小屋のDIY日誌 アスファルトルーフィングと鼻隠し、雨仕舞い終わり!
山の中に広さ6畳、高さ3.6m~2.7mの片流れ屋根、ツーバイフォー工法(枠組壁工法)の小屋を一人で作ろうとしています。
今回は、屋根編3記事目。
屋根の外周部に板を取り付けることと、防水下地材のアスファルトルーフィングを取り付けます。
板を取り付ければ垂木に雨がかかりにくくなって耐久性が上がるし、アスファルトルーフィングを張ればもうシートで雨養生する必要も無くなります。
前回は、けらば垂木を取り付け、野地合板を張りました。
梯子で屋根への昇降
全ての野地合板を張ってしまうと、小屋内から屋根に昇ることが出来なくなります。
これからは外側から4mの2連梯子をかけて、屋根に昇り降りすることとなります。
しかし一度上って気づきましたが、屋根に上ってからはしごを蹴飛ばしてしまうと降りられなくなりそうです。
1週間くらい誰も通りかからないのが普通の山間部ですから、通りがかりの人に助けを求めるのも無理です。
想像するとちょっと恐ろしいので、屋根中央部に軒を横断するロープを設置し、もしものときはこのロープを伝って降りられるようにしました。
追記
結局このロープを使用することはありませんでしたが、無いよりも遥かに安全です。
梯子をかけるときも、バランスが崩れても屋根上から修正できるようにロープを絡ませておきました。
鼻隠し板と破風板
鼻隠しとは、屋根の軒先に取り付ける板で、垂木の断面を隠す板です。
デザイン的な意味もありますが、水を吸いやすい木の木口面を塞ぐため、屋根の耐久性増加にもなります。
破風板とは、けらば側に取り付ける板です。
鼻隠し同様デザインに関わりますが、風雨が入り込みやすいけらばの垂木を保護したり、水切りを改善したりします。
鼻隠しも破風板も外側に露出するため、雨がかかりやすい場所です。
そのため、木材を使うなら塗装して耐久性を上げたほうが良いですね。
使用した材料と塗装
使用した材料は、ホームセンターで売られていた、幅120mmの野地板です。
1畳分(1,820×910mm)で約1,000円。
無垢の板材ではかなり安い部類です。
幅は色々ありますが、垂木の2×4材(38×89mm)より大きいサイズにして水切りを良くしたほうが良い。
幅180mmのものも売られてたのでそちらのほうが小屋の耐久性も上がりそうですが、あまりにも幅広くしすぎるとデザインがもっちゃりしそうな感じがあって…。
というわけで、120mmを選びました。
塗装は、床束の塗装にも使ったタフソートを使用。
安かったから買った塗料ですが、案外色合いも良かったので存分に使っています。
安全に気を付けながら取り付け
2016年12月3日、12mm厚の野地板なので、32mmのユニクロメッキビスで垂木に取り付けていきました。
雨がかかるのでステンレスを使うのがベストですが、錆びて外れても大きな支障は無いので、安いものを使用。
錆びたって、いつでも打ち直せますしね。
板の上端は、垂木ではなくその上に張った野地合板に合わせました。
水切り材を取り付けやすくするため。
水上側の鼻隠しとけらばの破風板は、屋根の上に寝転がれば安全に取り付けられました。
しかし水下側の鼻隠しではその方法が採れません。
落ちそうになりますから。
そこで、はしごをかけて外側から取り付けました。
はしご上では安全確保のため両手を自在に使うことが出来ません。
板にビスを少し打って取り付けておいてから、頭で板を垂木に抑えつけて、位置が決まったらビス打ちして固定。
こういうのは、最初の1点を取り付けるまでがいちばんきついですね。
アスファルトルーフィング張り
アスファルトルーフィングとは?
アスファルトルーフィングとは、板紙にアスファルトを浸み込ませた防水材です。
主に屋根の二次防水材として使われます。
屋根に使われるのは厚い「ルーフィング」で、壁に使われるのは薄い「フェルト」です。
アスファルトを浸み込ませているので防水性も対候性もありますが、やはり紙なので物理的強度はそんなにありません。
現代建築では、このルーフィングの上に仕上げとなる屋根材を取り付けるのが一般的。
アスファルトルーフィングはメジャーな資材ですから、ホームセンターにも売られています。
売られてたのは、1m幅の21m巻。
3,640×4,550mmの屋根に使うならピッタリのサイズです。
なお、アスファルトルーフィングは重く、1巻で重量23kgくらいありました。
大人の男性ならこのくらいの重量は普通に持てるはずですが、取っ手などは一切ないので持ちづらいです。
屋根の上に乗せるのは苦労しました…。
下で必要長さにカットしてから運び上げたほうが良いでしょう!
カットと貼り方
2016年12月4日、ルーフィング張りに取り掛かります。
用意した道具は以下。
- ルーフィング本体
- 張る前に掃除するための箒
- タッカー
- タッカーの針
- カッターやハサミ
- カット時の下地にする板
こんなもんですかね。
タッカーとは、ホッチキスのような針を打ち付けてシートなどを固定する道具です。
ルーフィング張りだけでなく、透湿防水シートやラス網張ったりなど色々使えます。
100均にもありますが、建築用途なら大きな針を使えるものを購入するのがおススメです。
小さな針を使うとすぐに外れてしまいます。
アスファルトルーフィングは、屋根の下から、横に伸ばして張っていきます。
表裏があり、模様が書いてざらざらしている面が表です。
幅は1mありますが、10cmは上下のルーフィングと重ねないといけません。
私の小屋の屋根の広さは3,640×4,550の10畳ですが、計算上は4段×4550mm=18,200mmの長さが必要になります。
ルーフィング21m巻だとほぼちょうどですね。
不足より、余る方が断然良いです。
施工の様子、破れの修正
ロールを転がして、1段目の設置に取り掛かります。
ルーフィングの切断時は、まずカッターで切れ込みを入れて、印としました。
外側に転がしすぎると落ちてしまって、また上に運ばないといけなくなるので慎重に作業しました。
印を付けてちょっと体勢を変えようと思ったら、手がルーフィングに引っかかって…
破れてしまったあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!
つむじさんが「アスファルトルーフィングって人を苛立たせることに長けた建材ですね」って言ってたことを思い出した…。
合板のように強度的意味のあるものではなくて防水性に意義がある材料だから、施工時は切れ目を作らないのが第一なのに!
と、とりあえずルーフィングのカットを進めます。
ルーフィングをこれ以上動かさないように、カッターではなくハサミで切っていきました。
ハサミはカッターよりも切断面が汚いですが、とりあえず今はこれでやるしかない!
テープは色々持ってますので、とりあえず屋根の上に色々持ってきます。
防水性があって粘着力のあるテープと言えば、ダクトテープとシート補修テープ。
よし、両方使おう。
両方使ってみました。
シート補修テープだとほとんどルーフィングと粘着しなかったので、まずダクトテープを張ってそれに粘着させるようにシート補修テープを張りました。
更に、タッカーも併用。
とりあえず、破れの補修はこれで良いか…
『ルーフィングはちょっとはみ出すくらいが良いんじゃないかな?』
ということで、けらば側は3cmほどはみだして、軒先には2cmほどはみださせました。
『位置も決まったことだし、タッカーで留めていこう』
はみ出した部分を破風板や鼻隠し板に取り付けようとしましたが、案外ルーフィングって折れにくいです。
2,3cmほどの折りでは針が外れたりルーフィングが破れたりして、綺麗に取り付けられませんでした。
タッカーでの固定を進めていきます。
基本的に、455ピッチくらいでタッカーを打っていきました。
縦だと3つずつ、ただしルーフィングどうしが重なるところでは、重ねてから打つ。
一応1段目の固定完了。
たわんでいるように見えますが目の錯覚じゃないの?
…いやまあ、たわんでます。
でも破ってしまったトラウマから、ピンと張るために引っ張ったりするのが怖くて…。
1段目が終わってしまえば、2段目以降は重ねラインに沿って設置するだけなので簡単です。
同じようにカットして、タッカーで留めていきます。
水上側は長さに若干余裕があったので、5cmほどはみ出させました。
そうすると鼻隠し板上でタッカーで留めつけることが出来ました。
アスファルトルーフィングを折り曲げてタッカーで留めるには、最低5cmほど必要かも。
アスファルトルーフィング張り完了です!
難しいのは1段目の取付だけで、それ以外は簡単でした。
表面はざらざらなので、地下足袋だとほとんど滑らず安全に歩き回ることが出来ます。
ルーフィングで水切り自作
ちょっとだけルーフィングが余りました。
また何かの時用に取っておいても良いのですが、こんな中途半端なものはなかなか使えないし、妙にアスファルト臭いので、使い切ることにしました。
そう言えば、けらば側の端が半端な納まりになっています。
2mほど余っているので、幅4分割にして2m×250mmくらいのシートにして、けらば水切り代わりにすることにしました。
破風板に100mmほどかけるようにしたので、破風板上にタッカーで固定することが出来ました。
最初よりも納まりが良くなり、ルーフィングと破風板の間から水が入ってくる危険も減ったと思います。
…屋根材は下から取り付けるのが基本なのに、間違えて上から取り付けてしまった。
ま、まあ天地がひっくり返る可能性もあるし(杞憂)
ルーフィングを鼻隠し板や破風板を覆うように取り付けたからか、外側から普通に見えるようになってしまいました…。
ルーフィングは縁の下の力持ちみたいなもので、基本的に外部から見えなくしないといけないのにね!
まあ、見栄えより機能性・コスト重視の小屋ということで、このくらいは妥協します。
雨仕舞い終わり!
ようやく、雨仕舞いが出来ました。
もうこれで雨が降っても、養生のためにシートをかける必要はない!
で、この日の昼から雨が降るらしいので早速雨漏り確認が出来ます。
屋根材張ってからだと補修も面倒そうですから、タイミングとしてはベストです。
この日の午前は快晴だったのに、予報通り昼から雨が降ってきました。
まだ寒々しい小屋の中で断熱材の施工をしながら確認していましたが、小屋の中には全く雨漏りも、合板が湿りもしませんでした。
雨仕舞はひとまず完了!ということですね。
ルーフィングが破れたから不安でしたが、大丈夫でした。
雨仕舞いが終わったので、屋根作業を急ぐ必要は無くなりました。
これからは「天井・壁断熱材施工」と「外壁施工」も並行して進めていくこととします。
ただ、小屋内部で出来ることは雨でも出来るので、優先順位は低め。
次回は屋根編のラスト。
ガルバリウム波板の取り付けです。
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