小屋のDIY日誌 羽子板付き沓石をモルタルで設置・固定する方法を吟味

2016年12月7日6畳小屋

沓石の設置

山の中にセルフビルドする小屋の基礎は、ホームセンターなどで売られている「羽子板付き沓石」を使った、「独立基礎」とします。

沓石は一度設置すると取り外しや微調整が面倒です。
今回は、方法を間違えて全部やり直すのを避けるための、沓石の設置方法や固定方法をゆっくり吟味する「準備」と「練習」の記事です。

 

前回は穴を掘って、ハンマーで砕石を自作し、タコで転圧までやりました。

 

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沓石はモルタルで固定する

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2016年10月25日、砕石の設置が終わりました。
早速、購入しておいたドライモルタル20kgを使って、試しに沓石を設置してみることにしました。

もちろんこのドライモルタル1袋だけでは足りません。
ただ、実際どのくらいの量が必要なのか分からなかったので、ひとまず「量の算定をする」という意味で施工してみることに。

 

「ドライモルタル」とは、セメントと砂をすでに配合しているもので、水を加えるだけでモルタルが出来上がります。
ちなみに説明しておくと、セメントとは水で硬化するもの全般を意味し、現在多く使用されているものは石灰などを主原料にした「ポルトランドセメント」です。
セメントに砂を混ぜたものがモルタル、モルタルに砂利を混ぜたものがコンクリートとなります。
基本的に、「強度」はモルタルよりもコンクリートが強いです。
しかし細かなところに入り込んでいくので、モルタルは「固定」で使われます。

今回どうしてコンクリートではなくモルタルを使用したのかというと、単に沓石の設置方法を調べていたらモルタルで施工するのが多かったからです。(例:コメリHowtoなびグリーンベルの『独立基礎を作る』
もしかしたらコンクリートのほうが正解だったかもしれません。
沓石の固定ではモルタルかコンクリートか、どっちがいいか実験するのも面白いかもね。

追記

後日、実際に実験しました。
その結果、コンクリートで固定すると表面が凸凹して設置時の微調整が難しいことが判明。
沓石やブロックを固定する時は、コンクリートよりモルタルがおススメです。

 

モルタルは水で混ぜると固まる

さてこのドライモルタルの袋には、「1袋(20kg)で、水3リットル」としか書かれていません。
しかし、まだ実験なので、一気に全部は使いたくありません。
少しずつ使いたいのです。

しかしそうする場合、水の量り方が分かりません。
現状、重量計が無いので小鍋を使って体積で量らないといけません。
「小鍋でドライモルタル〇杯の場合、水は〇杯」としていきたいのです。

ドライモルタルの密度が分かれば重量から体積に変換できるのですが、ネットで調べても意外に正しい情報が出てきません。
この日はよくわからなかったので、とりあえず体積比で水:ドライモルタル=1:3でやってみることにしました。

補足

最初は間隔を掴むため、水の量をちゃんと量るのも良いです。
しかし、慣れてきたら適当にやっても大体大丈夫です。

 

混ぜる道具は一輪車とくわ

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モルタルと水の練りは、左官屋も使う「トロ箱」でやるのがベストでしょう。
でも、モルタル練るためだけにトロ箱買ったりするのも嫌だったので、一輪車の中で鍬を使って練ることにしました。

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一輪車の中で練ると、そのまま穴の中に流し込むことができます。
楽ちん!

 

沓石は水で濡らしておく

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モルタルでコンクリート製のものを固定する場合、湿らせておくと密着しやすくなるようです。

というわけで、シート上に水を溜めておいて、沓石を置いて底面を満遍なく濡らしておきました。
コンクリートは水を吸わない印象を持っていましたが、案外吸水しているっぽい。

 

沓石とモルタルの準備が終わったので、沓石を固定していきます。

 


沓石の設置方法や気を付けるべきポイント

今回の小屋の建築予定地は高低差が大きいので、沓石⇒床束(縦材)⇒土台(横材)の順番にします。
高低差が少ない場合は、沓石⇒土台(横材)で良いのですが。

というわけで、今回の沓石設置で気を付けるべき・調整すべきものは、「位置」と「向き」と「上端の水平」です。
沓石⇒土台とするなら、更に「高さ」も調整しなければなりません。

 

沓石の底面と砕石を、モルタルで繋いで固定

最初に、水で練ったモルタルを砕石の上に撒きます。
それから、沓石をその上に置いて調整していきます。

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まず「位置」ですが、最初にメジャーで長さを測って水糸に印を付ける。
真上から見て、その印が沓石の中心に来るようにします。

次に「向き」ですが、真上から見て、沓石の端の中心が水糸と一致するようにします。
1度単位で調整しないといけない、わけではないと思うので大体で良いです。

一番大事なのは「水平」でしょうか。
傾いているほど、地震などの時にずれ落ちやすくなるし、建物全体が歪む可能性も出てきます。
水平器を色々な方向で沓石の上に置いて、傾きを確認して微調整します。

 

沓石の調整を実際にやってみましたが、なかなか難しかったです。

沓石の上端中心が合ったと思ったら、水平が合ってない。
水平が合うように傾けると中心もずれるので、また位置の調整しなおし。
位置を調整すると、また水平が合わなくなったり…

水で練ったモルタルは粘りがあるので、沓石を持ち上げたり押し下げたりで若干の調整が出来ますが、思い通りのところで止まってくれません。
何度も何度も調整を続けました。

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しゃがんで調整するだけでなく、遠くから見たりしながら位置の微調整もしました。
遠くから見たほうが水糸の中心と沓石の中心の確認がしやすいかな?

 

なお今回、沓石の羽子板は内側に向くように設置しました。
こうしたら羽子板が跳ね返りの雨滴がかからないから錆びにくそうだし、見ためもすっきりするだろうと思って。
地震時のずれを考慮するなら、羽子板の向きはバラバラのほうが良いと思います。
どうするか悩みましたが、結局は見た目を重視しました。

 

モルタルを追加して側面を固定

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何とか位置の調整が終わったら、固定のためのモルタルを側面に追加します。
側面にもモルタルが無いと、沓石を横から蹴った時にすぐにずれてしまう恐れがあります。

このときのモルタルは、コメリの動画とグリーンベルのpdfによると、水で練らないドライモルタルで行うようです。
グリーンベルではドライモルタル追加した後に土を被せて地中水や雨水で勝手に固め、コメリではホースの水などで固めるようです。
あまり多くの水を使用できる環境ではないので、私は雨水などで勝手に固まってくれることを期待する方法を取ることにしました。

というわけで、ドライモルタルをある程度周りに被せて、沓石1個の設置が終了です。

 

沓石1個につき、モルタル10kg

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2つ目も終わりました。
2つ目の固定用ドライモルタルを追加したくらいで、ドライモルタル20kg1袋を使い切りました。
つまり、沓石の設置1個で、モルタルは10kgほど必要ということです。

残りの沓石は18個、つまりドライモルタルがもう180kg必要ということか…。
必要量が分かったので、次は砂とセメントを買おうと思います。
ドライモルタル買うよりも砂とセメントで自分で配合した方が安くできますから。

コンクリートやモルタルなどは、施工してからの急激な乾燥や湿気によるひび割れなどの防止のため、養生する必要があります。
養生するときに敷くものはまあ適当で良さそうなので、段ボールを使いました。

 

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次の日の10月26日、昨晩少しだけ雨が降ったので設置した沓石の様子を見てみることにしました。

ドライモルタルはちゃんと固まっているのかな?と思って段ボールをどけて見てみると、まあまあ固まっていました。
う~んでも、下のちゃんと練ったものよりもボソボソな感じがあるようにも思えます。

 

 

ホントは記事1つで沓石設置本番も入れようかと思いましたが、長くなってしまったので分けます。

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