北面下屋の北面ビニール張り

下屋

前回

 

初めに

北面下屋は通路兼玄関兼車庫兼作業場兼作業用の道具置き場とするつもりですが、やはり壁が無ければ雨の降込みにより道具が置ける範囲も限られてきます。
特に北面下屋の柱が立っている北側には壁掛け収納をして、道具をサッと取れるようにしておきたいのですね。
そのためには北側に防水性のある壁が必要です。

壁の材料には色々ありますが、定番で安いものと言えばやはりポリカ波板でしょうか。
これなら長さ6尺のもの(幅2尺)なら700円くらい。
柱の端から端までは3860mmありますので、6尺波板なら屋根と同じく7枚必要。
波板代のみで4900円ほどはかかります。

まあこのくらいは許容範囲内ですが、ちょいと天邪鬼で定番を外したい自分としては別の材料を使ってみたいなーと思っていました。
で考えたのが、農業用ビニールを張って木製ビニールハウスにしてしまえば良いんじゃないかということ。
農業用ビニールならおそらくポリカ波板より安いし、透光性もあって薄暗くなりがちな北面の明るさも保てそうな気がします。
ポリカ波板は衝撃や切り裂きにもそれなりに強いのでよく触る場所でも使えますが、北面下屋の北面はほとんど物が当たったりしないと思われるので、ビニールでも大丈夫なのかもしれません。

ホムセンを見回ってみると家庭菜園用のビニールや中・小型のビニールハウス用ビニールがいくらかありました。
それらを見るとやはりポリカ波板よりかは安いようでした。
しかし材質が微妙に異なっており、大きく分けて「農ビ」「農ポリ」があるようでした。
商品の袋の隅々を見ても材質はその二つしか書いてないので、「具体的に何の物質やねんお前!」と個人的にはツッコミ入れたかったわ!
いやだって、「ビニール」と言えばビニル基を持つ物質の総称でしょ?(参考:wikipedia)
それに「ポリ」って重合体を意味するポリマーだから、ポリというだけでは何の重合体なのか全然わからん!塩ビだって「ポリ」だし!(参考:wikipedia)

というわけでネットで調べてみると、「農ビ」は基本的にポリ塩化ビニル(PVC)が主体のもので、普及しているのでそれなりに安いですが、耐候性に乏しく寿命が短いらしいです。またやはり塩ビなので、処分が面倒。
対して「農ポリ(農PO)」は化学式 CnH2n (n≧2) で表される有機化合物アルケンの別名「オレフィン」類が重合したポリオレフィンのことで、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)が代表的でしょうか。塩ビと比較すると耐候性があり、製品によって機能が様々あり、燃やしても有毒ガスが出ない(少ない)ので処分が楽らしいです。最近はこちらが主流になってきている、のかも?(参考:アグリズ)
ちょっとした化学の講座でした。良い子のみんなはわかったかな?なお上記の説明は又聞きなので間違っている可能性も大アリ!

私の場合やはり処分しにくい、燃やせない材質のものを増やしたくないので、農ポリを使うことにしましょう。
失敗しても灰に帰することが出来るっていうのは、気楽なもんです!

しかしまあ、農業用ビニールハウスは屋根から壁まで全てビニール(便宜上この言葉を使うが、正しくは軟質プラスチック?)で覆われていますが、せめて屋根だけはポリカを使って上から落ちてくるものに備えるというような考えはないのでしょうか。
コストの問題もあるでしょうが、しかし状況によってはポリカ屋根+ビニール壁のハウスもなかなか有効なようにも思えるのですが。

 


下地製作

2017年11月9日、美しかった白木の柱が外気によってみすぼらしくなってしまったので、ひとまずタフソートで全体を塗装します。
今回は防腐のためというよりただの色塗りですので、一回塗りです。
柱の下半分は2回塗りしているので色が分かれていますが、しかしこれはこれでシャビーな雰囲気と言うか?
塗装したことでカビとかで付いた色も分からなくなりました。

 

ビニールの下地は、30×40×2000の野縁としました。
スパンが1.8mもあるので38×89のツーバイフォーを用いたほうが強度的に良さそうだったのですが、柱の端から端までが3860mmなので、12fだと微妙に足りないんですよね…
材を無駄なく使うということで、2m材の野縁を使いました。
2m材の間柱(45×90)とかがホムセンにも売ってあればいっぱい使ったんだけどなあ(チラチラ)

なお野縁はビニールの内側に来るので直接雨はかからない予定ですが、柱との色が合わないのでタフソート一回塗りしておきました。
本当はもっと本数必要なのですが、今持っている在庫がこれだけしかなかったので実験がてら。


11月11日、伐採の合間に作業です。
壁のビニール留めのピッチとかについてネットで検索していたりしてましたが、なかなか良い情報が見つかりませんね…
よく分からないので、建築でよく使う455ピッチで下地を打つことにしました。
なお合板みたいなものは使わないので、そんなにシビアにする必要はありません。

下地は見栄えが良いように、水平にしました。
一人だとちょっと作業がしづらいので、ビスを打ち付けて材をその上に引っ掛けてから、もう片方をちゃんとした位置で打ち付けました。
使用したビスは90mmで、一端に2本ずつ、一本の野縁に計4本打ったということですね。
細い材で1.8mも飛ばすので強めに打つことにしたのです。

使用する農ポリの幅は約1.8mですので、柱下端までは届きません。
まあ壁掛け収納したものに雨が当たらず、風が入り込みまくらない程度で良いから…(今のところは)

 

細い野縁に直接道具を掛けると最悪の場合折れてしまいますから、桁にロープなどをかけて吊るす感じにしようかと考えました。
ここでちょっとした工夫なのですが、一番上の野縁だけは飼い物(厚さ調整するために挟んで打つ材)を用い、隙間を開けました。
これでビニールを張った後でもロープをかけることが出来ます。
ロープ一本一本にアイプレートなんて使ったら材料費がかさみますからねえ。
こうすると他の下地と若干面が揃わないのですが、ビニール張るなら特に支障や違和感は無いのではないでしょうか。

早速100均で購入したワイヤーメッシュにロープをかけて、吊るしてみました。
ほほう、これはなかなか良い感じ?
物を掛ければ掛けるほどワイヤーメッシュの重心がずれて下方がビニール側に寄りますが、上手く下地にひっかかるようにすればビニールにも負荷はかからないと思われます。

ついでに小屋外壁にビス打って、色々な物を引っ掛けて保存してみました。
うーん、やっぱり掛けて収納するのは良い感じかな?
個人的にはデザイン性も感じられるよ!


11月12日、ビニール(便宜上、)を買ってきました。
厚さ0.1mm、幅1.85m、長さ10mで3500円。
北面下屋の北面なら4mあれば良いので、材料費は1400円。
ポリカ波板だと4900円はかかりそうなので1/3くらいに材料費抑えられそう?

ビニールの留め方について少し実験してみます。
まずタッカーで留めてみる。
強く引っ張るとやっぱり破れてしまいますねえ。

次に12mm厚野地板をスリムビスで打って挟んでみる。
ぐっ、ぐっと引っ張っても破れない!
よし、これで行こう!


11月14日、野地板は余り物がいくらかあるので、小屋の床下から取り出します。
いつも通りとりあえずサンダー掛けて滑らかにします。

40mm幅の野縁に挟むので、野地板の幅も40mmになるように、墨壺で墨打って丸鋸で切断。

野地板は外に露出して雨水が掛かるので、下地の野縁とは違ってちゃんとタフソート2回塗りしておきます。

ホムセンで野縁を追加購入したので、下地を仕上げます。
見栄えを気にするなら継ぎ目は相欠きなどにして高さを一致させるべきなのでしょうが、スパンが長いので強度重視、ということで写真のような繋ぎ方に。

野縁の下地、ビニール抑えの野地板が揃いました。
後はビニールを張るのみ!

 

ビニール張り

11月16日、遂にビニールを張ってみることに。
カットしてから張ったほうが作業がしやすそうだと思われたので、道路で広げることに。
小屋が完成した現在でも、広くて平坦な場所が欲しい時は道路に頼っておりまする…

メジャーで4mほどの長さを測り、野地板を敷いて、もう一枚の野地板を定規とし、カッターで切ります。
ビニールハウス用だから切り裂きにも強いかと思いきや、やはりカッターのようなものだと一瞬で切り裂けるようですね…
ちょっと不安だぞ!

一人での作業でこういう大きな材料を上手く取り付けるのは難儀するものです。
まずはタッカーで仮止めです。
なお柱横側には野地板で押さえず、ひとまずタッカーのみで留めておきました。
まあこの辺は強風吹いて外れても大きな支障は無いし…

12mm厚40mm幅のタフソート二回塗りの野地板で抑えていきます。
下地含めて厚さは12+30=42mmあるので、40mmスリムビスを使用。
ビスピッチは適当に200mmくらいで。

一人作業だとピンと張らせるのが難しいもんですね。
少したわみましたが、まあそんなに拘りは無いし…
ちょっとたわむくらいのほうが切り裂きに強いんじゃない?

厚さ調整の飼い物のおかげで桁とビニールの間に隙間が出来ました。
ここにロープなどをかけてワイヤーメッシュを吊り、道具の吊り下げ保存をするのです。

 

 

 

ビニール張り終えました!
感想としては、意外に透明性少ないかな…
やっぱりクリアポリカ波板のほうが強度と透明性が良かったかも?
まあ安く上がりましたが。
PO製と言えどポリカよりかは寿命は短そうです。
でも北面下屋の北面ですから、直射日光はあまり当たらないのですぐにボロボロになるようなことは無いと思いますが…
風雪や紫外線で壊れたら報告します。

火の粉がかかったらいけないので、ロケストは中央へ移動。
将来建築予定の調理場デッキは、耐火素材をふんだんに使用する必要あるかも。

出来れば北面下屋は北面だけでなく全体をビニールで覆って、木製ビニールハウスみたいにしてみたいもんです。
側面は、どうしようかな。
軽トラも入れるように取り外し可能な大きめの扉でも付けて、その上側部分はビニールを張って、風雨の大半をほぼ遮断出来るようになれば、北面下屋は巨大な玄関であり、車庫であり、水や油や埃をいくらでも撒いて良い作業場であり、壁掛け収納のある物置となります。
土の地面の作業場は、いくら汚しても良いという点では普通の床より使いやすいかもしれない。

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