バイク用木製サイドキャリアを自作してみる(NC750S)

機械

私が所持している唯一の交通手段、大型バイクNC750S用の木製サイドキャリアを製作してみました。

ホムセンに売られている採集コンテナを軽く6個取り付けられます。
コンテナ1個の容量は約40L、6個取り付けると240L積載出来るようになりました。

 

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動機

現在、所持している山林でキノコと薪を作っているのですが、良い品が出来たら直売所やネットで販売したいと思ってます。

しかし今所持している車は、大型バイク1台のみ。
積載量は少ないです。

軽トラなどを買えばいくらでも積めるようになるのですが、税金などの維持費が高いのでなかなか踏ん切り付かない!
金の節約のため、量が少ないうちはバイクだけで出荷できないものか?
バイクを改造して積載量を増やせないものか?

と考えたのがきっかけです。

 

バイクの積載箇所は主に「リア」と「サイド」がありますが、あまり後ろにはみ出して荷重をかけるとバイクが不安定となります。
「大型バイクは2人乗りが可能→リアシートには最低でも80kgくらいまで荷重をかけても安定する」
ということを前提にして、リアシートに荷重が集中するサイドキャリアを製作することにしたのです。

 

 

ちなみに「牽引」も考えたのですが、原付ならまだしも、大型バイクでは被牽引車両についても色々な制限や税金がかかってきて、自作は難しいし市販されているものもかなり高価になってきます。
なので、今のところ牽引は諦めています…
面白そうなんですけどね。

 

法律

バイクの積載にはいくつか法律がありますが、大型バイクに関わるものを簡単に説明しましょう。

  • 積載総重量:60kgまで
  • 乗車装置や積載装置のはみ出し長さ:0.3mまで
  • 乗車装置や積載装置のはみ出し幅:左右それぞれ0.15m以下
  • 高さ:地上から2.0m以下

 

サイドキャリアに関わるものとしては、「はみ出し幅左右それぞれ0.15m以下」がメインですね。
ここで面白いのが「積載装置から」のはみ出しであって、「車検証に記載されている車幅から」ではありません。

 

ネット上で法律や事例を色々調べまくってみた結果、積載装置にはボルト締めなどで安全に固定出来るものも含まれます。
溶接で車体と容易に取り外せないようにすると、車体サイズの変更により「構造変更」となります。
市販されているキャリアを付けてもそのまま車検に通るのは、それが容易に取り外せる積載装置だからです。
積載装置を自作して工具で取り付けること自体は、何の問題もありません。

 

さてでは「積載装置の大きさに制限はあるか?」ということですが、俗説として「車検証に記載されている車幅まで」がありますが根拠となる条文がありません。
同じことを調べていた記事があったので参考にさせてもらうと、要は「工具などで頑丈に固定して安全に走行できれば良い」だけで、ほぼ無制限みたいなもののようです。

まあ道交法は安全のための法律であって、全ての数字が絶対ではないでしょう。
例え数字をきっちり守ってもグラグラして荷物をぶちまければそれは駄目だし、グレーでも安全性が確保できていればヨシ!

 

製作記録

バイク用のキャリア自作にはホムセンで売られている長いL字アングルや鉄パイプで作っている人が多いのですが、鉄の加工は面倒だし余った時の処分も面倒ですから、使い慣れた木材で作ることにしました!

「木材は弱いだろ?」とお思いの人もいるでしょうが、木材は鉄よりも重量比強度があります。
車両のような自走式機械では、積載装置に鉄よりも木材使ったほうが合理的なんですよ。

体積比強度は鉄より劣りますが、加工性に優れていますから無駄な部分を除いたり色んな場所にボルトやビス留めすることも簡単です。

 

大きな箱を作ってしまうと取り付け・取り外しが面倒になってくるので、ホムセンに安く売られている採集コンテナをいくつも取り付けられるような構造にすることにしました。

イメージ的には上の写真のような感じ。
リアシートに荷重がかかるように、角材2本を固定し、コンテナを置いていくこととします。

「荷締めベルトでグラブバーと固定すれば良いだけか?」とも考えましたが、ハンドル部分(?)がちょっと邪魔だし振動で横にずれそうです。
やはり金具などで車体と固定していく必要がありそうです。

 

角材の固定

ホムセンで売られている角材にも色々なサイズがありますが、ちょうど2m根太材(60×60)が1本200円という格安の値段で売られていたので、これをメインにしました。
2本買ったので、木材代は400円ぽっち。

まずは採集コンテナが3つ置けるようなサイズにカット。

 

色々考えて、U字金具(M8×110mm)2個で車体のグラブバーに固定することにしました。
これだけだと前後方向にずれるかなあと思いきや、きつく締めるとほとんどずれることはありませんでした。

加工にはM8が通るような「木工用ドリル」と、ナットとワッシャーを埋め込んで上端が平らになるように「ボアビット」を使いました。

穴を開ける場合、角材の表裏から細いドリルでゆっくり貫通させ、太いドリルで穴を広げるようにすると綺麗に出来ます。
上手くいけば9mmドリルのみで、ずれれば10mmドリルが必要となります。

ボアビットは、ワッシャーのサイズ+αのものを使います。

 


サイド下部コンテナの固定

サイド下部にもコンテナを取り付けて積載量アップ&重心を低くします。

こちらも色々考えて、U字金具でコンテナの取っ手をサイドキャリア・グラブバーに固定しました。

このサイド下部コンテナだけは、サイドキャリアに取り付けてから荷物を入れていくことになります。
空荷でないとボルトを取り付けるのがかなり面倒ですから。
おかげで大きなものは入れにくくはなるが…

取り付けてもマフラーには干渉しません。

干渉しそうならもう少し高さの低いコンテナを使ったり、底にグラスウールなどの断熱材を噛ます必要があります。

 

リアキャリアと高さ合わせ

今のままだとキャリア上端とリアキャリアに若干の高低差があるので、小角材で調整します。
調整しないとリアシート直上のコンテナが不安定になりますから。

測定してみたところ、角材上端とリアキャリア上面は3cmほどの差がありましたから、30×40mm野縁を使いました。
角材に合うような傾きに、リアキャリアに載るよう長さにカット。

 

ちなみにリアキャリアは「デイトナ マルチウィングキャリア」です。

 

リアキャリアには穴が開いてますから、M8ボルトで固定できるように野縁にドリルで穴を開けます。

また、角材とは90mmビスで留めてしまいます。
これで全体のずれも少なくなります。

採集コンテナ底面にも穴が開いており、M8ボルトだとぴったり入ります。

コンテナの位置を微調整してボルトを通します。

ボルトをコンテナ底からリアキャリア下面へ貫通させ、ワッシャーとナットで固定すれば、コンテナの固定も高低差の調整もまとめて完成です!

 

塗装&組立

主な車体固定部分が完成したので、残りの材を組み立てていきます。

まずは角材をもう一本同じサイズの長さにカットし、2本を繋ぐような材も用意します。

木材は塗装しないと腐りますから、塗装します。
使用した塗料は安価な「タフソート」というものです。
小屋建築などにも多く使いましたが、今のところ塗料の性能に不満はありません。

 

角材どうしの接合には100mm鉄釘を使いました。

昔購入して余ってたので使いましたが、60mm角材の接合ですから150mm釘の方が強度はあるでしょう。
まあ強度に不安があれば後から角金物などで補強できますしね。

長い鉄釘を金槌で打つ場合、下穴を開けたほうが確実です。

下穴が無いと、ちょっと打ち損じただけで釘が曲がって打てなくなりますから。

径4.2mmの100mm釘に合うような長さのドリルが無かったので、90mmビスを打ってから抜いて、釘を打ちなおしたりしました。

 

完成&取り付け

釘による組立が終わり、梯子のような木製サイドキャリアが完成しました!

サイズ自体は結構ありますが、やはり木材ですから簡単に持てます。
片手で小脇に挟んで運ぶことも軽々です。

バイクに取り付けるとこんな感じ。

安定感はあると思います。

キャリアを作ったといっても単なる骨格ですから、荷物の固定は基本的に荷締めベルトで行うこととします。

木製ですからベルトを引っかけるところが少なければ、ボルトを付けて増やすことも出来ます。

コンテナはサイド下部と上部、左右で4個。
リアには2個積み上げますから、合計6個は軽く積めますね。
コンテナ6個積んで高速道路走るのはきつそうですが、地元の直売所や農協行くくらいなら余裕でしょう。

 

使わない時は取り外して床下などに保管できます。

金具を使いまくってあまりガチガチに固定すると脱着も面倒ですから、今回くらいがちょうど良いのかなあと思います。

 

 

まとめ

というわけで今回は木材とU字金具をメインに使って、バイク用の木製サイドキャリアを自作してみました。

同じようなキャリアの製作事例を見たことが無かったので、設計に悩む時間が多かったです。

でも、材の加工自体はすぐ終わりました。
軽量で加工性が良く、安価なのが木材の良い点ですね。
デザイン性も悪くは無いんじゃないかな?

 

これで積載量は大幅アップしました。
大型バイクを出荷用に使う奴だなんて見たことも聞いたこともありませんが、第一号に俺はなる!

 

(中国人や東南アジア人のあの積載技術、どっかで勉強出来んものか)

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