イノシシやシカが嫌いな野菜と、栽培方法の基本

山の暮らし

山暮らし、田舎暮らしの醍醐味と言えば、「野菜の栽培」です。

しかし害獣対策が行われてない場所で栽培すると、襲われて全滅してしまいます!
手間暇かけて育てたのに、収穫できないまま終わるなんて悲しいことです😭

 

害獣対策としては、畑の周りをトタンや電気柵で覆ったり、犬に見回りさせるなどの方法があります。

しかし多くの方法は手間もお金もかかります。
面倒になって、「野菜なんて買ったほうが楽だ」と思うようになってしまうかもしれません。

 

そこで今回は、山の中、辺鄙な田舎でも対策が少なくて済むように、イノシシやシカが嫌いな作物とその栽培の基本を調べてみました。

田舎暮らしを始めると色んな野菜・作物を育てたいと思うかもしれません。
しかしまずは、育てるのが楽なものから始めるのも良いと思いますよ。

 

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イノシシ(猪)の食性

雑食性で、ほとんど何でも食べます。

虫や爬虫類も食べるし、死骸なら哺乳類もたべます。

しかし基本的には、植物性の炭水化物を好みます。
特に好きなのは、タケノコ、果実(ドングリなど)、イモ類、穀物類などです。

人間が食べるものはイノシシも食べられることがほとんどなので、生ごみを漁ったりもします。

 

シカ(鹿)の食性

草食性なので、植物性のものならほとんど何でも食べます。

樹皮すら食べてしまうので、餌が少なくなった森林では木々が立ち枯れてしまうことも。

本来なら森の中の草や芽やドングリなどを食べてますが、食べやすくて栄養価の高い畑の野菜を狙うことも多々あります。
人間にとっては不必要な野菜くずでも、シカにとっては大好物だったりします。

また、樹皮や葉などイノシシや人間が食べないものも食べるので、収穫時期でないものすら被害にあいます。
農業ではイノシシが、林業ではシカの被害が大きくなります。

 

嫌いなものは、香味野菜、香辛料、臭いが強いもの

イノシシやシカは人間が栽培する作物のほぼ全てを食べられますが、あまり好きじゃないものがあります。

それは、臭いや味がきついものです。
香味野菜や香辛料、薬味などと呼ばれるものですね。

これらなら被害がゼロになる、というわけではありませんが、比較的少なくなります。
畑に食べにくいものばかりあるなら、獣たちも山の中で本来食べているものも食べるようになるでしょう。

 

さてそれでは具体的に、被害にあいにくい作物を紹介していきます。
性質や栽培の基本も載せてあります。

 

トウガラシ(唐辛子)

唐辛子

ナス科トウガラシ属

生育適温:20~30℃
播種時期:3~5月
収穫時期:7~10月

辛み成分のカプサイシン類を含む、中南米が原産の香辛料です。
栽培は世界中に広がっていて、様々な品種があります。
ピーマン、シシトウ、パプリカなど、辛味の少ないものもあります。

防虫・抗菌効果があり、書物の保存などにも使えます。
ただ、カビは生えます。

トウガラシは高温を好み、低温に弱いです。
また、乾燥に弱い性質があります。

ナス科なので、連作障害あり。

 

シソ(紫蘇)

シソ

シソ科シソ属

生育適温:20~30℃
播種時期:4~5月
収穫時期:6~10月

特有の香りと辛味のある、日本古来から栽培されているハーブです。
含まれる成分には防腐・殺菌効果があり、梅干しなど長期保存食品を作ることも出来ます。
ビタミン・ミネラルに富み、葉を食べる野菜なので歩留まりも良いです。

乾燥と低温に弱く、高温を好む1年生草本です。
半日陰で育てたほうが葉が軟らかくなって食べやすくなります。
水不足のこともあるので、出来るだけ半日陰の場所で育てましょう。

連作障害は出にくいです。

 


ショウガ(生姜)

ショウガ

ショウガ科ショウガ属

生育適温:25~30℃
植付時期:4,5月
収穫時期:8月(葉ショウガ)もしくは10,11月(根ショウガ)

主に根茎が食べられる多年生草本です。
ショウガオールなどの辛味と香り成分が含まれ、欧米でも「ジンジャー」として様々な飲み物や食品に使われています。
生姜は薬として使われて、体を温め免疫機能を高めるので、風邪の治療に用いられることもあります。

ショウガは、日陰、高温、多湿を好みます。
しかし水はけの悪い場所では枯れるので、水の管理には十分気を付ける必要があります。

連作障害は出やすい植物です。

 

ネギ(葱)

葱

ヒガンバナ科ネギ属

生育適温:20℃前後
播種時期:春・秋頃
収穫時期:播種から約半年後(地域によって変わる)

ネギ属の多くは硫化アリルを含み、生食が難しいです。
その分、加熱の出来ない動物たちに襲われにくい性質を持ちます。

ネギは日本古来から栽培されて薬味・野菜で、様々な品種があります。
日本料理には欠かせないので、是非とも育てたい作物です。

ネギは高温で成長が衰えますが、耐寒性があり氷点下にも耐えられます。
乾燥に強く、過湿に弱いです。
水はけの良い場所に植えましょう。

塩害に強いので、海岸近くの砂地でも育てられます。
また病虫害に強く予防効果があるので、他の作物を守るコンパニオンプランツとしても用いられます。

連作障害は出にくいです。

 

タマネギ(玉葱)

ヒガンバナ科ネギ属

生育適温:15~25℃
播種時期:9月前後もしくは3,4月頃
収穫時期:4~6月もしくは8,9月頃(品種で異なる)

現代日本では多くの料理に使われている、基本的な野菜です。
収穫後の保存可能期間も長く、使いやすくて育てやすい作物です。
晩生種(6,7月収穫)ほど貯蔵性は高くなります。

冷涼な気候を好み、寒さには強いですが暑さには弱いです。
植付直後は水が必要ですが、冬は水やりの必要は少ないです。

連作障害は出にくい作物です。

 

ニラ(韮)

ニラ

ヒガンバナ科ネギ属

生育適温:20~25℃
播種時期:3,4月もしくは9,10月
収穫時期:播種してから約1年以降

独特の匂いがあり、中華料理に多く使われます。

多年草なので耐寒性はありますが、乾燥に少し弱いです。

連作障害が出やすいです。
2,3年収穫したら、その場所では別の作物を育てること。

 

ニンニク(大蒜)

ニンニク

ヒガンバナ科ネギ属

生育適温:10~20℃
植付時期:9,10月
収穫時期:5~7月

香りが強く、強壮・強精作用があります。
世界各国で栽培される代表的香味野菜であり、「ガーリック」として様々な国の料理で使用されます。
ただ、現代では生産の8割が中国であり、日本のスーパーにも中国産ニンニクが多く並んでます。

他のネギ属と同じく、過湿と高温に弱いです。
冷涼な気候を好み、日本では青森県で多く栽培されています。

連作障害は出にくいとされています。

 

まとめ

手間とお金のかかる害獣対策をしなくても、育てやすそうな野菜を調べてみました。

完全自給自足をするなら様々な作物を育てる必要があるため、対策は必須になってきます。
しかし一部の野菜だけ自給するので良いなら、栽培が楽なものだけ育てるのも良いと思います。

香味野菜や香辛料はイノシシやシカに比較的狙われにくいと言えど、絶対に食べられないわけではありません。
とりあえず栽培してみて、それでも多くやられるなら結局対策は必要になってくるでしょう。
でも楽な栽培方法を模索すること自体は、重要だと思いますよ。

また香味野菜類は、保存期間や収穫可能期間が長いものが多いため、取れ過ぎてもゆっくり消費が出来ます。
そういう意味でも自給自足に向いていますね。

あと、臭いのきついジビエを食べる時にも役立ちます!
畑の獣害対策として罠を仕掛け、捕らえた獣を栽培している野菜で調理するだなんて、無駄の無いシステムです(笑)

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