田舎暮らし虎の巻

2014年4月27日実用書・一般書

目次

 

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・農村社会を研究し続けてきた著者による101条の教訓

 

・法律、田舎の習慣、付き合い、仕事などが特に詳しい

 

・都会と田舎の対比により、都会の人にとって理解しやすくなっている

 

農村社会を研究し続けてきた著者による101条の教訓

著者の佐藤彰啓さんは、NPO法人「日本民家再生リサイクル協会」の初代理事長であり、その他いくらかの企業の代表取締役だったり、事業の委員であったり…農村や田舎社会に多く関わってきた、社会学的な意味でのスペシャリスト(?)であるようですね。

この本には101条もの教訓が載っているだけあって、田舎暮らしに関してははかなり幅広い内容だと思います
悪く言えば『浅い』かもしれませんが、もっと深く知りたいなら専門書やネットで調べれば良いのです。
本当の初心者というのは、『わからないところがわからない』のですからね。

というわけでこの本を読めば、田舎暮らしを始めるのに必要な情報の種類がわかることになるでしょう

 

法律、田舎の習慣、付き合い、仕事などが特に詳しい

田舎暮らしでは結構文系的な知識や理系的な知識の両方が必要になると思われますが、この本では文系的な知識のほうが詳しく載っているようです。

例えば、個人の希望や距離なども考えた田舎の選び方から始まり、田舎暮らしの土地の見つけ方やその法律古民家に暮らしたい場合の見つけ方や交渉の仕方などは結構詳しく説明されております。
『田舎暮らし』を関連させてこのようなキーワードを体系的にまとめたものは、あまり他には無いでしょう。

他にも田舎のごみ問題、トイレ水道電気の仕組みの説明、家庭菜園や薪ストーブなどの暖房の基本的な考えも載っており、読み応えはあります。
この本を読んで、さらに詳しく調べるきっかけとなれば、著者の狙いも成功でしょう。

 

都会と田舎の対比により都会の人にとって理解しやすくなっている

ずっと田舎に住んでいる人が、都会の人に田舎の魅力を伝えようとしても伝わらないことが多々あります。(自分調べ)
その点、この著者は田舎と都会の両者をずっと見続けてきたからか、田舎に移住する人々の気持ちがかなりわかっているように思います。
「田舎に移住する人なんて千差万別だから、そう簡単に気持ちがわからないんじゃないか?」と疑問に思った方は鋭いです。
田舎でのつきあい仕事は大事だからしっかりしたい思う人もいれば、出来れば最小限にしたいと思う人もいます。
田舎暮らしを始める人たちにもかなりの個性と好き嫌いがあり、だからこそ田舎の選び方や手順にはそれなりのコツがあるのです。
この本の著者はそれがわかっているように思います。

著者は著者なりの、田舎や環境への哲学を持っていますが、都会に対しては批判だけを行っているわけではありません。
目指しているのは、田舎と都会の共存であり、お互い自由に行き来できる社会です。
もっと気楽に、もっと楽しく、生きていくのが幸福だと私も思います。

 

詳細な目次

第1章 田舎探しは「心の原風景」に出会う旅

新天地はどこ?
田舎へのあこがれの時代に
U・J・Iターンのふるさと回帰

第2章 ライフスタイル別の地域選び

十人十色の田舎暮らし
リタイア後の田園生活
田舎で仕事
仕事は都会
週末田舎暮らし

第3章 田舎の土地事情

田舎の土地は「自然界の母なる大地」
田舎の土地は延びたり縮んだり
「赤線」「青線」と境界線をめぐる話
景観のいい場所に住みたくても法規制が
全国の地価事情


第4章 土地選びのノウハウ

まずは田舎に出かけてみよう
あなたにフィットする田舎とは
寒い地方は冬に物件見学すべし
景観より「住まう環境」を考えよう

第5章 土地購入までの実際

契約にあたっての留意事項
農地を取得する場合には

第6章 田舎暮らしのライフライン

電気がなければ
「蛇口をひねれば水が出る」とは限らない
田舎に都市ガスはない
IT革命は田舎を変えた

第7章 田舎の住まい

都市生活者が住む田舎の家
中古住宅購入のチェックポイント
古民家に住む
農家の借家はなぜ少ない

第8章 田舎暮らしはエコライフ

田舎暮らしは土づくりから
上流で水を流すということ
ごみ問題を考える
水の再利用
薪の利用と里山保全

第9章 田舎でのおつきあい

郷に入れば郷とともに
田舎の冠婚葬祭
都市と農村社会の違いを知る
農村の集落組織はどうなっているか
農協を上手に利用しよう

おわりに

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