冶具製作&製材実験 2017年2月12日~21日

2017年5月2日集材&製材

前回

 

 

垂木用丸太の皮むき

2017年2月12日、まずは昨日伐採したアカマツの小丸太を回収。
6畳物置は野地板なしの波板切妻屋根にしようかと思っているので、この小丸太は垂木に使う予定です。
野地板を貼らないのであれば垂木上端が揃わずちょっと波打っていても、横桟を取り付けてしまえば波板は貼れそう。ということは丸太が使える!
垂木の長さは2mもあれば十分な気がするので、2mに玉切りして雪の上を引きずって集材。

とりあえず皮を剥いて乾燥させたいので、作業場に持って行ってひたすら皮むきです。
松くい虫にやられたもの、生きているものが混在していますので、同じような太さに見えても重さは全然違う。
含水率による重量変化をまざまざと実感させられます。

…そう言えば、生きているアカマツの樹皮って飢饉のときには食べられていたそうですね。(参考:wikipedia「松皮餅」など)
生材の皮を剥いてみたら、ちょっと美味しそうな気が…ふとかじってみましたが、う~ん、やっぱりそのままでは食べにくい。ペェッ!!

松くい虫にやられたものの皮を剥くと、至る所に穿孔が見られます。
ここをほじくりかえすとカミキリムシの幼虫が出てくると思われ。
深い場所に穿孔するのは越冬するためでもあるんですが、こうやって皮を剥いて野ざらしにすると、中の幼虫も死ぬんだろうか。
建材に使うから、これ以上食い荒らさないで欲・し・い・な☆(鬼の顔で)

生材にはまだまだ外敵排除機能が働いているのか、皮を剥くとどんどん松脂が染み出てきます。
「きれーい!」と思って触るとべっとりとねとねとしたものが手に付着するので、ちょっとげんなり。
しばらく雨ざらしにして、表面の松脂くらいは無くした方が施工しやすそうです。
…松脂を好物とする生物もいるんだろうか。

とりあえず伐採したアカマツ全部剥き終わりました。
垂木はおそらく12本×2=24本くらい必要となりそうなので、まだまだ足りないかも。
ちょっと通直な広葉樹を使うのもありかな。

「わー、いっぱい丸太あるー!」と楽しくなって丸太の上に寝転がって休憩したら、背中が、松脂で…

6畳物置づくりは来シーズン以降となるので、腐らないように保存しておく必要があります。
元居住用テント脇にスペースが出来たので、片付けて、枕木置いて、材木保存場とすることにしました。
大体この辺りに建造する予定です。

製材のための墨付け試行錯誤

昨日の夜にじっくり考えた、曲がり丸太の製材方法を試してみることにしました。

まずは横から見て最も凹凸しているように、丸太を作業場に置く。
その後末口と元口の中心を決め、水平器で水平線を引く。

丸太側面の水平線の位置に長めのビスを打つ。
丸太側面は凸凹しているため、水糸を張る場合はこうやって丸太表面から少し離れたところに支点を作らないと、一直線にピンと張ることが出来ません。
特に、広葉樹は。

末口、元口の2つのビスを繋ぐ水糸を張り、その水糸が水平になるように丸太を傾けていきます。

水糸が水平になったら丸太をクサビなどで固定します。

これで「丸太を水平に置いた」ということになるのではないか?

その後、側面から見て最も凹になっている場所の側面から長いビスを打ち、水糸を張って水平を測りながら元口・末口面に印をつけます。

その印を元にして水平線を引く。
この水平線に沿って水平に切れば、ようやく曲がり材の一面を揃えることが出来るのではないでしょうか?


2月19日、漆喰塗って時間あったので製材について考えることにしました。
チェーンソー製材冶具として購入しておいた単管(4m×2本、1m×2本)をセットしてましたが、ただの単管ベースつけるだけだと直立しませんね…
土の上に立てるなら、打ち込んでいくほうがいいのだろうか?
切った丸太を現地で製材できるシステムを作りたいのですが、単管では簡単にセッティングすることが出きなさそうなので、ちょっと今のところは保留。
「七曜工房みかん島」様みたいな感じのシンプルなものに出来ないかねぇ。
この方法なら丸太に板打ち付けるだけで冶具になるっぽいし。

フリーハンドで水平挽き出来ないものかと思って、ガイドラインの引き方を考えてみましたが、上写真のような野地板のような真っ直ぐで安いものを両面に打ち付けてみることにしてみました。

両側の野地板は確かにガイドラインにはなったものの、フリーハンド水平挽きではやはりバーを下に傾けてしまったりして上手くできません。
チェーンソーを水平に固定するような冶具が無いと不可能ですね。

丸太小口面に角材打ち付けて、丸太側面に合板を敷いたりしていくと、チェーンソーを横滑りさせる面が出来上がります。
となると問題はやはり、チェーンソーの固定。

冶具の製作実験

2月20日、一日中雨。
小屋内の片付け後に、少しチェーンソーの固定方法について考えます。

端材合板を切断したりして、チェーンソーの包み方を考えてみます。
チェーンソーのハンドル逆側(↑写真の置き方なら、下側)と下側(↑写真なら左側)は平坦に近いものになっているので、水平挽きを行う時はこのような向きになるでしょう。
しかし平坦に近いものになっている、と言ってもちょっと力を入れればグラつきます。
これでは精度の良い製材が出来ませんから、やはり板などで覆うのが良いのかも?

アングルで合板どうしを固定して、ハンドルのネジを外してボルト締めもしくはU字金具で合板と固定していく?
針金だと剛性が足り無さそうなので不採用。


2月21日、買い出しと温泉。
ホムセンでこまごまとした金具を買ってきました。
高いものは無いので価格は記載しません。(計算が面倒…)

とりあえず合板と合板を垂直につなげる場合は、シンプソン金具のアングルを使うのが良さそうですね。
薄いのでチェーンソーに干渉することは少なさそう。
25mmスリムビスを用いますが、12mm厚合板だと厚さが足りないので後ろ側に野地板端材を付けてみたり、合板2枚重ねにしたりすると一応固定出来るかと。

ハンドルと合板を繋いで固定するためのU字金具を付けてみました。
大きさがわからないので色々購入。
…結局ボルトを上手く締められなかった。
端材を飼い物にして厚さ調整すればいいのですが、もう少し短いものがあるとすっきりするんですけどねぇ。

とりあえずガイドバーに水平器を置いて、水平の床と傾きが一致しているのか調査。
大体合っているのですが、力を入れるとやはりグラつきます。
チェーンソー製材時はかなり力を入れることになるでしょうから、ぐらつきは最小限にしたいです。

後ろのハンドルのところをもっときっちり固定したいのですがなかなか上手いやりかたを思いつきません。
ボルトなどで後ろのハンドルを上下に調整して、傾きを合わせるシステムにしたいんですけどね~。

もう少しネットで他の人の冶具を見てみると、市販品の「ミニミル」というものが縦に挽いていました。
…もしかして、垂直挽きのほうが力入りそうだから、安物チェーンソーならこういう方法のほうが良いのかも?
それに水平挽きはフリーハンドでは難しいけれど、垂直挽きならチェーンソーの重量に任せて切れば良いだけだから、ある程度の精度は出せるのではないかと思えてきました。
それに今回は綺麗な厚板を作るのではなくて軸組み工法用の柱材を作るわけだし、そこまで平滑でなくてもいいのではないかと。

で、早速試してみることにしました。
ガイドラインは野地板を打っておいて、チェーンソーで軽く板に沿って丸太に切れ込みを入れることで引きました。
野地板を外してから本番に移ります。
以前のように斜め下45°で後ずさりしながら切れ込み深さを深くしていくと少しずれたりしたので、今回は垂直のみに集中して突っ込み切りを繰り返して、少しずつ切っていくことにしました。

常にエンジンフル回転ですので、妙にチェーン固定ネジが緩みました。
金具無しでチェーンの取り外しが出来るタイプだけど、金具を使った方が強力にチェーン固定ネジを締められるかもです。

何とか2mの丸太を半割出来ました!
1回目よりかは歪みが少なくなったような気がします。
と言ってもやっぱり凸凹はあります。
気になったらカンナがけでもすればいいかも。

丸太を水平に置いて、水糸を張って、角材らしきものを作ろうと頑張ります。
冶具無しで挽くのはまだ抵抗あるしどうにかしたいなあと思いますが、野地板を使って丸太表面にガイドラインを引く方法は今のところ大きな不満は無く。

パカリ。

曲がり材の面を揃えようとすると、思った以上に細くなっていきました。

もういっちょ!

よく見たら、いやよく見ずとも歪んでいますね…。
実際こういう歪んだ材を柱材などに使う場合、どのような弊害が生じてくるのでしょうか。
接合部分の墨付けくらいは出来るでしょうが、下げ振りで垂直を測る時に誤差が出てくる?

使えるか使えないかわからないですが、とりあえずこれらも保存しておくことにしました。
結局4mの曲がり材から出来上がったのは、60×90mmくらいの長さ2mの間柱のようなもの1本です。
曲がり材を素人が挽くとこうなるのか…

ま、まあ今回はそれなりに手応えが得られたと思います。
板材挽くなら冶具必須だろうけど、物置小屋用の材挽くくらいなら垂直フリーハンド挽きでも良いのかも?
今シーズン中にアカマツ丸太の製材終わらせて、出稼ぎ中に乾燥させたいです。
丸太のまま乾燥させきったほうが狂いは少ないでしょうが、挽いておいたほうが乾燥時間は少なくなります。

 

続く!

2