進入路造成日誌 準備編

2017年4月18日

投稿日:2017年4月18日
あっ、やばい、作業忘れそう…
写真撮ってただけなんだよなぁ。
うろおぼえで書いてます。

 

スポンサーリンク

簡易測量&設計

pa030200

2016年10月3日9月に伐採したおかげで大分進入路の具体的なルートが見定めることが出来るようになりました。
小屋建築候補地から舗装公道までには、大昔に作られた道(歩道?)があったようですが、私が伐採するまでは草木に覆われて廃道になっていました。
「廃道を復活させて、小屋から舗装公道までを車で行き来出来るようにしよう!」というのが、この進入路造成の目的です。

廃道の大部分は簡単な整地をしていけば何とか大丈夫でしょうが、しかし舗装公道と廃道の接続点は舗装時の工事で全部切りくずしちゃったのか、ただの法面となっています。
この法面を車で通るには簡単な整地だけでは恐らく無理でしょう。
ちゃんと擁壁作って盛り土していかなければなりません。

pa030204

何とか道になっているところから、公道までの勾配をスマホで簡単に測ってみます。
なお、契約書に載っている地図を見る限り写真の右上側の法面は他人の土地で、手前側の法面は自分の土地となっているようです。
他人の土地にはみ出さず、適切な勾配で、擁壁が最小限で済むルートを考えます。

pa030206

では「適切な勾配」とはいったい何なのか?
ということで、近くの舗装公道上で自分が「ちょっと勾配きついな~」と思うような勾配ってどれくらいか、測ってみることにしました。
その結果、大体4.7°くらいでした。
100分率で言うと8.2%くらいです。
一応道路の最大勾配は道路構造令によって規定されているようですが、最大で12%勾配くらいのようです。

…簡易すぎる測量だから作ろうとしている道路がどのくらいの勾配になるのかよく分かりませんが、とりあえず勾配は少な目にしておきます。

pa030207

他人の土地の境界を地図から推測しながら、簡単な杭を打って、造成地のイメージを深めます。
万が一精密な測量を行う機会があって「やっぱりはみ出ていた~」とかなって持ち主から回復を求められたら、盛り土しなおして終了です。
ほとんど管理されていない場所ですので可能性はかなり低いですが、万が一というのもあるので境界付近は一切コンクリ等は使用しません。
車が脇の道に入る場合などは内輪差を考慮しないと出入りしにくすぎですから、角度変換点は少し広めに造成するつもりです。

車道の造成なんて本当に初めてだから、進め方が全くわからん…。

 

清掃

pa130146

10月13日、今シーズンに伐採すべき進入路上の樹木は全て伐採し、丸太も片付けましたので、ようやく造成工事に本腰入れられるようになりました。
ですのでこの日以降からしばらく、進入路造成工事本格的に開始です!

さてまずは造成予定地上の清掃だなということでよく見ると、ガラスの不法投棄発見!
割れているものですのでほったらかしにしておくのには大変危険です。
何とかして取り除かなければなりません。

pa130147

効率的に取り除く方法が良く分からなかったので、ちまちまと手で拾ってバケツや一輪車に入れて集めることにしました。
どうしたものか、この不燃ごみ!
ガラス以外にも空き缶や長靴も少し落ちてました。

補足
ガラスは沓石の下に入れてやりました。
ゴミステーションに持っていかずに片付けられたので、一石二鳥!

 


pa140153

10月14日、造成予定地上にはまだまだカヤや落ち葉がありますので、それらも丁寧に取り除いていくことにします。
有機物が混ざる土は植物の成長にとっては良いでしょうが、車道にとってはちょっとダメです。

とりあえず所持していたアメリカンレーキを使用してみますが…

pa140154

落ち葉等は掻いていけるものの地表に大量にあるカヤの根に引っかかりまくって、前処理すら面倒でした。
最終的にはつるはしやスコップで掘りながら、これらの根も全て取り除いていくことになります。

pa140156

一応レーキでの清掃完了です。
ガリガリ引っかかりながら気合で掻いていきました…
こうやって清掃しておかないと、土を掘る時にゴミが入りまくってふっかふかな道になっちゃいそうなのです。

pa140158 pa140159

これから道の上や下に行ったり来たりしそうなので、とりあえず簡易歩道のような小さな道を作ってみました。
カヤの根は鉈で切り、つるはしで切り土していきました。
進入路の横断断面で最も高い場所に歩道を作ったので、このくらいの高さの場所を車が走れるようにしなければなりません(説明むずい)
盛り土…大変そう…。

pa140163 pa140164

さらにつるはしやスコップを使って地表を耕していきます。
耕すと言っても作物を作るためにふかふかにさせていくのではなくて、地表の根を取り除いていくために行っていきます。
土だけならスコップでザクザク掘っていけるのですが、根があると掘れません。
根と土はまるで鉄筋とコンクリートのようなもので、組み合わさるとかなり頑強となります。

今日の作業はここまでです。
ようやく本格的に土を掘っていくことが出来ますが、どのように掘らなければいけないのかは工法によって変わるでしょう。

四万十式作業道について

pa140160

いや~、今日はいい天気です。
なので四万十式作業道について少し説明しましょう。(あまり関係ない)
林業業界の中ではそこそこ有名になってきた技術ですが、業界外の人はほとんど知らないと思います。

※記事を清書している今(2017年4月)は近くに参考書が無いので、うろ覚え…

四万十式作業道とは、日本最後の清流と言われる四万十川がある高知県四万十町で生まれた、崩れにくい林業用作業道です。
特徴は色々ありますが代表的なものとしては、斜面下方法面の植生回復を促進する「表土ブロック工法」、長いボルトを使わずワイヤーと丸太だけを使う簡易的で強度のある「丸太組工法」、斜面上方の切土量を少なくして雨滴衝撃も少なくする「垂直切土」でしょうか。
他にも作業道上の排水を促進する「波型線形」、暗渠(道下を横断する排水路)を作らず道上に沢水を通す「洗い越し工」とかあるのですが、ネット上の説明見た方が早いっすね!(例:低コスト作業路の作設マニュアル)

四万十式作業道の何がいいかって、低コストで崩れにくく、基本的にコンクリートを使用しないっていうところです。
コンクリを使わず植物の土壌保持力を最大限に活かす方法ですから、環境にも良く、崩れにくい割に解体や地形回復もしやすいのですよ。
今の自分には「このルートが何十年先もベストであり続ける!」なんて確証がありませんから、高い金払って隣地との境界や造成予定地の測量したり、コンクリで擁壁を固めていくなんてことをしたくありませんし第一金が無くて出来ません。

基本的に四万十式作業道の実際の施工時には、バックホウとチェーンソーが必要になります。
バックホウの機能を最大限に活かさなければちゃんとした四万十式作業道を造ることは出来ないのですが、今のところバックホウが作業現場に入ることすらできなさそうなので、ひとまずはチェーンソー一本だけで施工してみます。
人力での四万十式作業道造成事例は今のところ見たことありませんが、だからこそやる価値と発表する価値があるのではないかと。
しかしその代わり、やれる工法は「丸太組工法」と「垂直切土」くらいになりますがね。表土ブロック工法は、スコップでやるにはつらたん…
まあ最終的に、車がちゃんと通れるような整地をするためにバックホウをレンタルするとは思います。

一応近くの重機レンタル屋に聞いてみたところ、2tバックホウレンタル代は10,000円/日、配送費は片道12,000円くらいのようでした。
レンタカー屋で2tトラックをレンタルする場合、6時間7,500円。
燃料(軽油)はもちろん満タン返しです。
「あとはバックホウあれば一気に進められる!」という状況になったら借りた方が良さそうですね。100人分の仕事するらしい(World Travel)ので、手作業するよりお得なのは間違いなし?
車体重量3t未満のものなら作業しても良いという特別教育修了証持ってますから、久々に運転したいというのもある。

 

「進入路造成日誌 2016年10月」に続きまーす。

2