チェンソーの整備・点検方法『毎日・毎回編』

2018年12月24日おすすめ記事, 機械

山仕事をするなら必ず使うであろう、チェンソー。

知らない人から見れば豪快な機械に見えますが、実はかなり繊細なものであり、少し扱い方やメンテナンスを怠るとすぐに壊れてしまうものです。
壊れてしまうとその修理費は、良くて数千円、高くて数万円!

日々のメンテナンスが修理費を抑える最大のカギとなります。
チェンソーを使って仕事をしたい人、費用を抑えたい人は是非ともチェンソーのメンテナンスをマスターしておきましょう!

 

チェンソーの整備には「頻繁に行うべき項目」と、「たまにやるだけで良い項目」があります。

今回の記事では、頻繁に行うべき、プロなら毎日すべき整備項目をまとめてみましたよ!
頻繁に行うべきということは、最も大事な整備項目でもありますから、最低でもこの記事に載っていることくらいはやりましょう!

ちなみにこの記事の元ネタは林業・木材製造業労働災害防止協会発行の「伐木造材作業者必携」という本です。
ですので大きな間違いは無いと思います。

 

自分が使った後のチェンソーをモデルに、整備していってみます。
モデルはハスクバーナの550XPというプロ用チェンソーです。
しかし、ホムセンモデルも電動モデルも、整備項目はほとんど変わりませんよ。

出来るだけ綺麗な場所で、軍手を装着して作業しましょう。

必要な道具は、「目立て道具一式」、「ブラシ」、「レンチ」、「マイナスドライバー」、「ガイドバー溝清掃道具」です。
安価な道具だけで日常的な整備は出来ますから、是非ご自分のチェンソーに合ったものを揃えておきましょう。

 

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分解

まずはクラッチカバー、ガイドバー、ソーチェンを外して分解をします。

手だけで外せる機種もありますが、以下のような六角レンチやマイナスドライバーが必要な機種も多いです。

レンチで六角ボルトを2か所反時計回りに回して緩めます。
マイナスドライバーでソーチェンのテンション調整ネジを反時計回りに回して、ソーチェンを緩めます。
後は六角ボルトを外すと、分解が出来ます。

 

クラッチカバーを外し、ガイドバーからソーチェンを外し、ガイドバーを外せば、チェンソー整備の準備が終わります。

なおソーチェンはチェーンオイルが付着しているためゴミも付きやすいです。
ガイドバーカバーの上など、綺麗なところに置いておきましょう。

 

清掃

機械の整備の基本は、清掃です!
使っているとどうせ汚れるものですが、汚れが付きっぱなしで使い続けると様々な不調と故障の原因になっていきます。
気合入れてやりましょう!

チェンソーは木屑を散らしながら切削していく機械ですが、それゆえに各部に多くの木屑が入り込みます。
しかもその木屑はチェーンオイルが混ざっているため、すぐにこびりついてしまい、振るっただけではなかなか取れません。

最も楽なのは、エアーコンプレッサーで吹き飛ばすことです。

 

しかしエアーコンプレッサーを持ってない人だってもちろんいるし、現場で清掃する場合だってあります。
そういう時は「硬い棒」と「プラスチック製等のブラシ」が必要となります。
ブラシは軟らかめの素材なら何でも良いですが、真鍮ブラシなどの硬いものを使うと部品を傷つけてしまいますから、おススメはできません。
使い古しの歯ブラシで良いですよ。

 

クラッチカバー周辺の清掃と点検

チェンソーにおいて、最も汚れやすいのがクラッチカバーの裏とスプロケット周辺です。
ちょっと使うだけで大量の木屑が付着しますから、チェンソーの整備をするなら最低でもここの清掃くらいはしておきましょう。

ブラシを使う前に、まず棒でこびりついたものを粗方落としていきます。
自分はデプスゲージやマイナスドライバーで落としてます。

丸い金属板の輪は「ブレーキバンド」ですが、この周辺に木屑が入り込むと上手くブレーキが作動しなくなる可能性もあります。
ですから、上写真のような溝からもしっかり木屑を落としていきましょう。

清掃のついでに、ブレーキバンドに異常が無いかも点検しておきましょう。
摩耗が進んでたり亀裂が入っていたりすれば交換です。

木屑が粗方落とせたら、エアーコンプレッサーやブラシで残りのものを落としていきます。
ちなみに自分はバイク用のチェーンブラシを使ってます。

次は本体側のスプロケット周辺です。
見える木屑はほとんど落としていきましょう。

オイル孔とかクラッチドラムとかを重点的に清掃していくべきですが、とりあえず全部綺麗にしておけば間違いはありません。

 

ガイドバー溝の清掃

ガイドバー溝はソーチェンのドライブリンク(足)が通るだけでなく、チェーンオイルも通る場所です。
清掃を怠るとソーチェンが外れやすくなったり、オイルが行きわたらずに焼き付いてしまう恐れが出てきます。
ここも必ず清掃しましょう。

溝の掃除は針や細いマイナスドライバーでも出来なくは無いのですが、厚みが一定ではないため上手く木屑を取りきれないことが多いです。
私のおススメは、HiKOKIのデプスゲージです。
目立てに必ず必要なデプスゲージ機能だけでなく、目立て角度の冶具として、溝掃除機能も出来て、しかも安価という優れもの。
これを使えばガイドバー溝の木屑全て掻き出せますから、チェンソーを持っている人は1本持っておくことを奨めますよ!

チェンソーメーカーによってチェーンオイルの挙動が異なりますが、ハスクバーナでは上写真のように、ガイドバーにオイル孔が付いています。
このタイプではちゃんとオイルが溝に入るように、オイル孔も掃除する必要があります。
見落としやすいですが、しっかり清掃しましょう。

 

エアクリーナーの清掃と点検

使用中は細かな粉塵が舞うことになるチェンソーですが、ガソリンエンジン式だと空気を吸い込むエアクリーナー部分が詰まってしまう恐れがあります。
電動モデルなら必要のない作業ですが、ガソリンエンジン式ならエアクリーナーの清掃は必須です!

エアクリーナーは繊細な部品ですから、汚れが少ない場所で作業をしましょう。

まずは上面カバーを外していきます。

マイナスドライバーやコンビレンチで留め具を外しましょう。

エアクリーナーを外す前に、周辺の木屑は出来るだけ取っておきます。
自分はこの時ばかりは素手で作業して、指で細かな屑を取っていってます。

忘れがちですが、エンジン内に異物が入らないよう、チョークをON(閉)にしておきましょう。
こうすればエアクリーナーを外した後に何か落としたりしても、エンジン内にまでは入らなくなります。
エンジンの分解を避けたいなら、必要な一手間です!

エアクリーナーの清掃をするため、外していきます。
留め具を外して上に引っ張ると取れます。

外したエアクリーナーは、本体とは別の場所で清掃しましょう。
本体すぐ近くで清掃していると、木屑がエンジン内に入り込んでしまいますから…

エアクリーナーもエアーコンプレッサーで屑を吹き飛ばすのが良いのですが、持ってない場合は息で吹きかけても良いです。
ただ、息を吹きかける瞬間目を閉じて、すぐには空気を吸い込まず別の方向で息をするようにしましょう。
それらの作業を怠ると、自分の目や肺に木屑が入り込んでゲホゲホと咳き込んでしまいますw

清掃が終わったらエアクリーナーを取り付けます。
ついでにブラシで周辺の掃除もしておきましょう。

終わったらカバーを取り付けます。

 


マフラー周辺の清掃

エンジンの排気側であるマフラーは高温になりやすいので、木屑が付着すると燃えてしまう恐れがあります。
汚れていたらならここも清掃しましょう。
ブラシでささっと掃くだけでも良いです。

 

組立・テンション調整

清掃が終わったらガイドバーとソーチェンを取り付けていきます。

ガイドバーを取り付け、ソーチェンを先端にかけていきます。
ソーチェンは上写真の向きだと時計回りに必ず回ります。
ボーっとしてると逆に取り付けてしまいますよ!(体験者談)

なお、ガイドバーは上下の向きを交互に変えると、摩耗箇所が集中しなくなって寿命が上がります。
ガイドバーに側面には文字が書いていることがほとんですので、それで上下を判断します。

カバーを取り付け、固定ボルトを軽く締めます。
ソーチェンのテンション調整ネジでガイドバーを前に送ってソーチェンの調整を行います。

上の写真だとガイドバーピッタリにソーチェンが収まり、これ以上はきつくできないと見えますが…

ソーチェンを上に引っ張って、落とすと…

 

一見分からなかった弛みが出てきます。

このようにソーチェンを持ってから落とすなどして弛みを発見しておくと、作業中にソーチェンがダルンダルンに緩んでしまう恐れを少なくすることが出来ます。
運転中にソーチェンが外れるとドライブリンク(足)が駄目になったり自分が怪我したりと、良いことは一つも無いので、しっかり調整はしましょう。

なお、ソーチェンのテンション調整は整備時だけでなく、運転中も頻繁に行ってください。
振動でボルトなどが緩むことも多いし、熱の変化で収縮・膨張もしますから。
もちろんテンション調整時は、エンジンを切るor電源を抜いてから!

ソーチェンのテンションをどうするかですが、ガイドバーの種類・作業内容・樹種によってベストが異なります。

個人的には、玉切りなら緩め、枝払いや伐採ならきつめを推奨します。
玉切りではソーチェンの焼き付き防止を優先し、様々な角度で使う枝払いなどではソーチェンの外れ防止を優先したほうが良いと思うので。

上の写真で、「普通」くらい?
「緩め」だと、ドライブリンクの先がギリギリ出ないくらい。

 

チェーンオイル量調整

チェーンオイルの量が多すぎてすぐに無くなってしまう、
オイルの量が少なすぎてチェーンが焼き付いてしまう、
などの問題があるときは、オイルの量を調整する必要があります。

安いチェンソーだと出来ないものもありますが、基本的にチェンソー底部にオイル調整ネジがありますから、ここにマイナスドライバーを挿して回すことで調整が出来ます。
モデルに使っているハスクの550XPでは段階式でしたから、「少ない」「普通」「多い」の3段階のみの調整出来ました。

基本的に「普通」か「多い」で大丈夫です。
しかし、粘度の低い植物性オイルを使ったり、夏などの暑い時期でオイル粘度が低下するときのみ「少ない」とします。

チェーンオイル調整時に気を付けるべきことは、以下の2点です。

  • ガソリンよりも早く無くならないようにする
  • チェーンが焼き付かないくらいの量は出す。

なお、ガソリンより早くオイルが無くなってしまう時は、補給時にガソリンの入れる量自体を少なめにする、という対策でも解決します。

オイルの出が悪い時や点検をしたい場合は、紙などの上でアクセルを吹かします。
こうするとオイルの飛沫が紙に飛びますから、ちゃんと出ているかどうかを確認できますよ。

オイル量の確認や調整をしてもオイルが出ない場合は、お近くの修理屋へ!

 

目立て

チェンソーの整備の中で最も大事なのが、ソーチェンの目立てです。

これが駄目だと作業も遅くなるし、疲れやすくなるし、エンジン・ガイドバー・スプロケットの寿命も短くなってしまいます。
かなり重要な作業ではあるのですが、初心者なら誰でも完璧にやれる作業ではないし、作業内容によって若干方法も異なるものだったりと、奥深いものです。

本気で書くと長くなりすぎるので今回の記事では省略します。
いつか私もブログの記事に出来るくらい、上手い目立て方法を確立したいものです。

 

というわけで、毎日・毎回レベルで行うチェンソーの整備は、ここまで!

 

まとめ

意外に繊細な道具であるチェンソーですが、この記事で最低限の整備項目を書いてみました。

実はもっと整備項目はあるのですが、とりあえず上記の項目を毎日・毎回やっておけばすぐに壊れてしまうことはかなり少なくなると思います。
基本の整備だけでも毎日・毎回やっていれば時間を食うため面倒ではありますが、頻繁に故障させて数万円の修理費を払うよりかは良いと思いますよ!

 

チェンソーを初めて使う方、壊したくない方にお役に立つような記事になっていれば幸いです。

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