野山の名人秘伝帳

実用書・一般書

目次

 

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・お爺さんやお婆さんに学ぶ、農村漁村での食料の採集

 

・農村漁村・各地の伝統工芸について

 

お爺さんやお婆さんに学ぶ農村漁村での食料の採集

この記事の最後に、この本に載っている項目を目次として紹介していますが、どれも都会にいてはわからない貴重なものとなっています。

本の前半には農村漁村での食料の採集の取材記録が載っており、各項目の具体的な方法やポイント、やっていて思うことなどが書かれています。
どれも田舎らしい考えに基づくやり方というか、持続可能性を重視し、ただひたすらに経済的合理性を求める考えとは異なっております。
特に栽培品ではない採集品では、取り過ぎるとその場所から無くなってしまい、結局は自分の首を自分で絞めてしまうことになります。
そのような自然への気遣い、共生の方法がこの本には書かれています。

以下、少しだけこの本に載っている、個人的に気になった方法等を記録しておきます。

メープルサップ

イタヤカエデからメープルサップ(煮詰める前のメープルシロップ)を採取する場合、時期は3月頃で晴れた無風の日が良い。
採取方法は、ドリルで深さ3cmのやや下向きの穴を開けて、ホースを用いてタンクに移す。

 

ワラビ採り

尾根筋に生えるものより、湿った場所のもののほうが太くて長く良いものになる。
採取した後は、桶に敷き詰め木灰やアク抜き剤(重曹など)をまぶしてひたひたまで熱湯を注ぐ。
一晩置いて流水にさらし、さっと湯通しして調理する。

 


ぜんまい採り

採取したものは綿部を取り除き、ゆでる。
筵に広げて、揉んで繊維をほぐしていく。
天日で2~5日、夜は小屋に取り込んで乾燥させる。
乾燥ぜんまいの相場は1kg1万円以上。

 

松葉サイダー

砂糖水と松葉で作る微炭酸水。
使用する松はアカマツでもクロマツでもゴヨウマツでも良い。
採取する時期は7~9月の新芽。
葉と使用する一升瓶は洗っておいて、水は一升、砂糖200g、松葉170g入れる。
日当たりの良い場所に蓋を緩くした状態で2日置いて、以降は蓋をして冷暗所に置いて随時飲む。

 

葛根堀り

平地のものより山のもののほうが地表にあって掘りやすい。
採取時期は10月末~4月頃。
掘って、潰して、揉んで、洗い出して、濾していくとデンプンが抽出されていく。

 

農村漁村・各地の伝統工芸について

書籍の後半には手作りの民具や伝統工芸品を作っている人々の記録もあります。

桶や竹細工は昔ならどの家庭でも使われていたものですが、現在はプラスチック製品に取って代わられ、それらを作る職人さんも大分減ったようです。

しかし石臼は今でもかなり使われていますね。
製粉って面倒な工程のように思っていたのですが、「粉にすれば何でも食べられる」という記載から、かなり有用な工程のように思えてきました。
個人で製粉を行うのなら、石臼は欠かせないものなのでしょう。

その他、漆掻き、シュロ細工のことなどの記載もあります。
古民具・天然素材好きには有用な情報源になる本でしょう。

 

 

(以下、田舎の本屋さんより転載)

解説

ウナギ、自然薯、山菜、キノコ…。四季折々の自然の恵みを最大限に生かし切る農山漁村の暮らし。生業として伝承されてきた素朴な知恵と技の数々を豊富な写真とイラストで紹介する。これであなたも野山の名人!?

目次

1.食べる・楽しむ、自然の恵み
メープルサップ
ワラビ採り
ゼンマイ採り
松葉サイダー
ウナギ漁
スガレ追い
モクズガニ漁
クルミ拾い
キノコ採り
自然薯掘り
葛根掘り
山塩

2.ぬくもり伝える、手作りの名人・名品
きみがらスリッパ
漆掻き
桶作り
しょうぎ作り
野鍛冶
籠・漁具作り
石臼作り
道芝のわらじ
松煙墨
シュロ箒
神楽面彫り

■著者紹介
かくまつとむ(鹿熊勤):昭和35年、茨城県生まれ。雑誌編集者を経てフリーの文筆家に。立教大学非常勤講師。職人や漁師への聞き書きで知られる。『仁淀 川漁師秘伝』『木を読む』『野山で生まれた暮らしの道具』『葉っぱで2億円稼ぐおばあちゃんたち』(小学館)、『江戸和竿職人 歴史と技を語る』(平凡 社)、『日本鍛冶紀行』(ワールドフォトプレス)など著書多数。

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