山で暮らす愉しみと基本の技術

2014年4月27日実用書・一般書

目次

 

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・カラーイラスト、写真が多くわかりやすい

 

・石積みや山水配管など、他の本にはあまり無い内容が多い

 

・自然を破壊するだけでない共存方法を勉強できる

 

カラーイラスト、写真が多くわかりやすい

実際に群馬県の山中にある築100年の古民家に住んでいる(た)、イラストレーターで著作家の大内正伸さんが書いた、実用書です。
この本の他にも技術書を手がけてきた経験があるからか、ものすごくわかりやすい構成をしています
写真のほうがわかりやすそうであるなら写真で紹介し、イラストのほうがわかりやすければイラストで説明しています。
写真とイラストには一長一短がありますが、この著者は見事に使い分けが出来ていますね。

 

石積みや山水配管など、他の本にはあまり無い内容が多い

「石積み」「水道」としての山水配管は、実際田舎のほうではよく見かけますが、それをちゃんと説明している本はなかなかありません。
しかし、この本ではそのような難しそうなものを素人でも十分理解できるように記述してくれています。
石積みの詳細な方法だなんて、この本を読むまでは本当に知りませんでした。
もちろん素人レベルの石積みなので、石切まではしていません。野面積みです。

他にも「立木の伐採」方法と「囲炉裏や薪ストーブ」「灰」としての利用方法、「セルフビルド」として掘っ立て小屋の建て方など、意外に知らないものが多く説明されています。
環境にもこだわりがあるようで、地味に大事な「トイレ」と利用方法なんかも書かれています。
もちろん、かなりわかりやすい構成で。

 

自然を破壊するだけでない共存方法を勉強できる

この本には具体的な技術が書かれているだけでなく、そのような技術で生きていくべき理由が書かれています。
人間が自然を上手く利用することで、老いた山は若さを取り戻す。
多様な水環境や住環境を構築することで、生物の多様性を取り戻す。
里山というものは自然と人間が上手く調和しているべきであり、それは田舎暮らしにもそのまま当てはまるものだと思われます。
田舎暮らしの方法だけでなく、その必要性も、この本には書かれています。

 

詳細な目次

第1章 木を伐る、草を伐る-光と風を取り戻す最初の仕事

1.木を伐り、草を伐る道具たち
2.刃の研ぎ方、メンテナンス
3.手道具の柄を継ぐ
4.チェーンソーその構造
5.チェーンソー目立てとメンテナンス
6.草刈りと木の伐採時期
7.草刈りの実際
8.伐採の実際
9.特殊な木、傾斜木の伐採
10.掛かり木の処理
11.枝打ちした木の処理
12.倒した木の処理
13.高所作業の枝切り
14.木を人力で運ぶ
15.丸太から材を取る
16.薪づくりと枝葉の利用


第2章 石を積み敷地をつくる-石垣再生の手法と実際

1.石垣の種類と機能
2.構造と土留めの原理
3.必要な道具と服装
4.石垣再生の手順
5.帳張りで直線をみる
6.石の選び方と石の積み方
7.裏込め石・飼い石挿入の注意点
8.既設部と補修部の接点の擦り付け
9.高い石垣を積むとき
10.角、天端の処理と完成後
11.石垣のメンテナンス

第3章 水源と水路-水をコントロールする

1.水の流れをチェックする
2.水源と取水法
3.管で水をひく
4.中継タンクを理解する
5.凍結防止とメンテナンス
6.管が破損したときの補修法
7.排水路は動植物の生息地を考える
8.排水路をつくる
9.水路のメンテナンス
10.水路に生き物を充実させるアイデア
11.トイレの処理を考える

第4章 小屋をつくる-建てることで木を学ぶ

1.小屋の構造を知る
2.各部の素材と加工
3.雨対策と敷地選び
4.材料の長さ、本数の計算-簡単な図面をひく
5.丸太の加工
6.建て方の順序
7.垂木を番線でとりつける
8.野地板(横さん)を打つ
9.屋根材を張る
10.壁を張る

第5章 火を使う-燃やすことで循環し完結する

1.火を焚く効用
2.石で組む簡単野外カマドで火を燃やす
3.囲炉裏の機能と便利さ
4.囲炉裏の構造と再生
5.囲炉裏グッズをそろえる
6.囲炉裏の火の燃やし方・消し方
7.熾き炭の保存と利用法
8.灰の利用法
9.囲炉裏の部屋の使い方

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