初めての怪我、道づくりのための伐採(2016年9月中旬)
2016年9月、山の使い方に関しては様々な計画を立てており、そのために伐採を続けています。
今のところ開拓作業の中では、最優先でやっているものです。
今回は9月中旬の伐採日誌。
雨が多くなかなか作業が進みませんが、テント生活をしながらゆっくりと開拓しています。
この山にやってきて初めての伐採は、以下の9月上旬のものとなります。
テント近くの伐採
初めての怪我と中木の伐採
9月11日、午前中は昨日伐採したものを片付けていました。
1.5mに玉切りしたものは、とりあえずテントの南側に置いておきました。
直に置くと湿ってしまいそうなのでちょっと木を組んで、その上に置いてみる。
やはりこうやって整理しておくとコンパクトに納まるし、使いたいときにすぐ使えるのが便利ですね。
蒸し暑い日だったので、半袖で鉈を使って枝払い(枝しごき)をしました。
ネズミサシの枝が固かったので手で引き裂いてみようとしたら、その樹皮が軍手より腕側のところをかすって自分の皮が若干えぐれてしまった!
意外に傷が深く、白い身が見えてしまうほどでした…
作業を中断し、急いでテントに戻って救急セットを探す。
しかし自分の準備不足のためにザックの奥深くにしまっていたし、しかも絆創膏が古くて湿っていて、使い物にならないものでした。
しょうがないので傷口を水で洗ってガーゼで覆い、テープを包帯代わりにして巻きました。
野外作業では怪我はつきものですが、やはり再発防止のために反省をしなければなりません。
- 蒸し暑くても半袖で作業を行っていたのがまずかった。
これからはせめて腕カバーをする。
(透湿性が無いから蒸れるのが嫌だけど…) - 救急セットがすぐ取り出せるところに置いてなかったし、内容物の点検不足。
ドラッグストア等で補給するべき。
たった一人の山林暮らしでは少々の怪我が命取りになるので、これからも怪我の予防と完璧なファーストエイドを身に付けていきます。
午後からは、テント近くの中木(低木と高木の間)を伐っていきました。
↑の写真の中央付近にあるネズミサシとコシアブラですね。
針葉樹はツルがかかってなければ重心がわかりやすいですが、広葉樹は枝が分岐しているものが多くて重心が分かりづらいです。
「伐採は、針葉樹よりも広葉樹のほうが難しい」と、よく言われます。
広葉樹の中木以上は伐採経験が無いので、怪我に気を付けて出来る限りの準備をして挑みました。
とりあえず、ネズミサシは余裕で伐採成功。
まあ重心が分かりやすいものだったし伐採方向はただの空き地だったので、片付けも楽々。
そして次はコシアブラに挑戦。
「大体真っ直ぐになっているから普通に受け口と追い口作れば倒れてくれるだろう…」
と、思っていたらチェーンソーが挟まれてしまいましたテヘペロ(・ω<)
こんな細そうに見える木でもチェーンソーのガイドバーを挟んでしまうとその力は強く、木を押したり思いっきりチェーンソーを引っ張っても抜けなくなります。
「こんな状態だったら救出用の鋸も使えんやん…」
どうしようかと考えて、フック付きロープを使用することにしました。
まずはフックを投げて、出来る限り上の方の枝にかけます。
その後うねうねとロープをたるませてフックを降ろし、ロープを幹に回してフックを掛け、幹を引っ張れるようにします。
そしてその後は、倒れてくる木の下敷きにならないように気を付けて、思いっきり引っ張るのみ!
バサッ!
と倒れてくれました。
思いっきり引っ張らなくても、クイッとするくらいで動きました。
根本側では押したり引いたりしてもびくともしないものでも、上の方を引っ張ると案外素直に動いてくれます。
やはり、広葉樹伐採にはフック付きロープも必需品ですね。
クサビとハンマーを使う方法もありますが、ロープの方が応用効く気がします。
最初の写真と見比べられるように、アフター写真も撮っておきました。
低・中木の伐採が終わると、高木が残ってもかなり見晴らしよくなります。
森の中で住む、ということを目指すならこのくらいの密度がベストですね。
最初はただの藪山だったのが段々見晴らし良くなってきているのが実感できて楽しいです。
抜群の達成感がありますので、毎日毎日同じ内容で失敗が許されない面倒な町の仕事なんかより山の仕事は面白いものです。
この日の夕方はテントの東側の低木を伐採しまくりました。
まだまだ東側には多くの木が残っているので朝日を拝むことは出来ないのですが、風通しは良くなってきている感じはしました。
片付けが、面倒なんだよなぁ…。
テント東側と西側
9月12日、この日は薪作り(別記事)を本気でやっていたので伐採は少なめ。
とりあえず昨日伐ったテント東側の低木を片付け。
薪棚から遠くなったので、いちいち近くまで運ぶのが面倒です。
とりあえず枝払いしたものは一か所に集めておいて、また余裕が出来たら薪にするということで…
葉も邪魔にならなさそうなところに集めてみましたが、本当にその場所が邪魔にならない場所なのかはまだわかりません。
「また、移動させないといけなくなるかもしれない」
と考えてたら、片付けも案外難しいことが分かってきました。
他にはテント西側の方も少し伐採。
伐採を進めると、平らな土地の面積も分かってきました。
やはり伐採を進めないと地形の詳細も分からず、開発の計画も立っていかないと感じました。
テント東~南側の伐採を進める
9月13日も、前日と同様にテント近くを伐採。
伐採箇所は毎日違うのですが、同じような作業が続きます。
そういえば林業のプロはこういう伐採はどのくらいの速度で進めていくんだろう。
下刈りは大体何人日/haくらいってのは知っているけど、やっぱりこういう低木が繁茂するところならそれよりもかなり手間がかかるものなんでしょうか。
自分は結構頑張っていると思っていますが、他人から見ればかなり遅いものかもしれません。
この日は他に、ソーラーパネルの架台づくりもやっていました。
進入路造成のための伐採
初めてのかかり木処理
9月14日、今までは風通しを良くしたり日当たりを良くしたりするためにテント周辺を伐採してました。
しかしこの日辺りからは、将来的に「進入路」を造成するための伐採もしていくようになりました。
自分の山には以前の所有者がかなり昔に作ったのかもしれない、車が通れるような道が若干あります。
しかし今はもうその道上には多くの木が繁茂して、ただの藪になっています。
これからはこの道を伐採して造成し、復活させ、公道への行き来を楽にしたいわけです。
まずは細いけど、かなりゆがんだ木を伐採します。
ちなみに横にある折り畳み自転車は、バイクが壊れたときに緊急的に使おうかと思って持ってきたものです。
道路脇に置いておくと不法投棄にしか見えなかったので、山林内に置いてますw
重心が分かりづらいので、伐採前に一応ロープをかけておく。
以前にも使ったフック付きロープを木の上の方にかけ、もう一端は適当な木に巻いて固定。
そして、木と木の間に倒れるような方向に受け口を作り、追い口を入れて伐採。
おおっと、見事に「かかり木」になりましたねえ。
「さて、どうするか…」
こういうのは「かかり木処理」って言うのですが、基本的にこういう場合は、
- かかり木を、フェリングレバーなどで回す。
- 牽引具やロープで引っ張る
などの作業で処理することになっています。
かかられている木を切る、倒れそうな木を細々と切っていく(私の呼び名では段切り)のは危険なので、基本的にやってはいけません。
でも段切りやってやったぜ!
いやまあ、段切りってのはしっかりかかっている場合だったら、そこまで切断後の挙動予想が難しいわけじゃないし…。
まあ強力に引っ張ることの出来るチルホールはまだ持ってないし…(言い訳)
しっかりかかってたので、段切りした後でも上の方が引っかかったままでした。
そこで、固定していたロープを外し、方向を変えて、思いっきり引っ張る!
すると、ようやく倒れてくれました。
やはりロープは万能ですね。
町中での生活ではロープなんてほとんど使うことはありません。
しかしこういう山暮らしでは、ロープの万能さに感動してしまう時がたまにあります。
低木の伐採をさらに進めてテントの方に振り返ってみると、かなり見晴らしがよくなってきました。
テントと地形が分かりやすいです。
伐採時の道具、ロープを使いながら進む
9月15日、今日も前日と同じように進入路造成のための伐採、伐採…
伐採時の装備が落ち着いてきたので、ご紹介します。
まずは防護用の、ヘルメットと、腕カバーと、手袋。
そして伐採と玉切り用のチェーンソー、枝払い用の鉈。
枝払いはチェーンソーでも出来ますが、枝払い時はチェーンソーを色んな向きに変える必要があります。
ゆっくりやらないと怪我をしてしまう恐れがあるし燃料も食うので、鉈一本で片付けています。
他には休憩用の椅子、暇つぶしのラジオ、玉切り時の長さ測定用メジャーです。
よく汗はかきますが、テントが近いので水は持参していません。
スマホも邪魔なので持っていません。
壊すのが怖いです。
しかし広葉樹の枝は鉈でサクッと切れてくれますが、針葉樹だと案外きついですね。
広葉樹の方が材質が固い印象があったのですが、枝の構造が違うからだろうか。
でもまあ針葉樹は通直なものが多くて色々と使いやすいので、綺麗に枝払いすることを心がけています。
前日と同じような曲がった木があったので、ロープで固定。
でも、こちらも同じようにかかってしまいました…。
このネズミサシ邪魔すぎ!
枝が張っていてすぐに他の木が引っかかる!
でも、上方につるがかかっているから今切るのは危ないし、テントの近くだから洗濯物干すときに便利なんだよな…。
で結局、ロープをあっちに引っ張ったりこっちに引っ張ったりして、何とか倒れてくれました。
ていうかテントかすってしまったよ…破けなくてよかった。
伐採は何があるかわかりません。
物を壊したり自分が怪我したり…。
本当に伐採は何があるかわかりません。
上の写真は、太いつるがちょっとかかっているけど引っ張ったら抜けるだろうと思って切ってみたら、ロープで引っ張っても抜けないし、段切りして宙に浮いたネズミサシです…。
もうしょうがないから、放っておきましたw
チルホール手に入れたら、思いっきり引っ張って落としてやるんだからね!
こいつも苦労しました。
つるがかかっていたし曲がっていたからロープをかけましたが、つるによる重心偏心でかかり木発生。
段切りして引っ張ってみると、次は枯れマツにかかる!
うへぇ面倒くせー!
枯れマツは折れているけど腐って水分含んでいるから、自分の方に倒られたら恐らく重傷になるでしょう…
あまり刺激しないようにしなければ…
今回は切った幹を使ってかかり木の根元をてこの原理で浮かし、後ろにずらしていくことにしました。
この方法なら枯れマツに近づかずに処理が出来る!
ずりい、と動いてようやくかかり木処理完了。
この枯れマツもいつかは切らないといけないんだけど、何だかチェーンソーが汚れそうだしあまり切りたくないなあ…。
風で勝手に倒れたりしてくれればいいんですけど。
今日はここまで。
おお!大分テントが遠くになってきたぞ!
低・中木を切ってたので、大きなコナラばかりが残ってます。
この山林には太い枯れマツがそこかしこにありますが、生きた太いコナラも多くあります。
恐らくアカマツ林が松くい虫の影響で枯れ、空いた場所にコナラの勢力が伸びてきた、ということでしょうね。
雨が止んでから作業再開
ずっと雨が降っていたのでなかなか伐採が出来ませんでした。
町に行って買い出ししたり、図書館で電気を補給しながらネットしてたり。
2016年の9月は異常気象だったようで。
9月19日、湿気がすごいけど雨は降っていなかったので、伐採作業を進めました。
邪魔だった枯れマツも伐ってみましたが、意外に素直に倒れてくれました。
重くてネチャネチャした木くずは、ちょっといや~なものでしたが…。
低木を切っていると段々谷に近づいて湿ってきたのか、植生が変わってカヤやつるが増えてきた感じがします。
カヤはチェーンソーで切ると繊維が絡まってすぐにチェーンが外れてしまいますので、極力鉈で切っています。
しかし簡単に切れはするのですが、切れ口がかなり尖ってしまって危ないです。
邪魔なやつですな!
9月下旬の伐採に続く!
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