どんな人が薪を買う?6.6トン販売してみた感想

薪出荷

2019年9月下旬~12月末まで、ネットで集客し、引取限定で薪を販売してました。

その結果、合計で6.6トン販売出来ました😊!

 

今回の記事では販売データを簡単に紹介したり、薪の生産~販売の一連の作業を行ってみた感想を書いていきたいと思います。

 

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販売データの結果

出品サイト(市場)での違い

ヤフオク、ジモティー、メルカリの3種類で出品してました。

 

結果、客数はヤフオク:ジモティー:メルカリ≒1.5:1:0
となりました。

まあメルカリは注文だけでなく反応(いいね、質問)もほとんど無くて早々に出品中止にしたから、公平な結果じゃないんだけど。
やはりメルカリは女性比率が高くて引取販売はほぼ行わない文化だから、引取限定の薪販売は相性悪そうです。
注文見逃しリスクを減らすため、メルカリでの出品は途中で中止にしました。

引取限定と言えど全国の人間が閲覧するからか、ヤフオクでは県内だけでなく県外のお客様もいたのが特徴でした
対して、ジモティーは県内のお客様のみ。

 

やはり販売場所(市場)によって客層は大きく異なります。
出品手間や登録料がほとんどかからないなら、とりあえず最初は複数の市場に出品してみる、ってのが王道だと思う。
そのためには販売者の情報リテラシーの向上が必要です。
「今はどこがトレンドか?」とアンテナを張り続けるのも不可欠でしょう。

 

客層・薪の用途

待ち合わせをして一緒に現地へ向かい、一緒にお客様の車へ薪を積んでいく、という流れで引き渡してました。

そういう訳で薪を積んでいる時などお客様と会話するタイミングがあったので、少し用途を聞いてみたりしてました。

 

結果、薪の用途は「薪ストーブ用」か「キャンプ用」のようでした。
窯業用・石窯用は無かったですね。
まあ業者がヤフオク・ジモティーで買い付けなんてしないか。

人数的には、薪ストーブ用:キャンプ用≒3:1
量的には、薪ストーブ用:キャンプ用≒7:1

ヘビーキャンパーと言えど、薪100kgを消費するのはかなり時間がかかります。
対して、薪ストーブユーザーなら一冬で数百kg~数t使うから1回に買う量も多く、数回買い付けに来て頂けるお得意様も現れてくれました。
やはり薪販売において、薪ストーブユーザーの存在は欠かせません。

でもまあ、キャンパーも面白い話が多く、販売はなかなか楽しかったです。
薪生産業&キャンパーな自分ですが、薪キャンプはしたことないから少し刺激を受けてやりたくなってきましたよw

 

客層ですが、男女比は9:1くらい。
やはり趣味性が強い男性が多いですね。

年齢の平均は、おそらく50代くらい。
20代は見たところおらず、若くて30代、高くて70代くらいかなあ?
キャンパーに限れば、40代が平均。薪ストーブユーザーに限れば、60代が平均?
どの人も溌剌そうな感じでした。

そうそう、いわゆる「お客様」な人はいませんでしたね。
個人間売買だとお互いが「売らせていただく」「買わせていただく」みたいな文化があるからなのか、横柄な人は見られませんでした。

 

引取・対面販売について

引取限定だと全国の客相手に商売することは不可能になるので、客数も減るだろう…
と思っていましたが、当初考えていたよりかは需要が多かったです。

薪は嵩張るものだから送料が高くなり、単価が低い薪を探している人が多い、
現地引取で出品している人が少なかった、
安かろう悪かろうで生産&販売する人が少なかった、
などそういう理由で競合が少なくなって、引取限定+日時調整面倒でも意外な需要があったのかもしれません。

 

薪は全て対面販売としましたが、色々な話を聞けるのが面白かったです。
例えば、昨今のキャンプブームで都市近郊のキャンプ場では、休日に泊まりたい時はかなり前から予約取らないといけないこととか。
ホームセンターの薪を高いと思っている人が多いから、どうにかして安く手に入れる方法を探している人が多いこととか。

自分は今まで生きてきて趣味が合う人と出会うことがかなり少なかったです。
でもこうやって販売者になることで、同じ趣味の人と出会いやすくもなるんだなあと実感。
そういう意味では客商売も案外面白いところがあるんだな、と気付きました。

 

(ちなみに、お客様の中でこのブログを知っている人は一人もおらずw)

 

薪棚と薪の質について思うこと

シート屋根では完璧な雨避けが出来ない

自分の薪棚は、土台は捨て薪、屋根は農業用シートにしました。

ちゃんとした薪業者なら、土台はパレット、屋根は波板などにしているでしょう。

 

設備投資をケチって乾燥させてみた結果、

 

シートに若干の穴が開いてかつ水の溜まり場になったところは、キノコが生えてしまいました。
また、シート端から雨水が通って落ちる時に著しく木口面を濡らしてしまった場合でも、菌糸が伸びて水を通し、薪棚内部までキノコが生えてしまったことがあります。

農業用シートは波板などより単価が安くて紫外線にも強いですが、穴が開いて雨漏りしたり、排水で濡らしてしまう危険があります。
でもブルーシートなどよりも頑丈だから、総合的に見れば使い勝手が良いという評価は変わらず。

 


土台は通気性良くて高さのもあるものを

予想は出来てましたが、通気性の悪い土台だと薪棚下端の薪が乾燥しづらくて、キノコが生えたり虫の侵入量が増えたりするリスクが高まります。

 

特に日当たりの良い場所で草刈りを怠ると、棚下端の通気性は著しく減少します。
この辺のものはまとめて自家用にしたりしたこともありました。

意外な発見だったのですが、下草を刈って高木を残した場所では草が新たに生えづらく、棚下端でも通気性が確保出来て良質の薪を生産出来ました。

日なたより日陰のほうが乾燥しにくいと思いきや、草の生えやすさも考えたら日陰の方がよく乾燥する場合もあるようです。

乾燥しやすい場所の順番を決めるなら、

草の生えない日なた>下草を刈った日陰>草の生える日なた>下草を刈ってない日陰

となりそう。
草地より森の中のほうが良いかも?

 

薪の天敵は、キクイムシとキノコ

商品として薪を生産する場合、天敵となるのはキクイムシとキノコです。

歩留まりを上げるためには、いかにしてこれらを防ぐかが重要になるでしょう。
キクイムシの幼虫が掃き出した糞と、キノコの菌糸は薪をスポンジ状にします。
それは薪から水を抜けにくくするし、見た目も悪くします。

 

これらの被害を最小限にするには、以下の方法が考えられます。

  • キクイムシが飛来しにくい環境を作る
  • 素早く乾燥させる
  • 雨漏りを避ける
  • (雨ざらしを行う)

自分が薪を作った時は、伐採後1年経ってから玉切り&薪割りしたから、その時点でキノコやキクイムシが侵入してて水が抜けにくくもなっていたかもしれません。
秋に伐採して葉枯らしを1か月ほど行い、梅雨が来る前に玉切り~薪積みを終えるのがベストか

山中で薪を作ると、どうしても周りからキクイムシが飛来しやすくなります。
夏頃は、網戸で通気性と防虫性を確保したビニールハウス内で乾燥させるのがベストかも。
ビニールハウスなら薪棚上端が蒸れることが少ないし、安く空間を出来るから良さそうです。

「キノコと虫を防ぐには雨ざらしを行う」
と言われることもありますが、今のところ自分は効果を実感出来てません。
やり方によって効果的だったり逆効果だったりするのかな。

 

薪の個人生産&販売について

薪林業は副業に最適

薪林業は、農業と違って作業タイミングにゆとりがあり、木材林業と比べて設備投資が多額になりすぎないから、田舎の副業(複業)に適しています。
サラリーマンの週末副業でも十分やれます。

 

農業なら生でも加工品でも、収穫期は間違いなく忙しくなりますから。
日単位で作物の状況が変わるからその時期に別の仕事を入れにくい。

対して、薪林業なら最後の作業の「出荷」以外は日時に囚われず、時間がある時に作業すれば良いです。
農業なら日~週単位で作業をしていかないといけませんが、薪林業なら月単位で作業をしていけます。
自分も薪を作ってた昨シーズンでは、バイトしながらでも、機械トラブルが起こっていながらでも多くの生産は出来ました。

 

スギ・ヒノキなどの木材林業は搬出に専用の高価で大きな機械が必要になりますが、薪林業では大した機械は必要ありません。
チェンソーと斧(薪割り機)と、薪の保管場所があれば始められます。

薪生産を専業とするなら原木の仕入れと保管場所に頭を悩ませないといけませんが、副業程度の小規模生産ならその悩みも減ります。
生産出来る分生産すれば良いだけです。

 

品質に過度な拘り必要無し

薪は食品じゃないから、多少の汚れや形の不出来は見逃してくれます。
どうせ燃やすものなんだから、乾燥してて、キノコとホコリが少なければ合格です。

農作物ならこうもいきませんからねえ。
形・サイズ・虫食い・収穫時期等々、チェックするべき項目が多く、その管理手間がかかります。

 

薪需要者は、近隣の薪生産業者を探している

薪は嵩張って重いものです。
だから送料が高くなり、全国流通は難しいもの。

このような重量物はコスト面から見て、『現地生産・現地消費』が基本です。
ゆえに、全国各地に他の強豪の業者がいたとしても、近場に薪生産業者がいなければその地域で独占的に販売が出来ます。
これは全国の業者と競合しやすくなるネット販売でも同じで、引取手間が増えても良いから安い薪を探している需要者は意外に多い。

 

私は岡山県北で生産・販売してましたが、兵庫県などの県外からも来て下さる人が意外にいてビックリです。
都市近郊では需要者が多い割には山林の持ち主が少なくて薪供給者が少なく、需要過多になっているかもしれません。

都市近郊では木材林業より、薪林業のほうが成り立ちやすいかも。
ただ、山林面積が小さいから、小規模な自伐林業のほうが生産(木の成長速度)と消費のバランスが取りやすい可能性が高い。

 

 

色々と書きましたが結論としては、薪林業は自伐林業に最適なビジネスの1つでしょう。

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