北面下屋づくり 材の加工②

2017年5月14日下屋

前回

 

方杖用欠き込み

2017年4月2日、柱と桁の方杖が当たるところを5mmほど欠きこむことにしました。
90mm×√2≒127mmの幅最低欠き込むことになりますが、余裕持って135mmとしました。内側が干渉しそうですからね。
方杖は柱の端材なので、一本一本長さ測って√2かけて柱や桁の欠き込み位置きめました。5mm深さも考慮して。

丸ノコの切削深さを調整して、切れ込み入れてのみでさらっていきます。
ようやく気づきましたが、木の繊維方向にのみを使うとそこそこ綺麗に出来るようです。
繊維と直交するように使うと繊維には固いところ(晩材)と柔らかいところ(早材)がありますから、切削抵抗力が異なることでガタガタになりやすいのでしょう。

 

スポッと入りました。
かなりしょぼい欠き込みですが、あるのと無いのとでは強度が違う、のかなあ?

中央の柱の方杖は両側に2つとなりますが、方杖2本と柱1本をまとめてボルトで通して固定するため、柱の端材と言えども長さを合わせました。
というわけで中央方杖の長さは約600mm。
中央以外は約1000mm。

桁にも欠き込みを行っていきます。
コンクリブロックの上に置いてひたすら加工。
ちょっと大工っぽい気がします。
プレカット材が普及しまくっている大手ハウスメーカーの大工でも、こういう加工はするんだろうか?

一応、北面の角材のボルト穴以外の加工は終わりです。
ドリルやフォスナービットが無いと作業を進められませんので、この日はほぼ同じ構造の南面下屋の角材加工もしていました。
明日買い出し行くことにしましょう。

今回は在来軸組工法を積極的に取り入れようと思って安いひねり金物で桁と垂木を接合しようと思いましたが、やっぱりハリケーンタイよりもすっきりと接合できないような気がする…。
ひねり部分がどうしても桁や垂木に少し干渉して密着しません。
う~ん、やっぱり金物と材が密着した方が強そうなので、全部ハリケーンタイを使うことにしましょう。
垂木は10本なので、10×2で20枚必要。これも買い足さないと。

座ぐり穴とボルト穴

4月3日、買い出し。
軸組工法はボルトとか羽子板ボルト、座金のような金物が必要だったりするし、それらを使うための道具も必要なので色々買いました。
ここらへんがほとんど釘やビスだけで作れるツーバイフォー工法とは異なる点ですね。
今回は軸組み工法のマニュアルに出来るだけ従って施工するので、コーチスクリューは一切使いません。
丸座金は内径M12、外径28mmのものが10円で売ってありました。
角座金はどこにも売ってますが、丸座金は品揃え良いところ行かないと無いかもです。
フォスナービット(ボアビット)は丸座金外径ちょうどの28mmか、ひとまわり大きい30mmにするか悩みましたが、ちょっと誤差許容出来る方が良いだろうということで30mmのものを購入。
ボルトの穴を開けるために使うドリルですが、長いドリル買うより短いドリルにエクステンション(延長)付ける方が応用効きそうなのでそれも購入。
金物代や道具代もそれなりにかかります。

方杖用の3mヒノキ材を、南面下屋のことも考えて追加で2本購入。
1本1080円なので安いものです。
調理場デッキ作るときも活躍しそうだからもっと買いまくっても良いかもしれませんが、保存に困りそうなので今はまだ買わず。

補足
フォスナービットはさらに大きい32mmくらいのものでも良かったかも。
ボルトは案外、ずれる。

昼から作業開始。
早速フォスナービットの使い方の実験をしてみますが、いきなり45°断面を水平にしようとするのはきついですね。
ビットが暴れて材に傷がつく…。
軍手は必須。

でもフォスナービットとドリル(13.5mm)で座ぐり穴とボルト穴を開けると、M12のボルトと外径28mmの丸座金はすっきり納まりました。
一応径12mmのドリルもあるドリルセットを購入していましたが、ボルト径とぴったりの穴ではボルトが入っていかなかったので、一回り大きいドリルを使うことにしました。

本番に移ります。
まずはボルト穴開けてみようとしました。
でもいきなり太いドリルを使うと切削抵抗が大きくてずれ、狙った通りの進行方向に進まない気がしたので、小さなドリルを使って少しずつ穴を大きくする戦法を取りました。

さてさて自分なりに慎重にやってみたところ、思いっきりズ・レ・て・ル!
まあ多少ずれてもそこまで大きな影響はないのですが、綺麗に穴開ける方法って無いのかなあ…
垂直な穴を開けたいなら卓上ボール盤とか使うのが良いのでしょうが、方杖セット出来ないかも。
うむむ、職業訓練校の教科書欲しい。

引っかかりを大きくするために太いドリルで座ぐり穴をある程度開けてからフォスナービットを使ってみたら盛大に失敗した図

…ちょっと考えたらわかりましたが、まずフォスナービットを材断面に垂直に押し付けてゆっくり削りながら、ゆっくりと材のほうを動かして斜めにしていくと、綺麗に座ぐり穴を作ることが出来ました。

方杖にドリル穴を開けてから、エクステンションを装着して柱や桁側の穴の位置を決めます。
ドリル穴はずれることが多いので、墨線に頼って穴開けるより現物合わせしたほうが良いかも。

穴あけ場所が分かったらいったん方杖を外して、柱や桁に穴を開けていきます。
こうしないとエクステンションを付けているといっても長さが足りなくなるので。

方杖にはちゃんとどこの材か、向きはどっちかを書いておきます。
こうしないとボルト穴が合わなくなったりする…。

お次は柱と桁を繋ぐ羽子板ボルトの穴あけ。
こちらは方杖のような斜め座ぐり穴を開ける必要は無く、角座金使えば良いだけです。
角座金の厚さやナットの厚さ(合計約15mm)を考慮して、羽子板ボルトの位置決め。

ボルト穴中心と柱側面の距離は約10mmくらいでしょうか?
場所が決まったらドリルで穴を開けます。

方法が決まったのでドリル使いまくっていましたが、引き抜くときに少し苦労してました。
エクステンションを付けているときに無理矢理引き抜いたら、バネが取れて固定が出来なくなりました。
まさか、一日で壊すとは…

おかげでエクステンションを付けた状態で引っ張ることが出来なくなったので、ドリルを取り出すときは逆回転させたり貫通させたりするようにしました。

何とか全てのボルト穴、座ぐり穴を開けることが出来ました。
インパクトドライバーを使うだけのように見えますが、案外力がいるので結構疲れましたよ…。
機械を使っていると言えども自分の体力を一切消費しなくなるというわけではなく。

全ての加工が終わったので、一切手順のシミュレーションをせずに組み立て始めました。(良い子はマネしてはいけません)
ダブル羽子板のおかげで柱は簡単に自立しますが、本来はちゃんと杭とか打って仮筋交いつけるもんですよ…。

脚立に上って、桁の中央を持って、「うりゃー!」っと柱に乗せます。
90mm角材だから一人でも上がりましたが、105とかになるとこの方法では危ないかも。
桁の位置はあらかじめ付けておいた桁中央線と中央柱の中央線を合わせるように、手で持ち上げながら調整しました。
柱がゆらゆら揺れて恐ろしい…

早く中央に羽子板ボルトつけて固定していこう、と思って脚立を降りたら、風が吹いて柱が倒れました。
手順が適当すぎなのものありましたが、やはり棟上げは危険な気がします。
ヘルメット装着。

もっかいチャレンジ!
各柱と桁を羽子板ボルトと座金で仮組していくと、何とか倒壊の危険性が減りました。
これだけでもそこそこの剛性はあるようですね。

流石に急いでいたので途中の写真はありません。

このまま方杖を付けていこうかと思って気づきました。
桁側の欠き込みとボルトの穴の位置を大いに間違えてた。
そうか、柱と桁の隅では桁勝ちだから、柱の厚さ90mmを考慮しないといけないんだった!

しょうがないので解体です。
何かこういうことになる気がしたんだよー。

桁を欠き込みして、追加でボルト穴を開けていきます。
やはり組立ててから間違いに気付くより、地上で横倒しにしながら確認した方がいいだろう、ということで仮組しました。

夕方になったので今日の作業は終了。
明日棟上げ出来そうだぞ!

 

続く!

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