どんな人におすすめ?ハスクバーナのチェンソー135eの感想
2016年9月に購入して使い続け、早2年。
今や山林開拓の大事なお供の一つとなってくれたハスクバーナのチェンソー、135e。
人生で初めて手に入れたマイチェンソーですが、色々と特徴が分かってきたのでここは一つ徹底的にレビューしていってみたいと思います。
スペック
- 2ストロークガソリンエンジン
- 排気量 40.9㏄
- 出力 1.5kW
- 乾燥重量 4.6kg
- 標準ガイドバーサイズ 35cm(14インチ)
- 標準ガイドバーピッチ 3/8
- 標準ガイドバーゲージ .050(1.3)
- 標準ソーチェン H35-52E(オレゴン 91〇〇-52E)
- 定価 約30,000円
(より詳しいスペックを知りたい方はハスクバーナ公式へ)
特徴
排気量に対するコスパは最高
ガソリンエンジン機器は基本的に排気量=パワーとなるのですが、この3万円以下という価格帯で排気量40㏄以上の機器は他に存在しません。
(中古品除く)
チェンソーにおいてパワーは重要です。
パワーが無ければ切断時間が長くなって疲れやすいし、堅い木を切るとトルクが足りなくて止まってしまうこともあります。
細い枝やちょっとした庭木を切るなら弱いものでも大丈夫なのですが、直径が20cm以上になってくるとチェンソーのパワーの違いが如実に現れてきます。
3万円以下のチェンソーの中では、太い木を伐ることに適している機種だと言えるでしょう。
世界中でも大手のハスクバーナ製
安価で強力な機種なのに、チェンソー業界でスチールに次ぐシェアを占める名門・ハスクバーナ製。
日本でも多く使用されているメーカーですから、怪しい中国製なんかと違って部品の調達もしやすく修理を扱う店も多くあります。
実際私も実店舗に修理を出したことがあるし(以下の記事)、部品を取り扱っているネットショップ(例:藤原商店)もあります。
修理やアフターケアもしやすい機種なので、長く使いやすいです。
重量・排気量の割に出力は低め
重量や排気量に対する出力は低めです。
ハスクバーナ公式のチェンソーカタログの中にほぼ同じ重量のプロ機には543XPがあるのですが、こちらの排気量は43.1㏄、出力2.2kW。
135eの出力の約1.5倍です。
プロ機は長時間の山仕事でも疲労が少ないように、軽くても丈夫で出力の大きいもになるよう作られています。
部品やシステム一つ一つが洗練されてますから、高価なんですね。
また、ライバルメーカーであるスチールも安価なモデルを作っているのですが、税抜き24,800円のMS180は排気量31.8㏄、重量4.1kg、出力1.5kWです。
実は135eってスペック上、MS180よりも排気量はあるのに出力は同じで、重い機種なんですよね。
日本のメーカーは出力を公開してませんから分からないのですが、135eは排気量が大きいだけで出力は他の価格帯のチェンソーと変わらない可能性もあるのです。
実際に使ってみた感想
「伐採」カテゴリの記事の多くが135eを使用しているものですから、ご興味のある奇特な暇人方はご覧になっていただくとありがたいです。
過去の記事から135eに関する記述を抜き出すと、
小・中径木伐採時は問題なし、大径木も条件が良ければ
私の山林はほとんどが堅い広葉樹ばかりですが、直径20cm以下の伐採や玉切りにおいて、チェンソーが原因で苦労したことはありませんでした。
流石にこのくらいの太さならパワー不足を感じることも無く、ガンガン切れていきました。
また、ソーチェンの目立てが出来ていてガイドバーも新品なら、大径木(直径50cm以上)の堅いコナラであっても刃が入って伐採も上手くいきました。
3万円以下のチェンソーで、大径木広葉樹をばっさばっさと伐れる機種はかなり少ないんじゃないでしょうか?
大径木広葉樹の玉切りにはパワー不足を感じる
山小屋暮らし2ndシーズンでは多くの太いコナラを伐採・玉切りしたのですが、やはり出力不足を感じる時もたまにありました。
伐採時は受け口と追い口が切れれば倒せるのでまだ耐えられるのですが、玉切りはチェンソーの稼働時間がかなり長くなる単純作業ですから、性能の差がはっきりと表れます。
直径30cm程度以上の広葉樹となると、135eでも連続の玉切りには大きな負荷を感じて作業もしにくかったです。
排気量は40㏄と言えども、やはりホビーソーはホビーソーの出力なのかなと思いましたね。
本体は思ったより頑丈
倒れる樹体がもろに当たるなどの大事故が無かったからか、本体が壊れることはありませんでした。
安い機種ですからプロ機よりもやわな作りをしているはずなのですが、エンジンやキャブレターに不調が出ることは無く、常に健康な状態を維持してくれました。
使用可能な時間は結構長い機種なのではいでしょうか?
少しチェーンが緩みやすい
ソーチェーンのテンション調整に工具が必要な機種も多いですが、この135eは何の工具も必要ないもので、簡単に調整が出来ました。
ただその影響なのか、自分が単に本締めを怠っていたのか、チェーンが緩んで外れてしまうことが多かったように思います。
ソーチェーンの緩みは一度エンジンかけて回すと分かるものと、固定部の緩みが原因のものの二つあったと思います。
張りすぎて悪影響を及ぼしたことは無かったので、135eを扱う時はチェーンの張りを思ったよりきつめにしたほうが良いでしょう。
なお、稼働中に外れた時はちゃんとチェーンキャッチャーが受け止めてくれてたので、怪我をすることは一度もありませんでした。
チェーンのドライブリンク(ガイドバーの溝に入る部分)が傷ついてしまってたけど…
頑丈なガイドバーを取り付けられない
チェンソーの消耗品には、ソーチェン、スプロケット、ガイドバーがあるのですが、意外にガイドバーの消耗が激しかったです。
最初から付属しているものはラミネートバーという、安価で壊れやすいものです。
長時間使うなら高価なハードノーズバーや先端交換式スプロケットノーズバーなどを使うべきなのですが、135eに合うものを探してもありませんでした…。
ガイドバーにはいくつも種類がありますが、機種毎のマウント、長さ、ゲージ、ピッチが上手く合わないと取り付けられません。
135eに合い、長さ35cm、ゲージ.050、ピッチ3/8のものが無いか調べたのですが見つかりませんでした。
長時間使うほど、高価なガイドバーを取り付けられる別の機種よりも維持費がかかってくる可能性があります。
まとめ
以上の内容から、ハスクバーナのチェンソー135eはどんな人におススメするかをまとめると、
- 一つのチェンソーで細い木から太い木まで切りたい人
- 太い木はたま~にしか切らない人
- 毎日の仕事ではなく、日常的な用途で使いたい人
- 修理に出しても良いから長く使いたい人
という感じですね!
特に「日常的使用」という目的を持った人には、かなりコスパの良い機種だと言えるでしょう。
電動式では得られないパワーで、細い木から太い木まで様々なものを切ってみてはいかがでしょうか!?
で、逆に135eの購入に向いてない人は、
- 騒音が気になる人
- 非力な人
- 将来的に強力なプロ機と2台持ちになりたい人
でしょうか。
やはりガソリンエンジン式ですから、騒音があります。
住宅街などで使う必要がある場合は電動式のものが良いでしょう。
また、重量は4.6kgもあるわけですから非力な人には向いてません。
パワーが少なくても良いなら別の30㏄クラスのものを買うべきだし、お金があるなら小型のプロ機を買ったほうが良いでしょう。
そして細い木から大きな木まで伐れる135eだからこそ、大排気量のプロ機を購入後は用途が少し被ってしまう恐れがあるのです。
チェンソーは細い樹を伐るときは軽いものを、太い樹を伐るときは重くて強力なものを使い分けるのが基本ですが、135eは重くて出力が低めなのでどちらにも最適とは言えません。
ゆえに、最初から「チェンソー2台持ちになる!」と決めている人は、小・中径木伐採や枝払い用に重量4.0kg以下のMS170や、
MS170
排気量:30.1㏄
出力:1.3kW
重量:4.0kg
価格.comでも売れ筋となっている日立工機のCS33EDPのほうが良いのかもしれません。
CS33EDP
排気量:32.2㏄
出力:1.3kW
重量:3.7kg
これらの機種なら少しパワーが弱くとも軽いですから、135eよりも2台持ちに向いているでしょう。
最後に
この記事では出来るだけ客観的な評価を下すため、135eの良いところだけでなくて悪いところも書きました。
しかし人生で初のマイチェンソーであり、色々と教えてくれましたから、愛着は持っていると言い切れます。
もうすでに550XPというプロ機を所持していますが、この135eを手放したいとは思えないし、完全に壊れるまで使い切ることになるでしょう。
以上、チェンソーを愛してやまない偏執狂が書いた記事でした。
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