刈払機(草刈機)の刈刃が回らない,すぐ止まる時の点検・修理

機械

山林開拓のために、初めて刈払機を買いました。

排気量30㏄の、山林でも使える強力なモデルです。

 

で、早速草刈りに従事してもらったのですが…

 

YU

何か、切削量の割に燃料の消耗多すぎない?

それに、エンジンフルスロットルなのに大型の笹を刈るだけで刈刃が止まってしまう。
トルクが少なすぎるんだ。

もしかして、エンジンの回転が刈刃に上手く伝わってないのか?

と、初日の作業を終えて強く感じました。

もしかしたら、中古品だから摩耗してしまっている部品があるのだろうか?

 

そう考えて、いったん刈払機作動部の総点検をしてみることにしました。

というわけで今回の記事は、エンジンの調子は良いけど、力が刈刃まで上手く伝わっていない時の、点検・修理方法をまとめていきます!

 

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刈払機の構造

まずは刈払機の基本構造を勉強です。

調べてみると、刈払機はエンジンの回転力を、以下のような順番で刈刃まで伝えているようです。

  1. エンジン
  2. クラッチ(シュー)
  3. クラッチドラム
  4. スプラインシャフト(メインパイプ内)
  5. ベアリング(ギアケース内)
  6. ベベルギア(ギアケース内)
  7. 刃押さえ(安定板)
  8. 刈刃

 

つまるところ、エンジンの力が上手く伝わってない場合、上のどれかの部品が壊れてたり摩耗していたりすることが疑われます。

チェックするには、分解しながら一つ一つ見ていくしかありません。

早速、分解・点検だ!

 

各部分解・点検

クラッチシュー

まずはクラッチ部分を点検してみます。

パイプ(操作棒)とエンジンは数個のネジだけで繋げられており、簡単に外すことが出来ました。

クラッチは、よくある遠心クラッチ。

エンジンの回転が一定以上になると、遠心力でクラッチが広がり、その摩擦でパイプ側のクラッチドラムを回す、という感じですね。
このような遠心クラッチの場合、ドラムと接するクラッチシューという部分が、摩耗してしまうことがあります。

上写真の場合、上下に付いているカバーみたいなのがクラッチシューです。
摩耗しているとは見えませんね。

クラッチシュー、OK!

 

クラッチドラム

パイプ側の、クラッチシューと接するクラッチドラムです。
ここも摩耗によってだんだん薄くなり、回転力を上手く伝えられなくなっていきます。

見たところ、そんなに薄くなってはないと思います。

クラッチドラム、OK!

 


スプラインシャフト

次は、クラッチドラムからメインパイプ内へ回転力を伝える、スプラインシャフト。

刈払機稼働中は、パイプの内側でグルグル回っています。
ここもギアですから、他の部分と接する箇所は摩耗の可能性があります。

ここも摩耗しているようには見えず。

スプラインシャフト、OK!

 

エンジン近くの部分は大丈夫そうなので、ひとまず組立。

上写真の親指が触っているところに、点火プラグあることを初めて知った…

 

ギアケース(ベベルギア・ベアリング)

シャフトの回転を、斜め方向に変えるベベルギアや、それと関連するベアリングもやはり摩耗する箇所です。
この刈刃側の部分はまとめて「ギアケース」と呼ばれていたりするようです。

このギヤケースは特に重要な箇所なのか、グリスを注入する必要があるし、そのための穴も付けられています。

分解してみたところ、各ギアの摩耗は見られなかったし、グリスもちゃんと付けられていました。

ギアケース、OK!

 

刃押さえ(安定板)

中古の機械でしたが、各ギアやクラッチは摩耗しているように見えませんでした。

残るは刃押さえ(安定板)です。

 

自分が刈払機初心者だからか、

YU

こんな、ネジの力で鉄板どうしを押さえるだけで、回転を上手く伝えられるものなのか?

もう少し摩擦を多くする何かがあるのではないか?

と、疑問に思いました。

「刃押さえが最も疑わしい!」として、チェンソーの部品交換ついでに修理屋さんに刃押さえの部品のみを見てもらったのですが、

 

修理屋

う~ん、特に刃押さえが悪いようには見えませんね

とのご回答。

「まあ、どうせ消耗が激しい部品だから、もし今の物が全く悪くなくても今のうちにもう一個買っておいた方が良いだろう」と考え、

結局修理屋で買ってみました。

刈刃と接する部分を新旧見比べてみましたが、特に大きな違いはありませんね。

刃押さえが消耗していたわけでも無さそうです。

 

じゃあ、結局、どうしてこんなにトルクが弱いのか?力が伝わってないのか?

もしかして、刈払機の力ってそんなもんなのか?

 

そんな疑いも生まれましたが…

 

 

 

刈刃の取り付け

はい、結局、刈刃をちゃんと取り付けていなかったのが原因でした。

 

刈刃を取り付ける時は、

棒を差して刃の回転を止めること!

スピンナーハンドルのような、強い力を加えられるレンチでネジを締めること!

 

決して最初の私のように、手で刈刃を抑えて、小さなレンチで締めることなどせぬよう!

 

刈刃をしっかり締め付けて作業を再開すると、バッサバッサ草木を刈っていけるようになりました。

これにて一件落着!

 

 

まとめ

刈払機の故障には大きく分けて、エンジン部の故障と作動部の故障の2つがあります。

エンジンの調子は良さそうなのに、上手く草木を刈れない、妙に力が弱い、トルクが少ないという場合があります。
その時は作動部の故障を疑います。

故障の原因はクラッチや各ギアの摩耗の可能性がありますが、まず第一に刈刃を上手く取り付けられているかを疑ったほうが良いですね!

刈刃をちゃんと取り付けられていないと、力が伝わらないし、運転中にネジが外れて刈刃が飛んで行ってしまうなどの危険があります。
毎回、しっかり確認しよう、刈刃!

 

 

 

レバーを折ったり力が弱かったりしましたが、今は不都合無く使用できています。
いや~、刈払機って意外に使うの難しいな~。

 

 

 

単に、自分が抜け作なだけなのでは?

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