『Lenovo G565』起動しないのでCMOSクリア(BIOS初期化)を試す
2011年4月から使い続けていたLenovo製ノートパソコン『G565』ですが、2018年12月に起動しなくなりました。
原因はよく分かりませんでしたが、タイミング的にWindows10アップデートを疑いました。
被弾しました。
画面真っ暗でBIOSにすら行けません。
放電しても不可。 https://t.co/vUUZjgXAy6— YU (@YU_inakalib) 2018年12月27日
この問題はPC業界のニュースにもなり、以下のような特徴を持つものがアップデートにより一斉に起動しなくなりました。
- Lenovo製のラップトップ(ノート)パソコン
- OSのバージョンが「Windows 10 バージョン 1607」と「Windows Server 2016」
- メインメモリが8GB未満
- UEFIを利用
自分の場合、OSのバージョンは確認していませんでした。
Windows10の最新のバージョンは「1809」のようだったのですが、もしかしたら自分のパソコンはこの時「1607」だったのかもしれません。
たまに「設定」を開いて、更新出来るものは全てやっていたと思ったんだけどな…
メモリは元々2GBのみで、空きがあったので2GB追加して4GBで運用していました。
『UEFI』という言葉はこの問題を調べる時に初めて知った言葉ですが、BIOSの後継のものだそうです。
G565は元々UEFIを利用していたのか、Windows7からWindows10にアップデートしたときに利用するようになったのかは、よく分かりません。
症状と試行
BIOSに入ろうとする
前日まではごく普通に使用できていました。
しかしWindows10の更新をしてシャットダウンし、再度電源を入れると、起動しなくなりました。
電源ボタンを押すと電源が付くようですが、画面が真っ暗でOSの起動はおろかBIOSにすら入れません。
SSDが動いている様子もありません。
起動するときに「F1」や「F2」などを押し続けたりするとBIOSに入れるものですが、何度試しても無理でした。
BIOSの設定がおかしくなってOSの起動ができなくなる場合もありますが、BIOSに入れなければ設定の変更すら出来ません。
放電を試してみる
起動しない時は『放電』をすると改善する場合があります。
ノートパソコンなら、裏の電池パックを抜き、電源ボタンを押し続けたり何回か押したりして、内部に溜まっていた電気を抜きます。
この放電作業によって起動を妨げる何かがクリアーされて、起動する場合があります。
で、自分もやってみましたが、駄目でした…
電池を抜いた状態で色々やって、再度起動しても、症状は全く同じ。
最小構成起動
パソコンはマザーボードとCPUとメモリさえ付いていれば、BIOSの起動だけは出来ます。
HDD・SSDなどの記憶メディアが無いとOSの起動が出来ませんが、BIOSまではいけるんですね。
記憶メディアの中にいるWindowsなどが悪さしてBIOSに入れなくしているなら、いったん外してしまえば良い!
というわけで、プラスドライバーでネジを外していって、背面カバーを開け、SSDを抜きます。
この最小構成で起動!
…駄目でした。
CMOSクリア
HDD・SSDなどの記憶媒体にはWindowsなどのOSが入っていますが、それを取り外しても起動できないということはマザーボードのBIOSがおかしい可能性があります。
BIOSが不調の場合、『CMOSクリア』と言う方法で設定が変わったBIOSをリセットすることで、起動が出来るようになる場合があります。
というわけで、CMOSクリアを試してみます。
CMOSクリアはマザーボードに付いているボタン電池を取り外したりショートすることで、一時的にマザーボード内の設定を記憶しているものを物理的(?)に外してリセットすることで行うことが出来ます。
とりあえずCMOSクリアはPCを分解しないと出来ないので、G565を分解していきます。
G565を分解
LenovoG565のマザーボード表面は、背面ではなくてキーボード下部にあります。
G565は背面カバーをプラスドライバーで開けるだけで、HDD・SSD、メモリ、CPUの交換が出来るのですが、電池が見えないのでCMOSクリアが出来ません。
というわけで、CMOSクリアを行うべくG565を出来るだけ分解していきます。
背面カバーを外したところ。
基本的なパーツ交換ならここだけで出来るように設計されていますが、CMOSクリアだけは更に分解を進めていかなければならないようです。
背面からキーボードに繋がっているネジを外していきます。
御親切に、ネジ近くにキーボードマークが付けられています。
ドライバー+1で全て取り外していけます。
外し過ぎると組み立てが面倒なので、ほどほどに。
他にも表面カバーと裏面カバーを繋いでいる多数のネジも地道に外しておきます。
ネジをある程度外せたら、キーボードを外します。
マイナスドライバー突っ込んでテコで外せますが、強引にやると爪が壊れそうです。
コツは、分かりません…
キーボードを外せたら、コードも外します。
コードの固定方法は色々ありますが、G565の場合は留め具の両端を前後に動かすことで固定・離脱が可能なタイプ。
3本ほどのコードを外し、表面・裏面カバーを繋ぐネジ全てを外していれば、上手く表面カバーを持ち上げられます。
マザーボードはプラスチックフィルムで保護されています。
マザーボードの電池
G565のマザーボードの電池は、はんだ付けされているタイプでした。
デスクトップPC用のマザーボードだと市販されているボタン電池だったりするので、交換も簡単ですが、このようなはんだ付けタイプは購入が難しいです。
ネットで調べるとebayなどで販売はされているようですが、あまり一般的に購入できるものではありません。
CMOSクリアは、一時的に電池をショートさせることでも可能なようです。
そこで、ドライバーの先端を使って電池のプラスマイナスを繋いで数秒間ショートさせてみました。
そして電源を入れると、…やっぱり駄目でした。
最後の手段として、電池を引きはがして、はんだ付けし直してもみました。
これならちゃんとリセットされるだろう!
…と思っていましたが、電池を剥がした時も、はんだ付けした後も、症状は全く同じ。
諦めた
しょうがないので、別のノートパソコンを中古で購入しました。
スペックは1ランク上のものです。
SSDの付け替えも上手くいき、今は満足しながらノートPCライフを営んでいます。
そろそろ買い換えようと思っていたのでG565が壊れたこと自体に大きな不満は無いのですが、原因が分からなかったのが少々心残りです。
タイミング的にWindowsアップデートが疑わしかったですが、CMOSクリアを試してみても治らないほどの重大な不具合だったのか?
もしくは、マザーボードの物理的故障だったのか?
消化不良のまま、この記事も終わりです。
ディスカッション
コメント一覧
UEFIはOSの側からUEFIファームウェアの不揮発性メモリへの「書き込み」も行われるのでそれがバグってて変なところに変な値を書き込んでしまうと最悪中の最悪のケースでは本当にファームウェアのレベルで完全に文鎮化しちゃう可能性があるんですよねぇ
そうなると一般で出来る対応はメーカー修理以外無いっていう
もっとも各メーカーはそうならないように、そうなっても復旧するようにファームウェアを実装すべきなんですが、2010年台前半とかは特にファームウェアがこなれてないせいか以前Linuxでもサムスンだかのラップトップが文鎮化するのが問題になった事がありました
(もっともこの件が本当に関係あるかはわからない&そこまで致命的なのはそのサムスンの1件しか聞いたことありませんが)
ははぁ、そんなケースがあるのですか。
今回がOSからの不揮発性メモリへの書き込みならば、BIOS初期化しても直らなかった理由が分かります。
UEFIは利点も多いでしょうが、毎度毎度アップデートで不具合出すWindowsではちょっと怖いですね。
OSがどれだけバグってもマザーボードの初期化は出来るようにしてほしいものです。
コメント失礼します。G565の分解方法、参考になりました。CMOS電池はハンダ付けなのですね。今後電池が切れた時、自分はどうすればいいか…。
G565とG465で、計3台持っています。一台起動しなくなったものがあったのですが、あれこれとやっているうち、劣化したバッテリー(社外品の互換品)を、レノボ純正のバッテリーに付け替えたところ、ふつうに起動するようになりました。逆に、悪いバッテリーを付けてみた子は、起動できませんでした。以上、yuさんのケースに当てはまらないかもしれませんが、こういう顛末がありました。
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