小屋のDIY日誌 独立基礎にするため、穴掘り・砕石の自作・タコ(胴突き)で締固め

山の中にセルフビルドする小屋の基礎は、「独立基礎」とします。
今回の記事は、基礎石が重さで沈まないようにする「砕石の投入」と「穴掘り作業」についてです。
砕石は、山の中の石を砕いて自作しました。
前回は凸凹の山の中に水平面を作り、基礎の場所をどうするかを、水糸を張ってミリ単位で決定しました。
独立基礎と数について
私が作ろうとしている小屋の基礎は、「羽子板付き沓石」を使用した独立基礎です。
コンクリートの塊と木材を繋ぐためのプレートが付いたものです。
全国各地、多くのホームセンターで売られています。
こんなやつですね↓
独立基礎は、布基礎やベタ基礎よりも資材の量が少ないので、ミキサー車などを横付けすることができない場所には向いています。
…とかなんとか利点を説明しようとしていますが、単純に見た目が良さそうだったというのが選択の主な理由です(*´∀`)
神社や古民家の多くもこのような基礎で作られているので、小屋の見た目もそれに近くなりそうです。
まあ流石に、自然石を加工して沓石を作るほど外見に拘る気力はなかったけど。
小屋のサイズは2.7×3.6mですが、沓石の数は4×5の20個としました。
このくらいだと土台や大引の木材を載せたときの支持スパンが900mm近くになります。
このスパンだと、建築基準法の「大引き(基礎・床束に載せる横材)」の束の設置間隔と同じになります。
以下は参考文献↓
他の人の10㎡小屋だと3×3とか3×4にしていたりするので、4×5は小屋にしては少し多いかもしれません。
まあ素人が作る居住小屋ですから、念には念をということで今回は資材節約よりも強度を重視してみます。
穴掘り作業
穴のサイズはどうする?
2016年10月21日、水糸張りが終わり、沓石を置く場所も決まりました。
これからは体力勝負の基礎作りです。
購入した羽子板付き沓石は、「高さ240mm」と「高さ300mm」のものの2種類です。
しかしどちらも底の大きさは200×200mmくらいでした。
なので、面積は大体300×300mmくらいの穴が有れば大丈夫かな?
補足
この大きさの穴でいいのは、穴掘りの位置をちゃんと正確に出すことが前提です。
ちゃんと出来てなかったので、モルタルを入れてから穴を拡張することがありました…。穴掘りの位置やサイズを正確にするか、穴のサイズをもう少し大きくするか(例:350×350)
上からの荷重がかかっても沈まないように、沓石の下には砕石などを敷く必要があります。
また、真冬に土壌中の水が凍ると体積が増えて沓石もずれてしまいます。
なので、各地の土壌凍結深度を参考にしてその深さの穴を掘り、砕石など凍らないもので穴を満たす必要があります。
凍結深度は標高500m以下ではあまり考えなくても良いようですが、今回は一応深さ30cmとすることにしました。
砕石層20cm、モルタルと土の層10cmとするつもりです。
水糸の交点の真下を、スコップで掘っていきます。
大きな根株はないものの、萱や低木の根がびっしりと地中を満たしていますので、鋸で根を切りながら掘っていきました。
穴の大きさは小さくしすぎるとちゃんと沓石が置けないし、大きくしすぎると無駄に砕石が必要となります。
まあ、砕石が有り余っているなら大きめに作ったほうが良いでしょう。
穴の大きさは後で調整することにして、ひとまずはがんがん掘っていきました。
土が固いところはつるはしを使用。
剣先スコップもなかなか土を掘る力はありますが、固い土相手ではつるはしには敵いません。
ほぐして、スコップで土を掘り出して完了です。
掘った土は、遣り方の外側に適当にほっぽりだしました。
補足
掘り出した土は、一か所に集めたり、ついでに整地に使用したほうが良かったかな…。
小屋周辺の地面が凸凹になってしまったので、外側にはしごをかけるときに少し苦労しました。
1日やって、ここまで。
なお今回の沓石間隔は、長辺では936mm、短辺では947mmとなりました。
暗くなるまで作業しましたが、この日は穴掘りをやりきることは出来ませんでした。
最近は午前中に進入路造成で土木工事を行っていて体力を使うのに慣れてたからか、疲れはあまり感じず。
正味1日で20個の穴掘り終わり
10月22日、朝から作業。
穴掘りが終わった後には砕石集めという体力勝負が待っていますから、進入路造成工事はひとまず中止です。
とりあえず昨日やり残した穴堀りを全て終わらせました。
整然と並ぶ穴!
ちょっと面白いです。
砕石集めと自作
穴掘りが終わったので、砕石集めの開始です。
ホームセンターにも「路盤材」という名前で売られているものがあり、普通の砂利より粒の大きさが大きめです。
それを使えば砕石代わりになると思います。
しかし今回は、自分の山林内に転がっている石を使うことにしました。
「地産地消となるしお金もかからないしゴロゴロしている石が片付いていくし…」
という簡単な気持ちで石集めを始めました。
拾うだけでは足りないので、ハンマーで割って作る
テント近くにもいくらかあるので目に入ったものは全て集めて掘った穴に入れていきましたが、なかなか溜まりません。
「…こりゃあ相当の時間がかかりそうだぞ」
と、嫌な予感がしましたね。
石なんていくらでもあると思っていましたが、ある程度集めると手頃の大きさのものが見当たらなくなってきました。
そこで、大きい石を所持していた大型ハンマーで叩き割って、文字通りの「砕石」を作ることにしたのです。
敷き詰めるときに丸石よりも砕石のほうがいいのは、砕石のほうが尖っているから石同士が噛み合って、強固に組んでいけるのです。
「石を拾い集めるより、こうやって割ったほうが強度的にも集めやすさにも良いんじゃないかな?」
と考えて、割り始めました。
土の中に埋まっている岩だと、掘り出すのに苦労します。
そこで、そのままの状態で思いっきりハンマーで打ち付けて砕いてから取り出しました。
基本的にハンマーの自重に任せて、振り下ろすときは腰もかがめて真下に落ちるように全身で操作。
腰をかがめないとハンマーが円運動してしまい、自分を打ち付けてしまう危険がありますからね。
これは斧を使っての薪割も同じです。
石を更に砕いて小さくするときは、岩の上に石を置いてハンマーで割っていきました。
砕石の大きさは小さいほど砕石同士が噛み合いますから、砕石としてよく使われている最大粒径40mmくらいになるように砕きました。
どの程度の大きさがベストかは、調べてもわかりませんでした…
基礎石の下に入れられるクラッシャランと呼ばれるものの最大粒径は30とか40mmらしいから、そのくらいの大きさが良いのかな?
岩を砕く作業は実家にいるときにも少しやったことがありましたが、この土地の石は結構硬いです。
風化が進んでいる堆積岩とかなら楽に砕けるのですが、近くに温泉があるからか火山性の花崗岩っぽいものが多く固かったです。
思いっきり芯を打っても砕けないものがあったので、そういうのは諦めて、穴の底に入れていきました。
砕いているとあちこちに破片が飛んでいき、集めるのにも苦労。
数時間かけても穴1つ分の砕石しか出来ませんでした。
…これは、ヤバそうだ。
でも行きつけのホムセンには砂利くらいしか置いてないし、路盤材が売られているコメリでは軽トラ貸し出しが無いし。
次の日はもう少し効率の良い方法を考えてみよう。
シートの上で石を割ってみる
10月23日、前日はなかなか砕石づくりが進まなかったので、少し方法を変えてみることにしました。
大きめのシートの上で岩を砕き、ある程度砕き終わったらシートを持ち上げて破片を集めればいいんじゃないか?
小屋北側を砕石場とするため、少し片付けました。
根株がいくつかあったので出来る限り小さくしていきました。
完璧に除去しようとすると丸1日かかりそうだったので、小さくするだけで…
シートを広げ、4隅を上げられるなら上げておいて、破片が範囲外に飛び散っていかないようにしました。
シートの上で直接砕いていくとすぐに破れそうなので、ゴミ段ボールなどを敷いておきました。
一輪車に石を入れておいて、シート中央部でハンマーを使って砕いていきます。
もちろん、石の上で石を砕いていきました。
しばらくは上手く割れてたのですが、少し大きくて硬い石があったたので思いっきりハンマーを振り下ろしたら石がずれ、シートが破けてしまいました…。
クッションは何重にもしたはずなのに、やっぱり力を入れすぎるのは駄目なようですね。
それ以降は全力で砕くときはシート外で砕き、小さくなって割れやすくなったらシート内で砕くようにしていきました。
進入路造成中に割れたガラスを見つけ、危ないので回収してバケツに入れてました。
勿論ガラスは燃えないし、その辺にばらまいておくと手足を切ってしまう恐れがあったので、機会があれば燃えないゴミとして捨てようと思っていました。
でも、元はガラスも土の一種です。
土は土に還すということで、砕石代わりに穴に入れていきました。
これでガラスも処理できるし砕石の節約にもなるしで一石二鳥です。
ちょっとの荷重で割れるので、投入した後にその上から砕石を入れて足で踏み砕いていきました。
砕石づくりは重労働ですので疲れます。
この日は快晴で暖かく汗をかきましたが、疲れたらのんびり休憩しました。
やはり見晴らしが良くなると気持ちいいですね。
伐採しておいて良かった…
一輪車を使って遠くまで石集め
10月24日、今日も今日とて砕石づくりです。
砕石が溜まったところを試しに乗ってみたら、固いし水平っぽくなっています。
「こ、これが水平の地盤なのか…」
この山に来て初めての、安定した地盤です。
テント周辺に大きな石もなくなってきので、進入路を一輪車で進みながら石を探していました。
風化した岩が多く、表面は簡単にこそげ落とせますが、ある程度削ったら割れなくなってきます。
ハンマーで打ってもびくともしなくなったらそういうのは置いといて、別の石を探しに行きました。
石を集めてシート上の砕石場で砕き、穴に入れてまた一輪車で探しに行き…。
かなり単調で体力のいる作業ですので、USBスピーカーの音量を上げて極力テンション高めで作業しました。
周辺には誰もいないので、口ずさんだり踊っても恥ずかしくない!
寂しいけど
この日までで4分の3ほど砕石投入が終わりました。
おお、この調子だと明日には終わりそうだぞ!
無限に続くかと思われた砕石づくりにも光明が見えてきたよ…
標高の低い場所だから砕石は少なめで良かったけど、多くの砕石が必要な土壌凍結深度の深い寒い場所なら、大人しく購入したほうが良いと思います。
砕石投入終了・タコ(胴突き)で締固め
10月25日、今日で砕石づくり終了!やっとこさ終わったよ…
砕石づくりもだいぶ慣れてきました。
石の種類や形を見ただけで割れにくいかどうか判断できるようになったし、少ない力で砕けるようになったのでシートを傷つけることもなくなりました。
ハンマー大きく振り下ろすときも力を一点に集中させられるようになりましたが、柄を傷つけてしまいました…
とりあえずビニールテープでぐるぐる巻にしておきました。
時間と体力を消費し、ハンマーの柄とシートを傷つけてしまったこの砕石づくり。
普通に買ったほうが良かったかな…
ちょっとこの作業に後悔しながら、何とか砕石づくり終了!
一応メジャーで簡単に深さを測り、砕石が多いところがあれば少ないところに移動させたりしました。
砕石をジャラジャラと投入するだけではまだまだグラグラします。
そこで、締固めの作業をする必要があります。
まずは予備作業として、自分が砕石の上に乗って地団駄を踏んである程度締め固めておきます。
1つの穴につき約1分ほど踏みました。
音楽を聞きながらやったので楽しい!(?)
次に、棒2本とコナラの丸太をコーススレッドで繋いで作ったタコ(?)で本締固めを行いました。
これで投入した砕石を何度も突いていくのです。
1つの穴につき20回ほど突きましたが、1つの穴を仕上げるだけで疲れて、その都度休憩しました。
タコの重量は、多分20kgくらい。
「もう止めたい…」
と思っても、この作業を怠ると沓石が傾いて小屋も傾いてしまいます。
締固め前とほとんど変わらないように見えますが、作業後は砕石がガッチリと噛み合ってほとんど動かなくなっています。
これでようやく、小屋づくり最大の肉体労働である「束石の基礎作業」が終わり!
はぁ、疲れました。
やっぱり基礎づくりは体力勝負ですね。
他のセルフビルドブログを読んでいたから知っていたものの、キツかった。
でも、これが終わったら肉体的には楽になる!
次は沓石を設置するためのお勉強&実験回です。
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