進入路造成日誌 2016年10月

2017年4月20日

前回 「進入路造成日誌 準備編」

 

施工開始

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2016年10月16日、四万十式作業道を造成する準備が整いましたので、今日から作業をしていくことにします。
ひとまず土木作業として集めた道具は、スコップ、つるはし、根を切るための鉈、他にも丸太を加工するチェーンソーです。

四万十式丸太組工法で必要な資材は、丸太とワイヤーなどのロープ類のみ!
画像検索で調べてみたところ、従来の擁壁丸太組工法では擁壁前面の丸太に大きな穴を開けてボルトを通すことで丸太どうしを固定させていくようですね。
しかし四万十式丸太組工法ではボルトを使用せずに、代わりにロープなどで繋げられた土中の丸太アンカーによって擁壁前面の丸太が保持されることになります。
丸太に穴を開けたりする手間がはぶける、ボルトの代金なども少なく出来るというわけです。

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まずは擁壁下端の丸太を置くスペースを作るべく、つるはしとスコップで掘って掘って掘りまくります。
高度の高い公道側から始めるか、高度の低い山林側から道を作るか悩みましたが、高度と平面角度変換点の基準となる中間の場所を最初に造成してみることにしました。

丸太組擁壁は勾配2分くらい(垂直距離10に対して、水平距離2)まで急に出来るようなので、欲しい幅員+αくらいのところにスタートの丸太を置く必要があります。
幅員は軽トラがギリギリ走れる、2m程度としてみました。
幅員が足りなくなれば公道側の切り土面積を増やすか、山林側の下部にさらに丸太を組んで拡幅することになるかもしれません。
何分道路の造成は初めてだからよくわからない…

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大分掘ることが出来ました。
掘った土は斜面下方に移して通常の盛り土とすることにしました。
ここらへんの土は粘土質ですので掘る時に少し力が要りますが、再度踏み固めると結構固くなるので、雨で流れまくることは少ないと思われます。

使用する丸太は主に、伐採時に約1.5mに玉切りしていた雑木です。
なので擁壁下端の幅もそれに合わせて1.5m程度とすることにしました。

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たまに蝉の幼虫やミミズが出てきたり。
土中の生き物は殺してもしょうがないので遠くに投げ捨てたりしておきました。
邪魔してすまんね。

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丸太組工法では道に対して平行な擁壁面丸太と、直交方向の土中の丸太(控木)、アンカーとして使用する丸太の3種類が必要となります。
土中の丸太の長さも一応1.5m程度として、ちゃんと水平に置けるように切り土&整地しました。
とりあえず細めの丸太を置いてみて、整地スペースの方向や幅を色々確認しながら微調整。

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今日はここまでです。

下端の丸太にはとっておきの太いヤマザクラは使ってみることに。
広葉樹の丸太は曲がっているものが多いので、ちょっと転がしてみてすっと置ける場所や向きを探してみました。
一本丸太を置くと、ちょっとだけ丸太組工法の完成形が想像できるような気がしました。

タコの製作

10月17日、小屋の基礎締固めや進入路の締固め用に、タコ(転圧機)を作りました。
適当なコナラの丸太と適当な枝を、インパクトドライバーとビスで固定して終了です。
これでどんどん固めていこうというわけです。

 

一通りの積み重ね作業手順

10月18日、進入路の丸太組工法本格的に始動です。
ちなみにこの日辺りから、午前は進入路造成、午後は6畳小屋セルフビルド作業を行うようにしました。
造成作業はガチ土木の体力勝負、セルフビルドもいくらかは体力使いますが資材の搬入さえ終わればむしろ頭を使う方が多いですから、こういう風にするとバランス良いのです。

とりあえずホムセンで化繊3mm径ロープを購入しておきました。
土に埋めて酸素を遮断すると言っても、やはり自然物のロープ(麻、シュロ)よりも化繊のほうが良いんじゃないでしょうか。
ベストなロープ類としては使い古しのワイヤーなどでしょうが、ガチの林業家じゃないからそんなの持ってないです…。

擁壁面丸太と50cmほどに切った短い丸太アンカーをロープでつなぎます。
繋ぎ方は「ねじ結び(ねじり結び、ティンバーヒッチ」としました。
かなり簡単な結び方ですが、引っ張りに強く解けにくく、手で解くのは簡単なのです。

丸太と丸太の高低差はほぼ同じくらいで大丈夫でしょうが、土中の丸太アンカーを若干低めにしたほうがロープを張りながら埋めていきやすいかと思われます。
位置が決まったら少し埋めます。

次に、チェーンソーで擁壁面丸太にV字カットを行い、丸太を置きやすくします。
土中に埋める丸太(縦木)は曲がりまくっていてもあまり支障は無いので、擁壁面丸太よりも程度の低いものを使用。
やはり雑木丸太はこのように土木資材として使うのが一番ですね。

丸太と丸太のピッチは大体1m程度としてみました。ここらへんは適当。場所が決まったらさらに埋めていきます。

縦木にもV字カットを行い、擁壁面丸太を上に置きます。
さらに丸太アンカーとロープで繋いで固定し、埋めていきます。
縦木を置く前にタコや足である程度転圧して締固めて、盛り土していきます。

基本的にこんな感じで擁壁を作っていこうというわけです。

丸太アンカーを埋めていくと、擁壁面丸太のすぐ上に乗ったりしてもぐらつくことは無くなっていき、どんどん安定化していきました。
急な角度、段差ですが、この調子なら車が通っても崩れない道を作って行けそうです。

今日はここまで。
つるはしとスコップで土を掘りながら、チェーンソーで丸太を加工してロープで結んで埋めていって…の繰り返し。
単純な作業ですが、体力を使います…。
丸太の加工などもそれなりに時間がかかりますので、バックホウレンタルしながら丸太組工法しなくて良かったなと思います。


10月19日、この日も半日作業。
作業手順は昨日と変わりませんが、切土&盛土のサイクルを効率よく出来るように、作業範囲を変えていたりしています。
切土を遠くに運んだりすることを避けるのが基本です。


10月20日、3mmポリエチレンロープが無くなったので、ホムセンで買い足しました。
200m巻で1,780円。
かなり業務用っぽい梱包のしかた&タグとなっています。

ちょっと盛土の底面を間違えたのか、落ち葉層の上に盛土してそこに丸太を置いてしまった場所があるようです。
極力落ち葉層の下の土の層を整地して、そこを擁壁下端になるように気を付けました。

今日はここまで。
公道側の切土が終わったので、これからは山林側に伸ばしていくことにしました。
最終的には山林側下方からどうにかして土を運んできて、盛土して公道側の擁壁を完成させることになります。
そこまで土を運ぶ場合はやはり道が必要ですので、山林側も整備していかないといけないわけです。
…山林側から道を作っていっても良かったんですがね。

最近少しお尻が痛いなあと思って観察するとイボ痔になってた…


10月21日、山林側の方向に道を伸ばそうとしましたが、切り株が邪魔をしています。
このレベルの切り株を完全除去するのは難しいので、極力避けたり埋めるだけで済ましたいもの。

左側の切り株は受け口のような切り口を入れて、擁壁面丸太を支えるようにしてみました。
これで切り株を除去する手間が無くなるし、土壌保持力も高まりそうです。

今日はここまで。

広葉樹の丸太ばかり使っているので、擁壁が綺麗に揃っていません。
まあ針葉樹は少ないし、真っ直ぐなものは極力建材として使いたいので、このくらいはしょうがないか。


10月22日、斜面を歩くのが辛くなったので、擁壁面下端の丸太を置くスペースだけ簡単に整地しておきました。
切り株除去には多くの労力がかかるので、ひとまず足固め。


10月29日、6畳小屋セルフビルドの基礎工事などがあったので、造成作業は久しぶり。

進入路近くに置いていた太い丸太が少なくなってきたので、下から運ぶことにしました。
丸太を運ぶ場合はねじ結びとひと結びで作る「丸太結び」が良いらしいので自分もやってみましたが、ロープが手に食い込んだりして大して楽にならない…。
というわけで結局、腰に抱えて持っていくことにしました。
重いし、道が整備されていないから大変!

下から丸太や土を持ってくることも増えるだろうということで、小屋から公道までの廃道をさらに整備することにしました。

最初に行ったのは、道脇にどけていた枯れマツの除去。
つるはしを刺して斜面下方に転がして捨てていきます。

今日はここまで。
小さな木の切り株除去なども行いました。
切り株があるとつまづきそうになったり、一輪車が引っかかったりしますからね…。


10月31日、擁壁の整備を進めています。
コナラの切り株にぶつかったので少しスピードが落ちました。
切り株除去は周辺の土を掘って、ノコギリやチェーンソーで切って、さらに土を掘って…の繰り返しですから時間がかかります。
とりあえず切り株が道の上に出なくなればいいので、周辺の根をある程度除去するだけにして、埋めてしまうつもりです。

 

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