自作ロケットストーブを改良して耐久性と燃焼効率を上げる

2019年2月6日おすすめ記事, DIY

パーライトモルタルとペール缶と半斗缶を材料とし、型枠工法で調理用ロケットストーブを自作しました。

どうしてそんな構造にしたのかは、前回までの記事で。

 

製作後、数か月間毎日使用していますが、ゆっくりと改良していきました。
今回の記事は、その様子をお届けしたいと思います。

今のところ、調理用ロケットストーブとしては完成に近づいてきたと感じています。

 

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ヒートライザー(煙突周辺)の改良

まずは、煙突の出っ張り部分を、金切りバサミで切断しました。

煙突部は長ければ長いほど空気の吸い込みが強くなりますが、調理用とすると熱が放散しやすくなり熱効率が下がります。
なので断熱が出来ている分、ペール缶の高さに合わせました。

ディスクグラインダーを持ってないのでハサミでどうにかこうにかやりましたが、案外何とかなるもんでした。

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前回の記事で、煙突周辺に直接グラスウールを巻くと、グラスウールが溶けて耐えられないことが分かりました。

調べてみるとグラスウールは接着剤の白化が150℃程度で始まり、ガラス繊維の溶融は250~350℃程度で起こるようです。
ロケットストーブの燃焼温度は500℃くらいにもなるので、数値上耐えられないのは明らかです。

でもまあ、実際に試してみて、どうなるか分かって良かったです。
こんな実験している阿呆人がネット上で自分以外にいなかったからね…

ひとまず、ペール缶を外して、使えなくなったグラスウールを外します。

 

パーライトモルタル+ペール缶で耐久性を上げる

グラスウールの代わりに、パーライトモルタルを断熱&蓄熱材とします。

パーライトモルタルならハゼ折り煙突が熱で歪んでも煙突内部に落ちてこないし、断熱性と耐久性があります。
また、グラスウールやロックウールは断熱性は良いですが、蓄熱性が少ないので、燃料が不足するとすぐに温度が下がってしまいます。
安定的な燃焼のためには、ある程度の蓄熱性も重要

 

ペール缶を耐熱型枠として使用します。
まずは金切りバサミで上部を開けます。
なお、切った部分は切り離したほうが手の怪我を防げますが、防風板として使うため、今回はそのままです。

セメントとパーライトと、なんやかんや(?)を混ぜてパーライトモルタルを作ります。

なんやかんやってのは、まあ、グラスウールの塊とか、余ってた砂利とか…
リサイクル!リサイクルですよ!

水と混ぜたパーライトモルタルを、煙突内部に入らないようにペール缶へ入れていきます。
スコップでちまちま入れていきました。

パーライトモルタルの量は、煙突上端ギリギリ&水平になるようにするのがベストです。
こうしておくと五徳が置きやすいですから!

ついでに半斗缶周りにも、蓋がギリギリしまるくらいの深さまで入れました。

固まったら、ひとまず完成。

 

なお今回作ったもの、余ってた砂利を嵩増しのために入れたからか、試運転すると断熱性が低いことが分かりました。
コンクリートの断熱性は低いように、砂利が入ると断熱性も低くなりますね。(当たり前だ)
まあその分、蓄熱性は高くなったと思います。

 

しかし蓄熱性が良くなっても断熱性が少なければ少ないほど熱効率が悪いですから、更なる改良を行いました。

 

グラスウールで熱効率を上げる

煙突に直接巻くと温度に耐えられなかったグラスウールですが、ヒートライザー(蓄熱・断熱材)の周りに巻くとどうなるか?

物は試しです。

袋からグラスウールを取り出し、ヒートライザーのペール缶を一周させるくらいの長さにカット。
固定は適当に、シュロ縄で行いました。

 

で、試運転してみたところ、グラスウールが白化したり溶融したりすることは一切なく、燃焼中に触っても少し暖かい程度。
ヒートライザーの断熱性が上昇し、燃焼効率が上がりました!

 

焚口(半斗缶)の改良

まずは小さな改良を。

最初は空気&燃料投入口を半円&長方形としていましたが、結局二つを繋げて口を大きくしました。
最初は燃焼中でも焚口の蓋を開けて大きな薪を入れようとしていましたが、「やっぱりそのまま投入れられるほうが楽だよな…」
と、感じて、こうしました。

 


半斗缶の蓋の上に石膏ボード

焚口である半斗缶の上部にも熱が伝わりやすいです。
半斗缶の蓋そのままでは熱が放散して熱効率が悪くなるし、グラスウールでは耐えられません。

 

今回は、余ってた石膏ボードを蓋に乗せてみました。
上の写真など、半斗缶の上に乗ってるやつです。

石膏ボードは内壁の下地として主に使われる材料ですが、安価な不燃材です。
レンガを乗せても良いのですが、全面に置くと重くなって蓋が抜けてしまいそうな気がして…

分かっていましたが、石膏ボードは表面の紙で形状を保っていますから、紙が燃えると簡単に砕けていきます
ただ、今回は蓋の上に載せるだけですから、どんどん砕かれても、上に乗っていれば問題ありません。

さて石膏ボードを置いた効果ですが、何も置かないのに比べたら断熱性が上昇し、半斗缶の蓋へのダメージが少なくなった、気がします。

この部分のベスト材料はおそらくロックウールでしょうが、まあ無かったら石膏ボードでも良いかな?

 

バーベキュープレートで焚口の耐久性を上げる

焚口上にも鍋を置ければ熱源が2つとなりますから、おかず作りと汁物作りを同時に行えます。

しかし今回の焚口は半斗缶であり、その蓋は薄い鉄板ですから、重い物を載せるのには不安があります。

ということで、安いバーベキュープレートを通販で買ってみました。
一斗缶、半斗缶の蓋のサイズは、235×235mmです。
270×300mmのプレートなら、良い感じに収まりました。

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空気の漏れを少なくするため、上下を裏返して使います。

ヒートライザー部の燃焼が上手くいってれば、煙突効果で煙の逆流はほとんどありませんが。

で、試運転。

熱が逃げるのがもったいないので、鍋周辺に石膏ボードを撒いてみる。

煙突上部と違って直火ではなく輻射熱となりますから、鍋が煤で汚れることがなく、色々な調理器具が使えます。
プレートの向きを正しい方向にすれば、直接焼いたり炒めたりも可能。

やはり煙突上部よりも熱量が少ないですが、飯炊き&おかず作りの間に味噌汁1人分くらいのお湯は沸かせました。

ひとまずは上手くいきました!

 

ただ、自分はおかず一品だけで満足しちゃうので、実はあまり2口コンロとしては使ってないのが現状です…

 

なお、バーベキュープレートなら燃焼中でも蓋を開けやすいかな~と思ってましたが、半斗缶の蓋でもトングなどを使えば簡単に開けられて、燃料を投入できることが分かりました。

 

数か月使用後の感想まとめ

上記のような改良を行って数か月経った様子が、上の写真です。

 

まず、どれだけヒートライザーの温度が上がっても、グラスウールが劣化していく様子は見られませんでした。
グラスウールは蓄熱・断熱材の周りに巻くと、更なる断熱性の増加が期待できます。

焚口周りの石膏ボードですが、表面の紙が燃えてだんだん脆くなってきましたが、上の写真以上に劣化していく様子は見られません。
火の通り道に直接当たらないのなら、石膏ボードはロケットストーブの型枠として十分使用できます。

また、嵩増しとしてパーライトモルタル内部に断熱材のスタイロフォームを入れましたが、熱で溶けたりしている様子は見られません。
火の通り道に当たらないようにすれば、スタイロフォームは嵩増し材&断熱材として使用できそうです。

半斗缶は薄い鉄板だからか、熱に晒され続けるとだんだん歪んできました。
ただ、形が歪むだけで、穴が開いたりはしませんでした。

歪むと蓋と本体の間の隙間が大きくなって煙が少し逆流することもありますが、ヒートライザー部の燃焼が順調になれば逆流も収まります。
また、空気口にレンガを置いて空気量を絞ることでも、逆流防止になりました。

 

ロケットストーブに直接関係ないですが、調理場ウッドデッキの感想をば。

ロケスト周辺にガルバ平板を取り付けましたが、耐火・防風材としてちゃんと機能しています。
煤でだんだん黒くなってきてはいますが、天井板が素手で触れないほど熱くなることは一度もありませんでした。

ただ、煙に含まれる物質が、ポリカ波板に作用して劣化を早めてしまうのではないか?という懸念が少しあります。

 

 

ロケスト使用前には灰を掻き出していますが、ウッドデッキ上にそのまま出すと、隙間から落ちて勝手に綺麗になっていくのが地味に楽でしたw
ウッドデッキは案外、埃の出やすい調理場や作業場として使いやすいんじゃないでしょうか?

まあこういう灰をとっておいて、色々なことに使っても良いんですがね…

 

あとがき

5年前から作り始め、山小屋暮らしを始めてから毎日のように使っている調理用ロケットストーブ。

最初は原理と他の人の事例を学んで、見よう見真似で作ってみましたが、色々と失敗を繰り返しました。
材料に対する知識や経験、火の取り扱いその他諸々、何も知りませんでしたから。
何年も経ってようやく自分ならではの、そこそこ満足できるものが作れてきました。
(玄人から見ればまだまだだろうけど)

しかし、こうやって試行錯誤しながら改善を続けることは、製作物だけなく自分のレベルも上がっていきますから、なかなか有意義に思えます。
ネットや他人が言うことは参考にするだけなら良いですが、何も考えずそのまま従うのでは何の成長もありません。
達成感も無いでしょう。

 

自分の場合、ロケットストーブの自作を通して、良い物を得ただけでなく改善と成長の重要さを学べました。

得られた知識や経験を、また別の分野に活かしていけたらなと願う次第であります。

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