてから決める。
- (豪雪地帯なら、2×6材を垂木にした方が良い)
建具
2016年12月22日~2017年1月21日
正味作業日数:6.5日
「窓の基本設計、中空ポリカと野地板で二重・両開き窓自作」
「窓外枠の取付、蝶番で窓本体を固定」
「アクリル板で二重窓自作、戸当たりや見付の仕上げ」
「中空ポリカとスタイロフォームで、断熱ドア自作」
使用した資材
・中空ポリカボード 1820×910mm:4枚
・アクリル板3mm厚 1820×910mm:2枚
・スタイロフォーム50mm厚:0.5枚
・ベニヤ3mm厚 1820×910mm:1枚
・ベイマツ 24×60×2000:4本
・アカマツ 30×40×2000:12本
・蝶番など金具
金額小計:約22,000円
反省点
- ドアの外観がみすぼらしい。
ベニヤよりも野地板を貼っていくなどしたほうが綺麗だった。
内壁
作業期間:2016年12月4日~2017年2月9日
正味作業日数:1+1+1.5+2+1.5+2+6=15日
「壁・天井断熱材の施工」
「天井石膏ボード貼り」
「内壁石膏ボード貼り」
「壁と天井に壁紙貼り」
「繊維壁とユニット畳で、ロフトを和室風に」
「スギの野地板内壁」
「クッションフロアで床仕上げ」
「ロフトに野地板内壁を追加」
使用した資材
・グラスウール(ソフール) 430×2740×100 12枚入り:3梱包(3枚余る)
・スタイロフォーム 50mm厚:1枚
・石膏ボード 9mm厚:10枚
・石膏ボード 12mm厚:8枚
・壁紙:約20m
・タイガーパテ:約1㎏
・ジョイントテープ:約25m
・塗り壁材(わかば):1袋
・野地板 12×180×1820:約50枚?
・シーリングテープなど
・クッションフロア:10㎡
金額小計:約70,000円
反省点
- グラスウールは押し込むより、ふんわりと入れたほうが効果有り。
- 壁や天井に断熱材を設置する前に、内壁材の寸法や継ぎ目の位置を確認し、必要とあれば下地材を設置する。
- 窓枠ピッタリまで内壁材を貼れば良かった。
最終的には、小さな板で継ぎ目を隠せば綺麗に納まる。 - 壁紙でも塗り壁でも板壁でも、綺麗に仕上げるには多くのコツと経験が必要。
素人では仕上がりを完璧にするのは無理だと諦めた方が良いかも。
外壁
作業期間:2016年12月6日~2017年3月3日
正味作業日数:1.5+4+1+1.5+2.5=10.5日
「透湿防水シート&雨避けオーニング(仮)」
「スギの野地板外壁」
「雨樋」
「塗り壁下地のラス網施工」
「漆喰と軽量モルタル塗り作業、小屋の完成」
使用した資材
・透湿防水シート 50m:1巻
・トドマツ 24×48×3800:10本
・アカマツ 30×40×2000:約6本
・野地板 12×180×1820:約50枚?
・他各種幅野地板
・タフソート:約8L?
・軒樋 Φ105:5.4m
・竪樋 Φ60:4.5m
・軒樋取付金具:11個
・竪樋取付金具:3個
・集水桝:1個
・他エルボや止まりなど
・ラス網 900×2700:6枚
・軽量モルタル 25㎏:2袋
・大和しっくい 20㎏:3袋
金額小計:約48,000円
反省点
- 外壁野地板下地材のピッチを910mmにしたが、455mmくらいにした方が良かった。
- 未乾燥板を使用すると、板の間が空いてくる。
(小角材を間に打ち付けていくと見栄え良くなる) - 雨樋は鼻隠し板があるか無いかで取り付けられる金具が異なる。
- 価格調査不足で、大和しっくいより安い軽量モルタルをなかなか見つけられなかった。
まとめのまとめ
作業期間
2016年10月17日~2017年3月3日
正味作業日数
62.5日
超適当な計算です。
作業時間中の悩んでいる時間も含まれます。
全資材費
約364,000円
余った資材はこの記事内の費用にはほとんど入れていませんので、実際にはもっと支出しています。
なおセルフビルドに伴って購入した道具の費用は大体8万円くらいです。
5分の3くらい電動工具です。
全般の反省点
- 合板を多用する枠組壁構法では、455mmピッチが非常に重要。
設計では忘れないこと。 - 設計図を完璧に仕上げないと施工できないわけではないが、せめて「枠組壁構法用住宅標準納まり図」や「木造住宅用標準納まり図」などのマニュアルを読んでから施工していった方が良い。(興味ある人は検索を!)
- のみや墨壺のようなそんなに高価ではない建築道具は、使用機会が来たらさっさと購入してしまった方が良い。
電動工具はレンタルでも可能。 - 資材の節約、強度の向上は大切だが、一人でのセルフビルド作業では施工工程を考えるのも大事。ご安全に。
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