小屋のDIY日誌 床の構造はネダレス工法、断熱材はスタイロフォームにした理由

2017年1月2日6畳小屋

小屋 スタイロフォーム

広さ6畳、独立基礎でツーバイフォー工法の小屋を作ろうとしています。

今回の記事では、組みあがった土台にどうやって合板を張っていき、断熱材をどうするか考えていきます。
結果的には「ネダレス工法」、断熱材はスタイロフォーム100mm厚にしたのですが、その理由をこの記事で説明します。

 

前回で床束と土台を固定し、しっかりとした床の下地を作りました。

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小屋の床はネダレス工法で

従来の工法では土台と大引きの上(もしくは間)に、根太を303or455mm間隔で設置し、その上に12mm合板を1枚敷いていくのが基本です。

しかし私は、最近取り入れられている「ネダレス(剛床)工法」を採用しました。
ネダレス工法はその名のとおり根太(ネダ)を省略(レス)したもので、その代わりに厚さ24mm以上の合板を大引きと土台の上に張っていきます。

 

ネダレス工法のメリットは、以下のとおり。

  • 根太を省くので、その材料費や施工手間を省くことが出来る。
  • 土台・大引きの水平剛性が増加するので、火打ち(水平方向の斜めの材)も必要無い。
  • 断熱材を入れる場合、間隔の広い場所に断熱材を設置すればいいので施工が楽で、隙間が減って断熱効果が増える。
  • 根太の高さ分、床を低くすることが出来る。

 

デメリットは、以下。

  • 910mm間隔の大引きの上に24mm厚合板だと、たわむことがある(36mmとかなら大丈夫らしい)。
  • 合板の表面積が減ることで乾燥しにくくなり、合板が腐りやすい?

 

特に、断熱材と木材の接する部分が減ることによって隙間が減り、断熱材の効果が増加するのが大きいと思います。
というわけで、断熱材を充填する居住小屋はネダレス工法にしてみたいと思ったのです。
作業小屋など、断熱材を入れないなら普通の根太工法で良いと思うけど。

455ピッチを知らずに土台を作った結果と施工選択肢

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さて…

普通に売られている合板などの面材料のサイズは、1820×910mmとなってます。
なので、そのサイズに合わせた設計を行うと、過不足なく綺麗に設置していくことが出来ます。
特にツーバイフォー工法だと合板を多用するので、ほぼ全ての木枠は「455mmピッチ」を頭に入れながら作っていく必要があります。

しかし昔の私はそのような建築の規格サイズを知らずに、「10㎡の面積にする!」ということばかりを頭に入れて設計してしまいました。
その結果、土台端から大引き中央の長さを約1,000mmくらいにしてしまいました…。
この段階にきてようやく「規格サイズに合わせて設計すること」の重要性がわかりました…。

床材の施工はものすご~く、悩みました!
この間隔だと合板短辺方向でも長辺方向でも中途半端な長さになってしまい、ネダレス工法なら長辺方向に1,000mmほどカットしていかないと設置が出来ません。
12mm合板2枚重ねのネダレス工法だから、長辺1,000mmカット方式なら26枚もの合板端材が出来てしまいます…
(12×2+半端部分1×2=26)

実は近くのホームセンターに、1000×2000mmの24mm厚ネダレス合板が売っていました。
「こっちならぴったりだ!」と思えるのですが、価格が1枚3,500円くらいなんですよねえ…。
ネダレス合板なら床だけで@3,500×6=22,000円かかり、12mm厚合板2枚重ねなら@1,000×12=12,000程度で済みます。
しかし合板2枚重ねの場合は境目に受け材を作らなければならず、ネダレス合板ならさね加工がされているから受け材は省略できます。
また接着剤でしっかり締結されているから、12mm厚合板2枚重ねよりも強度はあるでしょう。
この状況なら、ネダレス合板を使った方が寸法的にも強度的にも良いでしょう。

普通の根太工法にする、ネダレス合板を使うなどの選択肢もありますが、ものすごーく悩んだ結果、12mm合板をカットして2枚重ねにし、合板境目に受け材を作り、端材は壁パネル製作用に流用することにしました。

小屋製作時の床施工のベストは何なのか、また後でちゃんと調べて明らかにしてみるのも良いかもね。
色々考えすぎて疲れた…。

追記

この状況なら、多少高くなっても良いから「ネダレス合板」を使うべきでした。
端材は壁に流用したものの、小さいものを継ぎはぎすると気密性や強度が落ちてしまいます。
材料は出来るだけ、大きいサイズのまま使うべきです。

後年、断面二次モーメントなどの強度を考慮に入れた、6畳の床組みを色々と設計してみました。

床断熱材について

独立基礎で床下の通気性が最高なので、床断熱材にもこだわらなければなりません。
寒々とした空気が床から常時伝わってくると、居住性も悪くなってしまう!

また、軸組工法と違って枠組壁工法(ツーバイフォー工法)は出来上がった床の上に壁を作っていきます。
基本的に床施工時に断熱材を入れていくようなので、この段階でどうするかを考えねばなりません。
(軸組工法なら、棟上げしてからゆっくりやって良し)


ホームセンターにある断熱材と特徴

よく使用されていてホームセンターにも売られている断熱材には、「綿状のグラスウール」と「板状のポリスチレンフォーム」(代表はスタイロフォーム)があります。

グラスウールの特徴を簡単にまとめると、以下。

  • 断熱効果・面積の割に安い。
  • ガラス繊維なので基本的に不燃。
  • 濡れると乾きにくい。
  • 施工状態(上手さ)で効果が大きく変わる。
  • 剛性が無く、床に付ける場合はしっかりとした受け材が必要。

 

ポリスチレンフォーム(スタイロフォーム)の特徴を簡単にまとめると、以下。

  • 濡れてもすぐ乾く。
  • 剛性がありずれ落ちにくい。
  • カットしやすく、角材の間に隙間なく入れやすい。
  • 有機物なので燃える。
  • グラスウールよりは高い。

 

さて、自分の小屋の場合はどちらにするか。
色々とネットで画像検索してみると、現代木造建築では床にスタイロフォームを使っている画像が多くありました。
なので、自分もスタイロフォームを入れてみることにしました。

追記

小屋のセルフビルド中、雨に気を付けても床を濡らしてしまう時があります。
そういう時にグラスウールだと乾かすのに非常に大変ですが、スタイロフォームだと水はそのまま下に落ちてしまいます。

屋根が出来上がるまでは床が濡れる可能性があるので、ツーバイフォー工法の床断熱材はグラスウールよりもスタイロフォームをおススメします。

断熱材ポリスチレンフォーム(スタイロフォーム)の厚さは?

後考慮すべきなのは、スタイロフォームの厚さです。

「独立基礎の床ならどのくらいの厚さが必要なんだろう、その目安は無いのかな?」
と調べてみると、デュポン・スタイロ株式会社の「断熱厚み一覧表」というページが参考になりました。

地域ごとに気候が違うので、必要断熱材の厚みも違うようですね。
施工場所は独立基礎の床なので、おそらく「床 外気に接する部分」に該当するのでしょう。
ホムセンに売られていたのは「スタイロフォームIB」だけだったのでその厚みを見ると、何と必要厚みは115mm!
い、意外に厚さが必要なのですね…。

スタイロフォームIBは20~50mmの厚さまで売られていたので、今回は土台の105mm角材に合うように、50mm厚スタイロフォームを2枚重ねにしてみることにしました。(計100mm厚)
いやまあ小屋暮らしだから長期優良住宅の認定なんて必要は無いのですが、このくらいあれば快適な生活が送れるのではないか、ということでやってみることにしました。
コストは、か、か、る、け、ど、ね…(@2,000円×12=24,000円)

 

資材の運搬と保管の様子

写真が多くあったので、山小屋建築の資材運搬と保管がどんな感じかを、ついでにご紹介。

2016年10月30日に、スタイロフォームと合板を大量購入。
結局進入路造成が間に合っていないままですので、道路からドサーっと落として搬入。
水色がまぶしいぜ!

道路から建築現場まではそれなりに距離がありますので、合板は一輪車に3枚ずつ載せて運んでいきました。
もちろん平地ならもっと運べるのですが、土の道で凸凹も多いし傾斜が急なので、3枚が限界です…。

 

土台が出来上がるまで、資材置き場でその活躍を待ちます。

スタイロフォームは耐候性がそれなりにありそうなのでそこらへんにほったらかしです。
しかし耐候性はあっても、スタイロフォームに木の枝などを刺してしまうと容易に凹んでしまうので注意が必要です。
私?ぶっ刺しまくって凸凹っすよ!_| ̄|○


11月6日、資材を出来上がった土台の上に移動させました。
土台の上に構造用合板12mm厚を2枚置き、1枚分は合板置き場に、もう1枚にはとりあえず購入した50本の2×4材 6fを50本置きました。
これでコンパクトな収納が出来るので、シートでかけやすくなって資材が濡れることもほとんど無くなるはず!

 

床をどうするかが決まったので、ようやく施工が出来ます。
まずは床断熱材から。

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