製材本番と保管 2017年2月22日~

2017年5月4日集材&製材

前回

 

製材本番

2017年2月22日、午後から作業。午前は小屋周辺整地。

昨日はそれなりにいい感触が得られたので、早速本番に移ることにしました。
次は2.7m×3.6mの6畳軸組工法小屋を作る予定ですので、使う部材を思い浮かべながら木取。
事前に建築知識があると無駄のない木取が出来るかも!
ということは、製材業者も十分な木造建築知識が必要ということですね。
3.5mくらいの丸太は3mに切って半割にして、梁に使ってみようかと考えました。

(木取は自己流です。詳細な解説が載ったサイトや本があれば教えてプリーズ!)

木は下方よりも上方のほうが細い円錐形になっていますので、基本的に木取は末口(細いほう)で行います。
まずは地面に置いた丸太全体の歪みを見て、末口側に丸太端と端が最も長くなるような基準線を一本引きます。
次にその基準線の真ん中を中心とし、さしがねで直交する線を引きます。
一方の線を水平に、もう一方の線が垂直になるように、クサビなどで丸太の傾きを固定。

元口(太い方)に移り、下げ振りを使って垂直線が最も長くなる線を垂直基準線として、その最も上のところに印を付けます。

3.6mなどの長くて安い角材を用いて、末口・元口の上端基準点を結ぶ定規とします。
丸太表面は凸凹なので、角材と丸太の固定は長めのビスで行います。密着させる必要はありません。
チェーンソーを垂直になるようにフリーハンドで持って、その角材定規に沿って軽く切れ込みを入れていきます。
角材を外すと基準線が現れるので、切断開始です。

チェーンソーを使う時は、垂直に刃を入れること、基準線に沿って挽くこと、クサビが動いて丸太が動いていないか十分気を付けながら、集中して挽きます。
アカマツは広葉樹と違って繊維が真っ直ぐだからか、チェーンソーの振動が少なめで、チェーン固定ネジが緩むことはあまりありませんでした。

ある程度切れ込みが入れられたら、クサビを打って少し切れ込みを広げておきます。
こうすると刃が入りやすく、抵抗が少なくなるようです。

パカリと2等分完了。
チェーンソー稼働時間自体はそこまで長くは無かった気がしますが、やはり振動が多かったので疲れて、何回か休憩しました。

最大で5mmほどの凸凹があるようですが、このくらいなら軸材として使えそうな気がします。
後は接合部分のほぞ組などが出来れば、組み立てできると思います。

皮むき場に持って行って、ひとまず剥いておきます。
このくらいの大きさになると、生材でも人力で動かすことが出来ました。
もちろん片持ち状態でずりずり動かすこと前提ですので、もう少し軽くしないと柱の上に上げて梁として組み立てることは難しい…。

とりあえず今シーズンのこの材の加工は、このくらいにしておきましょう。
実際に建材に使うにはカンナがけしたりほぞ作ったりしないといけませんが、そういうのは乾燥させてからでもいいんじゃないでしょうか。
そのほうが狂いが少なそうですし?

皮むき終わったくらいで雨が降って来ましたので、今日の作業は終了。
チェーンソーを長時間使うと振動病(参考:wikipedia)になってしまうので、これからは土木作業とチェーンソー製材を交互にやっていこうかいな。


2月23日、2本目の製材にうつります。
あまり意識していませんでしたが、よく見たら曲がってますね…。

どうやって木取りするか悩みます。
自分の経験上、曲がり方向では末口直径の半分くらいまでの角材しかとれないような気がします。
正円なら7割くらい。
末口直径30cmのこの材からなら、土台の105角以上のもの2本くらいとれそうかな?

切削線を引いて、木取があっているのか確認。
上写真の中央側のみ使用し、中央部をさらに半割しようかということです。

というわけで、まずは中央凹になっている曲がり面を平滑にするように縦挽き。(↑写真なら左側)
やはり4m丸太をチェーンソー製材するのはなかなか疲れます。
振動病にならないように、1日数回くらいまでにしておいたほうが良いかもです。

で、なかなか上手くパカリと割れましたし、曲がり材からある程度一面を揃えることが出来ました。
やはり表面に凹凸はありますが、合板打ち付けまくる枠組壁工法用の材ではないから問題は少ないと思われます。
そう考えると、軸組工法と自家製材は相性が良いようですね。

もう一回割って曲がり材を太鼓挽きしたかったのですが、丸太を立てるのが難しいことに気づきました。

どうせさらに半割するのだから、ということで末口元口の中心を結ぶ墨線を引きます。
ようやく墨壺が使えるようになったよ…
垂直切りするため切削面を水平になるように丸太を傾けますがやはり少し歪んでいるからか、元口側水平でも末口側水平にならなかったり。
フリーハンドチェーンソー製材の精度はやはりこんなもんか…。

同じように本日2回目の挽き。
パカリと割れました。
1回目より切削深さが少なかったのでちょっと楽。

これで目的の材2本採れはしましたが…

そのまま3度目の挽きにうつります。
軸組み工法なら材を分けて接合部さえ加工出来れば組み立ては可能ですが、このままではまだまだ重すぎるし、中央部分が凸になっていたりで形が歪すぎて加工も難しそうなので。

元口末口の直角点から、14㎝程度の場所に印をつけてその印を結ぶように板を貼ってガイドラインとしていきます。
土台角材は105角くらいあれば大丈夫だと思いますが、切りすぎても大丈夫なように少し大きめ。

3回目も切削深さが少なかったので楽。
三面切ると、かなり角材らしきものなってきました!
余裕持った大きさになるように墨付けしたつもりですが、チェーンソーの切削幅が大きいせいか、結構薄くなってしまうという結果に。
チェーンソー製材で例えば105角をとろうとするときは、120角をとろうとするくらいがちょうどいいかも。

もう一面挽くとほぼ正直方体になって市販の角材のようになるのですが、この角材は土台として使うし、断熱材は入れないつもりなので内側を向く方は凹凸があっても問題ないかと思われます。
これ以上挽いたってそれほど軽くならないだろうし、丸太のまま使った方が耐久力も上がるらしいですから、挽くのは最小限にしていきたいと考えてます。

皮むき場に運んで皮剥き開始。
ここまで小さくすれば人力で運ぶことが出来ます。
初めて作った角材(らしきもの)、感慨深かったので座って休憩しましたよ。

自家製材するなら、やっぱりこういう大きな角材や厚板を作る方が良いと思います。
薄板や小角材は手間の割に報われないでしょう。
ホムセンや材木屋で売ってるものは材積に比例することが多いので、挽く回数が多いのに材積が小さい部材では、購入した方がコスパ良いでしょうね。
大きな角材ですら集材や皮むきの手間も含めて考えたら、ホムセンとかで買った方がいいのかもしれません。

ま、まあ、今回は自分のロマンのため、というもんです。
決して効率の良い建築のためではなく。
丸太のまま使えればまだ楽だけど、太すぎると乾燥させても人力で持てないしねぇ。

製材終了

2月24日、晴れ。朝から製材。
昨日作った角材の上に道具を置いて作業開始です。
ちょっとしたテーブルみたいになって良いですね。
山暮らししてますね。

とりあえず最初に昨日残ったものを挽いて、3面角材にします。
同じように皮剥いて角材2本出来上がり!
この二本は長辺土台角材にするつもりです

曲がりのヤマザクラは3mありますが、曲がっているので2mにして柱として使う予定です。
真壁構造(外・内側から柱が見える、壁は柱と柱の間のみ)にしたいので柱は上下の接合さえ出来れば良し。
ということは柱材では面を揃える必要が無いので、ヤマザクラは2mに切って放置。

ラスト、最も大きなものにとりかかります。
元口に鬆(す)がありますが、そのまま切ることにします。
これは太いしほぼ直材なので、四つ割りにして大引と桁に使う予定です。
昨日挽いたものより細いものになりますが、まあ大丈夫じゃない?

同じようにガイドラインを引いて、切削開始です。
やはり太いので、チェーンソーを縦に思いっきり入れても、元口を切りきることが出来ませんでした。
ガイドバーの長さが35㎝ですので、直径35㎝を超える丸太は割りにくい…。

しょうがないので最後はクサビで少し割ることにしました。
クサビが打てないくらい中に入ってしまったら、クサビの頭に適当な角材当ててハンマーで打ちました。

見事割ってみたら、すはアリの巣になっていたようです。
冬眠中で可愛そうですが、そのまま挽いていきました。
アリがバラバラになっていって、可哀想…でものけること出来ないし。

あと、丸太を固定するために下に敷いている鉄クサビを1回チェーンソーで切ってしまいました…
おかげで一部の刃が変形してしまいましたが、あと少しなのでちょっと研いでそのまま再開です。

 

パカリ。
ガイドバーの長さが足りなかったので、元口側は凸凹になっちまいました。
電動カンナがあれば楽に平滑に出来そうですが、ヤフオクや古道具屋で手カンナ買って仕上げてみたいです。

4つ割りにするのでさらに中心線を引いて、準備しておきます。

しばし休憩。
以前はただの土場でしたが、今は立派な製材場に見えます。
山を活用している実感があり、「生産している」感覚が気持ちいいです。
こういう経験は旅では得られにくいですからね。

パカリと本日3度目の挽き。
ほんの少しでも切削残しがあると割れないのですが、全部切ると割れるのでその瞬間が気持ちいい。

通直なのでこれ以上は挽きません。
墨付け・仕口を作る時に多少苦労するでしょうが、出来ればこのまま使いたい。

ラスト!
本日4度目の挽き!

墨線引いて、エンジンフル回転のチェーンソーで割って、製材完了!
見事四つ割り終了です。

これで今シーズン中にやっておくべき(やっておきたかった)製材が終わりました。
僕は、初めて、この山で、生産を…

後は場所を整えて地面からの湿気が届かないようにして乾燥させれば全ての作業が完了します。
まだ角材は未乾燥なので、人力で完全に持ち上げることはできません。
なのでまだちょっと動かしにくい。

やっぱり自伐林業するなら、巻枯らしさせて立った状態で乾燥させたほうが集材の面で楽そうです。
巻枯らしと簡易チェーンソー製材の技術を極めれば、作業道や架線無しで人力集材できるかと思います。

材木の保管

2月28日、一日中快晴。
日が長くなって段々暖かくなるこの時期は希望に満ちている感じがします。
毎年花粉症に悩まされるが。

しばらくほったらかしにしてましたが、雨が降る前に片付け開始。
片付けしないといつまでたっても雑然とした放置林だ。

来シーズンまで木材を保管するため、今日は一日中地面の落ち葉や切り屑を一掃することにしました。
そのままアメリカンレーキで掻くと小さな切り株に引っかかたりしましたので、来シーズン建設予定の調理場デッキの整地も兼ねて、全ての切り株をつるはしと手ノコで除去していきました。

細々した有機系ゴミは、スコップで一輪車に乗せて堆肥場(埋め立て場)に運びました。
地味な作業で難しいところは何一つありませんが、段々日が強くなってきて少々疲労蓄積。

なかなか綺麗になりましたね。
製材前・掃除前のこの辺りは腐葉土たっぷりのただの山でしたが、こうやって掃除すると人の住む場所のようになり、支配下に置いたような感じを受けました。
おこがましい言葉ですね、「親近感が湧いた」と言った方が正しいのかな?
まあどのような言葉を使ってもその土地自体に伝えることは出来ないのですが。
私はこんなにもお前を愛しているというのに。

ゴミを一掃したら適当な丸太を並べて、その上に製材したものを載せていきます。
こうしたほうが枕木の上に乗せるより高さを稼げて、湿気から遠ざけることが出来るんじゃないかなあ。
少々不安定ですが、ローブで縛れば安定するのではないかと。

暖かくなってきたといってもまだまだ雨は少ないので、出稼ぎ直前にシートをかける予定です。
それまでは日に晒して乾燥を早めるつもり。
もちろん雨の日にはシートをかけますが。


3月27日、まだ出稼ぎにはいかないのですが、春の嵐が近づいてきた感があるので、ちゃんとロープで縛ってからシートをかけることにしました。
シートを被せてまとめてロープをかけるのものいいのですが、そうするとシート上部に水が溜まりやすくなって外れる危険性が多くなりますので、シート無しの状態でいくらか縛って、シートをかけてからも縛ることにしました。
(写真にはシート上のロープ写ってないけど)

そう言えばこういう場合、どのような縛り方が最もきつく締められるのですかね?
今回は端にもやい結びで輪を作って、一周させて適当に自在結びしただけですが…

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