水道をDIYで作っていく―初めての山水引水記録

2017年4月11日水道

水道自作

水道が通ってない山に小屋を建てて暮らしています。
水道がある最寄りの集落までは、約1km。

水道新設はかなりの費用と手間になりそうですから、敷地内を流れる沢水を利用することにしました!
というか、取水が出来そうだからこの土地を買って暮らそうとしたのです。

 

これまでは、以下のように沢水を汲んだり、雨水を使っていました。
人力で水を運ぶことが多く、雨水は量が不安定なので大変でした…

スポンサーリンク

ポリエチレンパイプの注文と距離の測定

山の中に入植して約5か月後の2017年2月4日、ようやく山水の引水作業開始です。

基本的な原理は山に来てからよくお世話になっている本、「山で暮らす愉しみと基本の技術」を参考にしています。

山で暮らす愉しみと基本の技術

山で暮らす愉しみと基本の技術

大内 正伸
2,808円(09/23 01:56時点)
発売日: 2009/06/01
Amazonの情報を掲載しています

 

基本的に山水は、メートル単価の安いポリエチレンパイプ(通称、黒パイプ)で引くことになります。

ホームセンターには売られてなかったので、通販で買おう!
でも、水源からの距離がわからなければ何mのものを買えばいいのか分かりません。
そこでまずは、小屋から水源までの距離を測ってみることにしました。

長いメジャーが無いし距離は適当でいいので、20mロープで簡単に測ってみることにしました。
ロープの端を杭などで固定して、水源への方向に伸ばし、ロープが足りなくなったらまた端を杭で固定して伸ばしていく、という感じです。
その結果、小屋から水源までの距離は、約100mでした。

ポリエチレンパイプを取り扱っているネットショップはいくらかあるようで、農業系のショップが品数多め。
長さの規格は、60、90、120mくらい。
内径外径等は、16とか20とか。

自分は、長さあたりの単価が安かった、「長さ120m内径16mm」のものを注文しました。

サンホープ ポリエチレンパイプ PP2016-120

サンホープ ポリエチレンパイプ PP2016-120

22,829円(09/23 01:56時点)
Amazonの情報を掲載しています

補足
たまにホムセンにも売られているようです。
ただし、長さは短いものが多いかも。

 

取水槽の整備

取水槽はプラスチック製、土にパイプを挿す

パイプに水が入りやすいように、取水場所に取水槽を設置する必要があります。

自分は、ホームセンターで購入した「ジャブタブ 60L」という、プラスチック製の桶(たらい)を水道の起点とすることにしました。

 

自分の取水口は、道路脇の小さな谷。
上には暗渠があり、雨が降るとその暗渠からも水が流れてきます。

沢に小さな石を汲んで水平に整地して、ポンと置くだけ。
豪雨になっても崩れないようする必要があります。

トンボ 便利タブ 60型 タライ 60L

トンボ 便利タブ 60型 タライ 60L

1,320円(09/23 01:56時点)
Amazonの情報を掲載しています

土から染み出る水を桶に入れるため、パイプを土に挿して、桶に流し入れることにしました。

パイプが転がらないように、ノコギリで桶にV字カットしましたが、これは失敗です。
プラスチックの桶は変形しないように端を補強しているので、その補強部を切ってしまうと強度が下がります…

もしかして、接着剤でクサビのような転び止め付けた方が良かったか!?

使用するパイプは、塩ビパイプの呼び径50のものです。

土に挿した時に上方からも取水できるよう、先端を半割にしてみました。

最も集水出来そうな場所に塩ビパイプをハンマーで打ちこんで、桶に乗せます。

一応、取水だけは出来るようになりました。

 

ポリエチレンパイプと塩ビ管の継手

失敗談を記録しておきます。

自分は、呼び径が同じなら塩ビパイプもポリエチレンパイプも、サイズは同じだろうと思ってました。
しかし実際は、規格が違うから合いません!

さて、どうしたものか…。
ネットとかで以下のような変換用の継ぎ手買わないといけないのか?

 

ホームセンターで色々探してみたところ、PCユニオン(名称色々?)というものならポリエチレンパイプと塩ビパイプを継げそうだということが判明!

一つ400円前後ですが、ネット上にあるちゃんとしたものよりはかなり安いです。
おそらくこれでは強力な水圧に耐えられないのかもしれませんが、ポンプなどで圧力を高めたりする予定は無いので大丈夫かな?

SANEI 塩ビ管ユニオン 伸縮継手 呼び16用

SANEI 塩ビ管ユニオン 伸縮継手 呼び16用

317円(09/23 01:56時点)
Amazonの情報を掲載しています

 


取水槽に吐出口を作る

無事に塩ビとポリパイプが継げることが判明したので、安心して塩ビ系のソケットを使用できます。
なお、ソケットの使い方とかは「山籠りクロスグレード」さんを参考にしてました。

 

穴を開ける時は、ステップドリルを用いました。
バルブソケットの先っちょがギリギリ入るくらいの穴を開けます。
大きくしすぎると水が漏れそうなので、慎重にやりました。
高さはまあ適当ですが、基本的に取水高さは桶内のパイプで調整しようかと思って穴はちょっと低め。

節約のため、桶にはドレン(底面に付ける、泥吐出し用の穴)を付けてません。
泥が溜まったら、桶を丸ごとひっくり返して洗う予定。

取水槽に塩ビパイプを通すときは、給水栓ソケットとバルブソケット、そしてパッキンを使うことになります。

どれも安いですが、規格が多いので、ちゃんと合わせる必要があります。

パッキンの大きさは色々あって悩みましたが、バルブソケットをパッキンコーナーに持っていって実際に合わせてみることにしました。
塩ビ呼び径16のバルブソケットのパッキンは、内径20mmくらいのもののよう。

パッキンは桶側につけて、パイプを繋いでいきます。

パイプの取水口には網とか付けるとゴミが入りにくくなって良いでしょう。
そこらへんは使いながら都度試行錯誤して、ベストな方法を見つけようかと思います。

外側には、短い塩ビパイプをソケットにいったんとりつけてから、PCユニオンでポリエチレンパイプと接合!

桶に水を溜めて短いポリエチレンパイプを繋いでみると、水漏れせずにパイプから水が出てきました。
バルブソケットのところからも、水漏れはありません。

 

ポリエチレンパイプを伸ばす

「こりゃあ上手く行きそうだ」と思って水源地からパイプを伸ばそうとしていきましたが、巻いているものをそのまま引っ張っていくと捻じれまくって失敗です。

巻かれているものはドラムリールのように回してほどいていくのが基本のようですね。
とりあえず捻じれまくっているものをもう一度巻き戻すことも出来ないし伸ばすことも出来ないので、近くの公道上で地道にほどいていきました。

たわみをとるのには、かなり苦労しました…。
ひたすら回してみたり、捻じれを先端まで移動させたり…。

ポリエチレンパイプは案外折れに弱いのか、捻じれた状態で少し引っ張るとすぐに折れてしまいます。

捻じれを取っても折れが取れなくなりましたので、仕方なくラジオペンチで逆方向に潰したり。
ある程度は元通りになるのですが、折れた箇所に傷がついて水漏れしそうになって不安です。

ポリエチレンパイプはメートル単価が安くて曲げやすいから長距離の引水には良いでしょう。
でも、強度的にはそんなに良くないかも…。

根株などに何度も引っかかりながら、何とか小屋まで伸ばしました。

しかし、余ったものがかなり邪魔です。
PCユニオンという安い継手が見つかったので切ってもいいですが、まだ配管が完璧に設計されてないので、あまり切りたくはありません。
何かドラム的なものがあれば…。

 

水が出るまでの苦労

口で吸って空気を出そうとしてみるが…

水源から小屋までは下りの勾配となっています。
しかし、パイプ自体には小さな高低差があったりするので、パイプの中で空気が引っかかって水の導通が妨げられます。
パイプの中に水が満たされれば、サイフォンの原理によって水が安定して流れるようになります。

では、どうやって引っかかった空気を抜くか?
それはやはり原始的な方法、「末端からひたすら口で吸う」ことにしました。

深呼吸して、パイプに口を付けて、空気を吸い込みまくります。
パイプ内の空気圧が低下して、唇がパイプに吸い付いて痛い…。
でもいつかは報われるはず!と思って吸って吸って吸い続けましたが、一向に出てきません。
「パイプの折れを見逃していたのだろうか?」と思って水源地までパイプを見回ってみましたが、折れは無いし、パイプの中を水が通ったような雰囲気もありません。

2回ほど吸いまくってみましたが、水が出てきませんでした。
う~ん、何でだ。

取水口付近は少し上りになっているから、空気が溜まりすぎて駄目なのか?
もっと下り一直線になるように配管して、それでも駄目なら半分くらいの長さのところで切って、そこで空気抜きするべきか?

 

パイプ経路の変更、空気抜き場の追加

次の日、まずは水源から小屋まで下り一辺倒になるように、パイプの経路を修正してみることに。

切り株にパイプが引っかかりまくってイラついたので、引っかかった切り株は片っ端からノコギリで根本から切ってやりました。

アプローチがしやすくて半分くらいの距離のところを点検用の中継点として、パイプを切断してpcユニオンで繋ぎなおしました。

水が出ない時は、ここで空気抜きを行います。

パイプを綺麗に伸ばして中継点で空気抜きを行って、とりあえずそこまで水が流れるようにして、さらに末端から空気抜き。

末端からも水が出ましたが、少し出て、すぐに止まってしまいます。
取水口を見に行ってみたら、取水桶にあまり水が入っていません。

「取水量不足ですぐに水が流れてパイプ内に空気が入ってしまう?
工夫する必要ありか、しかしちょろちょろで良いから水が出てほしい」

という感じで日誌を書いていると、何もせずとも少しずつ水が出てきました!

しかしちょろちょろとしか出てこないので、中継点のPCユニオンのネジを緩めて更に空気抜きをすると、末端から水が勢い良く出てきました。

ひとまずは引水成功です!
取水桶の水が無くなってきたら、末端から水と一緒に空気も出てくるようになりました。
もう空気が詰まることは無さそうです。
ポリエチレンパイプの継ぎ手・空気抜きとしては、入手のしやすいPCユニオンは大いに活躍しそうです。

 

自分以外動くものが一切無かった小屋周辺で、ゴボゴボと音を立てながら唯一動いているのが、この山水です。
天気も良かったしパイプから水が出てくる様子が面白かったので、1時間くらいスマホいじりながらボーっと見てましたw。
水道配管はなかなか奥が深いし難しいところもありますが、面白い!

 

なおこのままでは水が濁っているので、沈殿槽や濾過槽などが必要となります。
でも面倒なので、そのまま飲んでますw

 

追記

3年以上使用してますが、今のところこの水のおかげで身体に不調をきたしたことはありません。

また、土中から取水してましたが、しょっちゅう水の経路が変わって取水しにくいです。
そこで後年、取水場を変更して、安定的な取水が出来るようになりました。

9