クリタケほだ木の細いものだけ本伏せ―19年1月

キノコ原木栽培

2018年10月に仮伏せから取り出して保管していたクリタケですが、2019年1月20日に様子を見ることに。

 

乾燥しやすい、細いものをチェンソーで切ってみます。

…断面の色は順調とは言えなさそうだけど、秋よりかは種駒の列に沿って菌糸が伸びているかな~?

 

とりあえず、クリタケは春に植菌して、その年の秋~冬に地中に埋めて本伏せするのが基本。
しかし、ほだ木の状態によっては、次の秋まで本伏せは延期したほうが良いです。
土中だとほだ木が乾燥せず、クリタケの菌糸が伸びず、キノコの発生期間も短くなってしまうので。

太いものは乾燥しにくいから、とりあえず細いほだ木だけ、このタイミングで本伏せしてみることにしました。

 

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小径木の本伏せ

クリタケ栽培はマイナーですから、ネット上にもあまり資料はありません。
本の情報のみを頼りにしていきます。

基本的にクリタケの本伏せは、上端がチラチラと見えるくらいの深さで埋める。
もしくは、ほだ木が乾燥してない場合、木口面が露出するように、側面にのみ土をかける、の2種類。

今回は細いほだ木のみを埋めるということで、上端が見える深さで埋めていってみます。

 

斜面下から、等高線向きになるように、ほだ木を埋める場所を考えます。

場所が決まったら、つるはしで穴を掘り、1本目をその穴に入れ、その上側の土を削り、2本目を置いていく、と…

普通の山中の土ですから、掘ると大量の根が出てきます。
しかしつるはしだと根を切りながら掘れますから、結局使用する道具はつるはし一本!

 

固い山土を耕しながら、1本1本埋めていきます。

正直、1本作業するだけでもかなりの労力です。

椎茸なら鎧伏せや合掌伏せ、他のものなら接地伏せとなるので、1本1本の作業量はそんなにありません。
もしかしたら、本伏せの労力だけを考えると、クリタケが一番きついのかな?

本伏せ地が斜面なので、何となくほだ木が水平になるようにしてみました。

おかげで作業後の場所は階段みたいになっていて、雨が降ると土が一気に流れ落ちることも少なくなりそう。

 

分枝はそのままだと埋めづらいので、チェンソーでカット。

椎茸と違って、クリタケならほだ木の長さは本当に適当でも大丈夫なのかな?

 

なお、カットしたときの断面は種駒の跡がはっきり分かるものでした。
ほだ木の含水率は、どうなんだろうか…

 

こんなキウロコタケ(ダイダイタケ?)にやられまくっているものも試しに埋めてみました。

土中で生きられる菌とそうじゃない菌があるから、こういう雑菌も埋めてしまえば死滅するのだろうか?

しかし、キウロコタケは湿り気味のほだ木に生えるから、何にせよこういうほだ木は埋めない方が良かったのか…
まあ今回は実験です。

コツを掴んできて、体力は相変わらず浪費するけど作業スピードは上がってきました。

中程度のものも埋めていきましたが、太さが変わっても埋める労力はあまり変わらず。
太いと乾燥しにくいけど、本伏せ労力的にはやっぱりクリタケや他の接地伏せキノコ栽培に使うと効率良いか?

また、当たり前ですけど立てて伏せる椎茸よりも、遙かにほだ木本数の割に面積が必要です。
『耕して天に至る』なんて言葉もありますが、クリタケ本伏せは本当に至りそうだ…

ちなみに積んでいるほだ木を動かす場合、最近購入した鯨カギが便利でした。

手のほうがしっかり握れはしますが、ほだ木が動いて指を挟んだりすることが無いし、腰をかがめることも少なく出来ました。

薪作りや原木栽培するなら、こういう手鉤は便利ですよ!

 

大径木の枕伏せ

1月21日、直径15cm以下の細めのものは全て埋められました。
残ったのは太いものばかり。

太いものはあまり乾燥して無さそうなので、今は枕伏せ(仮伏せ)して、本伏せは来秋に延期してみることにしました。

今季は全く方法が統一されていませんが、今はまだ経験不足なので方法を変えまくって、教訓が得られさえすれば良いや、というスタンスでやっていきます。

枕伏せは単純で、枕木を1本おいて、一端だけ土に接するようにするだけ。

太いものばかりなのでほだ木の運搬が面倒ですが、ただ並べていくだけなので簡単。

2時間ほど地道に作業して、クリタケほだ木の全てを本伏せor枕伏せ完了!

本数的には半分、材積的には2/3が枕伏せとなったかな。
でも、持ったときに結構軽くなったものと、重いままのものがあります。
軽いものは乾燥したとして埋めて良いのか、重いものはまだ埋めないほうが良いのか、判断が難しいです。

 

本伏せをすると以降は害菌にやられにくくなりますが、未乾燥だとクリタケ発生期間が短くなり、収益率も下がります。
しかし地上に置いておくままだと害菌にやられて、クリタケが侵入できる場所が少なくなります。

クリタケの原木は、「カラカラに乾燥」して、「他の害菌にやられていないもの」が良いようです。

来秋以降はどうしようかな?
秋に伐採後、太い部分は1,2か月の葉枯しを終えた後、玉切りして、井桁詰みにし、雨がかからないようにシートを掛けて保管。
来秋以降に植菌し、そのまま即本伏せ、って方法のほうが良いのかな?

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