約5,000坪の山林を購入した話

2016年5月21日おすすめ記事, 土地探しと入植

2016年4月、中国地方にある約5,000坪(約16,000㎡)の山林を諸経費込約164万円で購入しました。

以下はその経過です。

 

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土地探し

学校を卒業して仕事を始めてから、すぐに田舎暮らしの始め方について勉強を始めました。
安く土地や家を購入する方法についても具体的に調べ、挫折し、何度も挑戦をし続けました。

競売という方法は普通より格安で山林も少しあるが、占有者がいたりするときに面倒なこと。
山林紹介サイトは面白い山林が多いけど、物件数が(当時は)少なかったこと。
普通の不動産屋は価格の安い山林なんてほとんど紹介してくれないこと。
森林組合に紹介してもらおうと思っても、数が絶対的に少ないこと。
狩猟罠の標識の裏に「山林買います」と書いてみたりしたこと。
空き家バンクには面白い物件が多いけど利用が少し面倒だったりすること…

どの方法も一長一短あり、一つの方法だけで理想の土地や住居を入手出来るとは限りません。
団体職員だった時は上記の全てに食指を伸ばし、理想的な土地や家が出てくるのを待ち続けました。

しかし2015年の年末、ただ漫然と待ち続ける生活に嫌気がさし、2016年の1月から本腰を入れて探すことにしました。
仕事も嫌になってきたし…

まずはネット上で良さそうだと思った候補物件を30ほど探し、一つ一つ現地見学をしていこうと決めました。
中には、売値が10万円、畑や山林付(面積不明)の古い家もあり、大変心惹かれました。(安いから見学者も多数で、見に行けなかった…)

 

で結局、田舎暮らしを行うための物件を主に扱っている不動産屋に紹介してもらった山林に決めました。
最初は半年くらい現地見学していこうかと思っていたのですが、思いのほかその山林が良かったので、現地確認一発目の物件で決めてしまいました。

その山林は、今まで多くの場所に旅行してまとめた、自分なりの「理想の物件の条件リスト」の多くに合致するもので、理屈的には問題はありませんでした。

しかし最初は「こんなに早く決めて良いのか」「もっと日本各地の物件を見たほうが良いんじゃないか」「本当にこんなところが自分の理想の田舎暮らしなのか」という感情的な疑問が湧いてきました。

実際皆さんはどうなんでしょうか?
現地見学に行って、ほんの少しの滞在時間で「ここが俺の求めていた理想郷だ!」なんて強い感情を持つものなのでしょうか。

私は違いました。

「ふーん、結構いいじゃないか。
条件も大体クリアしている。
でも、こんなところに来たのは初めてだし、この地域に対しても愛着や親近感は無い。
本当にこんな土地買って、愛着が持てるのか?
すぐに飽きてしまうんじゃないのか?」

現地見学後に近くでテント野宿していたときに、上記のようなネガティブな考えばかりが浮かび上がってきました。
私の実家は海の近くであるため、海に対して何かしらの親近感を持っています。
理想の田舎暮らしの条件リストにも「海が近い」という言葉が載っています。
それなのに、全く海と縁のない内陸部なんかに住んでしまって良いのだろうか、と不安でしょうがなかったです。
あの幼いころに見た瀬戸内海の夕日の美しさをお前は忘れたのか、と自問自答を繰り返しました。

しかし土地や家を買うというのは結婚相手を探すようなもの(恋愛経験無いけど)であるらしいため、どうしても多少の不安が残ってしまうのはしょうがないのかなと考え、不安の完璧な解消は諦めることにしました。
まあ実際、もっと良い条件の土地や家が出てくる保証も無いし。
後、価格は込み込み164万円ですので、気に入らなくなったら売ってしまって他の物件を購入するのも手だしね。
住み続けたら愛着くらい持ってくるでしょう。
学生の頃は都会で暮らしていましたが、離れるときはちょっと感慨深いものがありましたしね。

 

あまり深く考えず、気負わずに、「ちょっとやってみようか」という気持ちで、購入を決めました。
一応実家の両親には伝え、「へぇーそんな土地があるんだな。面白そうだな」という感じの肯定的返事を受けましたが、あまり本気にしてるっぽさは見られませんでした。

 


山林の特徴

・面積約5,000坪(約16,000㎡)

P4090001

(↑の写真の中央尾根上、右側の斜面の森林一帯です)

 

・敷地内に水が流れている。

P4090029 P4090011

(流石にちょっと整備しないと水道として使えないけど…)

 

・電気引き込み可能(最寄り電柱より1km以内)

・公道に接している(車が入るには少し造成が必要だけど)

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・6畳小屋を建てられるほどの平坦地がある。

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・尾根、谷、南向き斜面や北向き斜面など、多くの環境がある

・市街から離れすぎていない(市役所まで30分以内)

・隣家までの直線距離は500m以上。

・高速道路のインターチェンジに近い。

・標高約300m(真夏でもクーラー無しで寝れるらしい)

・ドコモの電波は全く問題なし。

・猪らしき足跡やワラビあり。

・コナラやクリが多く生えている。

 

 

購入の流れ

ネット上で良さそうな物件を見つけ、不動産会社にメールフォームから連絡し、メールと電話でアポを取って事務所に行きました。

物件の簡単な地図をもらって営業の人と一緒に現地を見に行き、大体の境界や特徴を説明してもらいました。
この日の最初に紹介してもらった物件が、今回購入を決めた山林です。

一応他の同じような物件を半日かけて一緒に見て回りましたが、やはり最初に見た物件のほうが条件が良く、営業の人にも「やっぱり最初の物件が一番興味あります。もう少し詳細な地図をもらって、少し時間を頂けますか?」と回答しました。
営業の人からは「預り金10万円をすぐにお支払いいただければ、とりあえず確保いたしますが」と言われましたが、流石に手持ちが無かったので支払えませんでした。

その後二日間は近くの観光地でまったりしながら、本当に買うのかどうかを考え続けました。

そして現地を見てから5日後に「買います」と返事し、次の週の休日に手付金(売買価格の10%)と認印を持参し、正式な契約を締結することになりました。
売買契約書もこのとき頂きました。
不動産を購入するのは初めてですが、仕事でよく契約業務も行っているので、緊張は特にありませんでした。
「入植後はどうしようか」とわくわくしながら、契約前説明を受けました。

 

契約の約1か月後、不動産会社の事務所で司法書士立会いのもと、残りの金額を現金で支払いました。
登記事項証明書とか何とかは、登録出来次第郵送するとのことでした。
流石に現金約150万円を持って、バイクで高速道路に乗っていくのは多少緊張しましたね。

契約後、その足で不動産会社の人と近くの集落の自治会長らしき人と一緒に購入した山林をもう一度確認しに行きました。
自治会長も明確な境界がわかっておらず、「とりあえず迷惑かけないように」というスタンスのようでした。

後、やはり一応自治会で一度挨拶とかしないといけないらしいです。
人と関わらずに自分一人でやれるだけやる、っていうのが私の移住コンセプトですから、あまり自治会とは深い付き合いはする気はありません。
まあ最初の挨拶くらいはしておいて、それ以降関わるか否かは、またその時に決めましょう。

 

5月に契約したわけですが、移住予定の9月が待ち遠しかったです。
その間、仕事へのやる気が全く出なかった!

 

 

※追記

この後、予定通り2016年9月に入植しました。

「土地探しと入植」のカテゴリに入植当時の記事を載せていますから、よろしければご参照ください。

入植後に行った作業については「経緯と予定」を、生活の様子は「山の暮らし」カテゴリに載せております。

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