小屋のDIY日誌 遣り方・丁張・水盛りで大地に水平面を作る

2016年11月27日6畳小屋

小屋 遣り方 水盛り 丁張

小屋の建て方ですが、基本的に以下の順番で行われます。

遣り方⇒基礎工事⇒上棟⇒内装・外装・外構

今回の記事は、遣り方・丁張という作業を行い、基礎工事の準備を行っていきます。
まだまだ重労働ではないですが、ここでミスすると建築物全体に影響が出てしまう、大事な作業です。

 

前回は山小屋の位置をどうするか考えて、大体の位置を決めました。

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遣り方(やりかた)とは

遣り方(やりかた)とは、別名「丁張」とも言われる作業で、建築工事の前に正確な位置・高さを決めていくことです。

土地というのは、水平に見えても少なからず傾斜しているものです。
傾きに気づかずそのまま工事を始めると、小屋全体も傾いてしまいます。
そこで、まずは「水盛り」という方法で水平面を作っていきます。

水平面が作れたら正確な水平距離も算出出来るので、「水糸」を張って基礎の正確な位置や高さを決めていきます。

 

プロは、以下のような「レーザー墨出し器(レベラー)」などを使用します。
しかし、この記事に載せたような安価な道具を使うだけでも、正確な遣り方が出来ます。

 

遣り方に必要な資材

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ネットと本を参考にして、遣り方に必要な部材を購入しました。

  • 杭(50cm) 15本 880円
  • 杭(100cm) 15本 1,680円
  • 貫板 12×90×2000mm(ヒノキ) 10枚 977円
  • 透明なホース 10m 約700円
  • 水糸 約100円
  • コンクリートブロック 1個 198円
  • バケツ(10L) 164円 

小計 約4,700円

ほぼ全て、使い回しが出来るものばかりです。
一度購入しておけば何度でも遣り方が出来ます。

 

遣り方は、実際の建築エリアから約50~100cmほど広く設置するのが基本です。
自分の小屋は3.6×2.7mとするので、遣り方の面積は4m×5mとしました。
つまり、必要な貫板の長さは18m。

杭は自作しようとも思いましたが、正確な作業をするため、ホームセンターで購入しました。
この選択は、正しかったです。
メジャーの爪が引っかかりやすいし、印も付けやすかったです。

杭は約1m置きに設置したほうがいい(参考:自分でわが家を作る本。)ということで、杭は18本必要。
また、小屋を建てる場所は傾斜地であるため、長い杭も必要となります。
斜面上部と下部で水平の糸を張るには、下部の杭を長くしなければなりませんから。
しかし杭は長いほど高価ですので、2種類の長さの杭の束を買いました。
本数は多いですが、杭はまた使い回し出来るのでまあいいでしょう。

 

遣り方開始!

2016年10月17日、それではようやく、山小屋の建築作業に移ります!
進入路造成という超体力勝負な土木工事を午前中にやって、体力をあまり使わないであろうセルフビルドを午後からすることとしました。

というわけで、他の人のセルフビルド日誌よりも作業はかなり遅いかも…。

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セルフビルド作業中はテント近くにいるため、USB電源のスピーカーでお気に入りの音楽を聞きながら作業することにしました。
いつもラジオだけだったので新鮮です。テンション上がるぅー!!↑↑
(一人で何やってんだか…)

 


建築物の目安となる4隅の杭

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まずは不正確でいいから、建築面積の目安となる4本の杭を打ちます。
私の場合は3740×2840mmの範囲とし、杭をハンマーで打っていきました。

注文したインパクトドライバーが届いたので、水糸の固定は杭に取り付けたビスに引っ掛けることにしました。
ビスを打った場所は杭の側面にして、糸が外れにくいように斜めにしましたが、後から考えたら適当に天端に打っちまったほうが楽でしたねw

最初の目安の杭は適当で良いですが、いつも適当にやって後から後悔することは個人的に多いです。
そこでちゃんとコンパスで方位を測って、杭の向きもちゃんと東西南北を向くようにしました。
縦横の長さと、対角線の長さである4,696mmを測って、大体の直角も出しました。

この段階である程度正確にすると、遣り方も少しは楽に出来そうです。

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杭を4本打って、本当にこの場所に小屋を建てるのがベストなのかを、色んな方向から見て考えました。
隣の山の敷地にはみ出てしまうことだけは避けないといけませんので、敷地のど真ん中になるであろう場所に建てることにしました。
物置とかはすぐに撤去したりできますが、居室は水平や断熱にこだわることになるので移動させることはかなり面倒にでしょう。
6畳小屋くらいなら、DIYで曳家も出来そうだけど…

最初は、コナラなどの切り株の抜根しなくちゃならんかなと思っていましたが、大丈夫そうでした。
この場所に小屋を建ててくださいと、山に言われているかのようだ?

 

遣り方の杭打ち

遣り方の設置方法や水糸の具体的な張り方は、株式会社グリーンベルの「基礎づくりマニュアル」を参考にさせてもらいました。
(リンク先でpdfをダウンロードできます)

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建築物の大体の場所が決まったら、遣り方の杭を打っていきます。
基本的に、建築範囲の50cmくらい外側に設置するのが良いらしい。
建築範囲から近すぎると基礎工事地に邪魔になるし、遠すぎると資材が多くなったり水糸の誤差が大きくなるし。

まず、最も地面が低い南西端に長い杭を打ちます。
杭には貫板を取り付けていくため他の杭とはほぼ直線になるようにしなければならないので、杭の位置は色んな方向から見て確認しながら打っていきました。

また、この杭は水平を出すときの目安となるものなのであまりぐらぐらするのもいけません。
伐採にも使用しているショックレスハンマーで叩いて、しっかりと固定していきました。

このハンマーは木槌の代わりに使っています。
金槌よりも木材に傷がつきにくく、打つ時に衝撃を吸収してくれるので、何かと便利です。

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この日は、半分ほど杭を打つだけで終了。

杭を打つ前に杭に取り付ける貫板を並べておくと、杭同士の間隔約1mが分かりやすいし板の継ぎ目も分かりやすくなります。

 

水盛りの方法、地面の高さの差を測っていく

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10月18日、どこの部分まで長い杭が必要で、どこから短い杭を打つべきなのかということを確認するため、地面の高さがどれだけ違うかの概算を知るということで水盛り1回目をやってみることにしました。

水盛りは簡単だし結果も正確なので、建築を行うときには覚えておいて全く損はありません。

↓以下、水盛りの方法です。

  1. 水がある程度入ったバケツを、地盤が安定した場所(コンクリートブロック等)に置く。
  2. 透明なホースの片方を、バケツの底の方に入れる。
    水面から出ないように、洗濯バサミ等で固定する。
  3. ホース内に水を満たす。
    気泡を抜くには、口で吸う、バケツ水面より下にホースの端を位置させるなど。
  4. ホース内の水面とバケツ水面が一致し、ホースを動かしても水面の高さは変わらなくなる。
    高さを測りたいポイントの高さを測っていく。

 

初めて水盛りをやってみると、一番高いところ(北東端)と一番低いところ(南西端)の高低差は約60cmあることが判明。

感覚的にはそんなに差は無いと思っていました。
立っている人間の水平感覚は、適当なものですね。
まあこの1ヶ月半はずっと水平な場所で暮らしてはなかったから、より鈍感になっていたのでしょう。

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ある程度の高低差を測って、どこから短い杭にしていこうかということを決め、全ての杭を打ちました。

ちょっとずれましたが、杭に貫板を取り付けられさえすればいいのだよ…。

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最下部の南西端の杭と最上部の北東端の杭は、水平面が重なるポイントが無いと、水平面を表す貫板を取り付けることが出来ません。

水盛りの水面を最下部の杭の天端に合わせても最上部の杭の最下部に水面が届きませんでしたので、北東端の遣り方の周辺を少し掘って高さを低くしました。
高低差がもっとあったら、最下部の杭には150cmくらいの杭を使わないといけなくなる羽目だった!

 

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ようやく目処がたったので、水盛り本番を行います。

今回の自分の水盛りは、基礎石や束柱の高さを決めるものではありません。
とにかくどの高さでもいいからちゃんとした水平面を出して、沓石の平面座標を決定するためのものです。
高さの統一は、沓石の上に置く床束で行う予定です。
なので、杭に付ける水平面の印の高さの絶対値は、適当なものです。

水面を見るとき、水面と同じ高さの目線で見るほうが誤差が少ないです。
なので、腰をかがめて見ていきました。
水面の位置には、油性ペンで線を書いていきました。
そんな感じで、打った杭の全てに同じ高さの印を付けていきます。

単純な作業ですが、なかなか面白いものでした。
水平というものが何一つ無かったこの山林に、ごく単純な道具で水平を作っていく様子、クリエイティブだと思いませんか?(思わないね、そうだね)

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あるぇー、水盛り一周したら最初の印と2cmくらい違う!
他の杭の高さは大丈夫なのに…。
あっもしかして、最初の水盛りのときにホースを踏んでいたりしたから狂っていたのか?

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念には念をということで3回ほど測っていきました。
バケツは蓋をしてはいないので水が蒸発して水面が変わるのではないかと考えられましたが、やはり1時間程度では変わることはありませんでした。

この日はこれで作業終了。
作業は遅いですが、確実に進んでいっているという実感が湧いて楽しいです。

 

杭に貫板を設置

10月20日、杭に貫板を取り付けていきます。
この貫板に「水糸」を張っていくことになります。
上端が真っすぐで、簡単に折れない板なら何でも良いです。

貫板の設置作業は簡単で、貫板の上面が杭に付けた印に合うように、板を杭に固定していくだけです。
貫板は基礎工事中に邪魔になることもあるので、釘よりも取り付け・取り外しがしやすいビスのほうが良いでしょう。
インパクトドライバーでビスビス打っていくだけヽ( ゚∀゚)ノ┌┛)`Д゚)・;’

板の継ぎ目は板同士が重なるようにして、ビスで固定するだけです。。

貫板の取り付けが全て完了しました!

セルフビルドにおける、初めての構造物の完成です。
最終的には取り外してしまうものですが、ちょっと感慨深いものがありました。
この段階で感慨深かったら、小屋が出来たらどうなるんだ!

この山林に来て初めての水平面が現れましたが、改めて見ると高低差は大きいですね…。

 

長くなったので、「水糸張り」は次の記事!

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