運搬車修理記録 原因の追究と修復

機械

前回

 

2月18日、追記あり

 

 

スポンサーリンク

エンジンかからない原因の追究

2018年1月17日、ひたすら農機屋のブログ読んだりして勉強してみますが、もしかしたら運搬車の不調はイグニッションコイルが故障しているからかもしれない?
でもこれが原因だとしても、プラグかぶりのようなしばらく放っておかないとエンジンかからない症状なんて出るかな~?


 

1月18日、朝起きてチョーク開けてアクセル弱めてエンジンかけたらかかりましたが、以前のようにしばらくしたら止まる。
再度フューエルホース辺りを見ると、シリンダヘッドからポンプ(三叉路)へ伸びるホースに黒い液が満ちていることに気づきました。
取り出してみると、ヌルヌルします。

ガソリンはなかなかこんな色しないから、エンジンオイルなのか?
オイルがこんなところ通るものなのか?
オイルの逆流などでプラグがかぶるということ?
試しに黒い液を紙の上に湿らせてすぐ揮発するかどうか調べたところ、数時間揮発しなかったので、やはりこれはオイルだと思われました。

もしかしたら厄介な症状なのかもしれないと思って、小屋前から若干離れている運搬車を近くまで運んでおくことにしました。
ちょっと上り坂になっていますが、この程度の傾斜でも人力だときつく、運搬車の片側を持ち上げて丸太を差し込むなどの方法で何とか坂道を登りました。

以前と同じ小屋近くまで移動完了。
ここなら道具を取り出すのも楽です。

(手動)燃料ポンプ付きエンジンについて検索してみますが、エンジンポンプとか電動ポンプばかりで良い情報が手に入りません。
自分の考えとしてはリコイル引くと空気が、エンジン回転して吸い込み→ポンプ(三叉路)の圧力が高まってキャブレターへガソリン押し込む、という流れになっていると思います。
なのでこのシリンダヘッドから三叉路へ通じるパイプには空気以外通らないと思うし、うまく動いてたときもオイルやガソリンがそこを通ったり漏れてたりする様子はありませんでした。
パーツリスト見てみたら、燃料ポンプ付きではシリンダヘッドカバーに管が付いていて、無しのものは管も無し。
やっぱり燃料ポンプ関係のものなんだ。
ここからオイルが出るのは変です。

だからエンジンがかからない、止まる理由は、オイル上がりによるプラグかぶりということなのかも。
ちなみにシリンダヘッドから(エアクリーナー→)キャブレターに通じるパイプはブリーザホースというものらしく、不完全燃焼したものを再び戻して再燃焼させる機能を持つらしい。

オイル上がりはエンジン内のシリンダーとピストンの隙間(クリアランス)の増加によるオイル抜けが主な原因です。
オイルの入れすぎということもあるのですが、オイル交換を行って今まで何回もかかっていましたから、急にオイルの入れすぎが問題になるとは考えにくいです。
オイル抜けを修理するには、バルブシールやピストンリングなどを交換する必要あり。
エンジンが焼き付いたなどするとシリンダとピストンも交換したり研磨したりする必要もあるようです。
今回は恐らくただの寿命なんじゃないかと思います。
何にせよ、エンジンを開ける、オーバーホールしなければなりません

もしピストンリングの摩耗が原因だとしても交換部品はあるのだろうか?
錆処理とかオーバーホールして洗浄するくらいならかなり古い機械でも直せるけど部品交換が必要なら古い型式はかなり治しにくくなってきそう。
裏技としてオイル粘度上げるか?でも一時的すぎるよな~。
でも更に調べてみたら、ピストンリングとかはネット上でも色々なサイズが売っているし、エンジン自体が汎用機と思われるから部品も手に入りやすい、気がします。
やっぱりエンジンオーバーホール、やるか!
ガソリンエンジンの具体的な仕組み自体をようやく知った人間には荷が重くなってきましたが、やりましょう!
絶対に一人で機械を直す山男VS絶対に壊れる運搬車、バラモス戦後のゾーマ戦ってわけですよ!

海外ではスクラップ行きかと思われるような日本の中古車を修理しながら使っているらしいです。
しかも購入価格は日本円でもそれなりで。
どうやって治してんだろうね?
家も車もスクラップ&ビルドで、モノを大切にしない日本文化に屈したくない!

まあ失敗したとしても農機は汎用エンジンが使われているので、エンジンを丸々載せ替えるなんて方法もあるっぽいです。
どうしても治らなかったらヤフオクとかで同じ出力のものを購入して、ホムセンの金物使ってフレームに固定しちゃえば大丈夫なんじゃないでしょうか?

20万円くらいで新品を購入したほうが色々楽だったかもしれませんが、まあどうせ使っていたら不調が出てきてガソリンエンジンのことについて勉強しないといけなかっただろうし、進入路は今すぐ完成させないといけないわけでもないですから、ゆっくりやってみます。
どっちにせよもう購入してしまったんだしね?

 


1月19日、昨日はずっとネットの大海原を漂ってエンジンについて勉強し、オイル上がりの症状もわかってきました。
オイル上がりが起こると、

・燃焼物にエンジンオイルが混ざるため、マフラーから白煙が出る。
・点火プラグにオイルが付着する。

とのこと。

朝一にエンジンをかけてみるとかかったのですが、健康な時よりも白煙が多い気がしますし、マフラーにもオイルのようなものが付着しました。
この後勝手にエンジン停止。

プラグを抜いてみると確かに先端にオイルが付着していることが分かりました。
オイル上がり決定ですね。

エンジンオーバーホールには色々道具が必要になるかもですが、ひとまず出来るところまで分解だ!

運搬車の下にブルーシート敷いて、部品を落としてもわかりやすくします。
木の破片が落ちまくっている土の上でやるとすぐに無くしてしまいますから。

タンクの錆処理時に分解した場所はもう仕組みがわかっているのでドンドン分解。
ボルトはほとんど10mmなので、どこにどのボルトなんて区別出来るようにはせず、水切り不織布の中に適当に入れていきます。
エンジンへ通じる穴にも不織布。
100円くらいなのに意外に役立つなこれ。

10mmボルト4つを外してシリンダヘッドカバーを開けます。
ここら辺から何だか一つ一つの部品が精密なものっぽくて、緊張します…。

ガソリンエンジンには腰下と腰上があるらしく、基本的に二つに分離出来るようです。
このエンジンではシリンダヘッドの中の12mmボルト二つと、外側の12mmボルト二つの計4つを外すと分解出来るようで。
ちなみにシリンダヘッドの腰上にはエンジンの中でも消耗する箇所が多く、「腰上オーバーホール」はエンジンオーバーホールの中でもまだ簡単なものだし頻度も多く、腰下になると難しくなるようです。

実は機械整備しているのにソケットレンチを持っておらず、レンチとスパナしか持ってないので、インパクトドライバーにエクステンション(延長)を取り付けてソケットはめて中のボルトを回そうとしました。
が、回せません。
このままガガガガっ!と無理矢理やるとボルトがなめそうなので、諦めました。

さてどうやるか、今更だけどラチェットレンチ買うか?と思いましたが改めてレンチのことについて調べたら、固いボルトには長いスピンナーハンドルが良さそうです。
インパクトレンチというのもあるようですがソケットは専用のものでないとだめらしいです。
というわけでこの日の分解はここまでで中止。

機械の修理は道具と細かな資材を一つ一つ揃えるのに時間かかってしょうがないです。
親父も昔のバイク修理するために何度もホムセンに車走らせてたな。

 

 


抜けない

1月20日、病院通いの日々ですが、午前にホムセン寄ってスピンナーハンドルとエクステンションをホムセンで購入。
合わせて2500円くらい。
こういうのはAmazonのほうが安いからちょっと躊躇しましたが、何度も宅配させるのも申し訳ないし何日も待つのも嫌なんで購入してしまいました。

帰宅して作業開始。
インパクトドライバーでは回せなかったボルトも、スピンナーハンドルなら人力で可能です。
体勢整えて、「ていやっ!」と力入れたらカチンという音がして回せました。
機械整備するならもっと早くに買っておけば良かったです。
建築でのボルト締めにも使えますし。

シリンダヘッドを慎重に外します。

おぉ~…バイク整備でもこんなところまではやってなかったので、未知の領域に少し興奮。

大分ガソリンエンジンの構造について分かってきましたが、消耗品が多いと言われるシリンダヘッド外しても、ピストンリングは交換できないじゃないの!ぐぬぬ

ひとまずシリンダヘッドの確認。
給気、排気を行うバルブの頭にはカーボンが付着してますが、まあこれはキャブクリーナーとかで吹けば大丈夫でしょう。
何もせずにポロンと取れた二本の棒はプッシュロッドというもので、エンジン腰下のギアとバルブを繋ぐもの。

腰上だけではどうしようもないことが分かったので、腰下オーバーホールということでクランクケースを開けようとします。
こちらにはVベルトを通じて駆動ギア(?)に回転を伝える出力軸があります。
Vベルトも消耗品らしく、ホムセンに売ってたりします。
Vベルトは周辺の部品をちょっと外せば取れる、という情報がネットにあったと思いますが、取れない…

クランクケースを開けたい場合はとりあえずVベルトと出力軸の間にあるプーリーを外さないといけないようなので、Vベルトを外すのは後にしてまずプーリーです。

ボルトを外して手で引き抜こうとしますが、抜けない。
556吹いてしばらく時間を置いて再度試みてみるものの、抜けない!

しっかしこのプーリーというもの、最初はこの単語すら知らなかったのでなかなか調べられませんでしたが、検索してみたら錆などで固着していることが多いらしいです。
プーラー(プーリー抜き)という特殊な道具で抜くことが基本ですが、その道具無しでもドライバーをてこのように使ったり炙ったり、みんな色々やってます。
でも無理して道具を壊したりプーリー自体を壊したりしているようです。

更に検索してみたらそんなに高いものではないようなので、素直にプーラー買おうかと思います。
ほんの1回程度しか使わない道具を買うのは躊躇しますが、まあ安かったら買ってしまおう。
でもプーラーも通販でしか買えないし、これからしばらく天気悪い予報。
月末にポイント消化も兼ねて色んなもの一気に買って宅配回数減らしたいので、しばらく修理中止にします。
それまではまた手作業で出来る作業のみやってこ。

 

実家のガレージには多くの機械整備道具があり、こんなに多くのもの持つなんて、親父は道具オタクだと思ってましたが、ショップに任せずに整備するならやっぱり必要だわと思えてきました。
道具代がどんどんかさんでいきますが、ショップに修理を頼んだらその修理代で道具も買えるしな~…

最初に思っていたよりも機械が頻繁に故障するので、なかなか上手く作業が進められず、苛立ってしまいます。
全ての作業に対して「もうこれ以上効率良い方法はない」と感じながら出来たら、さぞ気持ちいいでしょう。
働くっていろんな意味で大変だ。

 

結局オイルの入れすぎ?

2月17日、キノコ栽培の植菌の手筈が整ったのにドリルだけまだ届かない状況だったので、ずっとほったらかしにしていた運搬車をちょいと隙間時間にいじってみることにしました。
オイル上がりの原因には「ピストンリングの摩耗」と「オイルの入れすぎ」の二つがあり、後者についてはちゃんと確認してなかったのでひとまず確認してみることに。

いったん外したシリンダヘッドをちゃんと取り付けなおします。
プッシュロッドの位置の確認はリコイル引いてバルブの動きを見ることで確認しましたが、エンジンかけるときは不安でした。案外適当でええのんか?

今回はちゃんとオイルの量を確認するということで、一応履帯の上に水平器置いて水平確認。前回オイル入れた時はこんなことしてなかったの…
エンジン置いているフレームに水平器置ければいいんですが、なかなかいい場所が無くて。
オイルゲージはどこを見ればいいのか分かりづらかったですが、キャップの中の棒の中間がオイルで濡れる程度としておきました。

で、キャブレター、エアクリーナーを取り付け、タンクやフューエルホースは固定せずにとりあえずガソリンがエンジンへ行くように最小構成。
エンジンかけてみるとかかり、長時間かけても停止しなかった!
な、なんてこった…本当にオイルの入れすぎだったのか…
この後組み立てて、無事に走行も出来るようになりました。

ご指摘ありがとうございました!
運搬車が治ってうれしいのですが、自分の馬鹿さ加減には辟易する思いです。

ちなみにプーラーも買っておいたのですが、これは TOOL COMPANY STRAIGHTの100mm3本爪のものが安かったのでこちらで購入しました。
試しに使ってみたら、仮締めしてんのかと誤解するくらい弱い力で抜けましたよ…
まあまたいつか腰下オーバーホールする機会も来るかもしれませんから、そういうときに役立ってもらいましょう。

22