農産物直売所の消費者動向

2017年7月20日調査

「近くの直売所に何か出品して儲けて、山林生活の手助けに出来たらいいな~」と、私は考えています。
しかし、「とりあえず出品しとけば売れるやろ」のような気持ちでは、利益を求める事業とは言えません!
みんながどんなものを求めていて、どのような価格なら購入するのか、ということをちゃんと知っておくべき必要があります。

なのでこの記事は、出品者側のためのマーケティングを目的として、自分が調べたものをまとめた結果です。
グーグル検索で出てきた調査・研究結果のみ参考にしていますので、ガチの研究よりも参考にした資料は少なすぎるかもね!

紹介する資料の順番とかは適当です。
メモ代わりの記事だったり。

 

松江市産直市場アンケート調査結果

作成年:2015年度
作成者:松江市産業観光部農政課

PDF(http://www1.city.matsue.shimane.jp/sangyou/nougyou/noushin/nougyououen.data/santyokuannke-to.pdf)

 

興味深いところを抜粋すると、利用者は

・女性が8割で、50代以上が約75%を占める
・買い物時間帯は午前中に約85%、移動手段は自動車が9割近い
・1回の買い物価格は500~3000円がほとんどで、「高くて良いもの」か「どちらかと言えば安いもの」を選ぶ
・産直市には「鮮度」「安全性」「地元産」を求め、生産履歴を知りたい
・不満点は、「農薬などの使用状況が分からない」「売り切れになっている」がほとんど
・もっとあれば良いものは、「料理のレシピ」が一番で、「米」と「カット野菜」はあまり求められていない

 

農産物直売所のお客様に対する利用動向

作成年:2006年
作成者:財団法人都市農山漁村交流活性化機構

PDF(http://www.kouryu.or.jp/jdr028000000zzjf-att/18_129.pdf)

 

こちらも同様に興味深いところを抜粋すると、

・8割の利用客が同一・近隣市町村の地元客
・都市部の直売所の方がより広い範囲から集客している
・約7割の利用客が月に数回以上利用している固定客
・購入目的の商品は「野菜」が7割以上で圧倒的。「弁当・惣菜類」「果物」「花卉類」「漬物」はそれぞれ2割程度
・品揃えが豊富な直売所ほど客単価が高い
・求める品質としては、「鮮度」が8割程度で圧倒的。「価格」が5割弱、「地元産」3,4割、「旬や季節感」が3割。
・都市部の直売所は農山村の直売所より、「農薬使用や栽培方法」に関心が高い客が来る
・今後揃えて欲しい品物は、「野菜」6割、「果物」3割、「伝統・郷土食」「花卉類」がそれぞれ2割

 

農産物直売所の特徴と課題~既存流通との比較から~

作成年:2013年
作成者:公益財団法人流通経済研究所主任研究員 折笠 俊輔

PDF(http://www.dei.or.jp/opinion/staff_pdf/orikasa06.pdf)

 

データの多くは、農産物直売所に関する意識調査(pdf)に準ずる。

分かりやすいグラフがあったので、引用させていただきます。

直売所利用者は、普通のスーパーよりも同等以下の価格で、鮮度が良ければ購入する可能性が高い。

直売所運営での問題点は、生産者間での安売り競争になること。
兼業農家や趣味農家、低品質のものを処理したいという人から原価割れ価格で出品されるのが、主な原因となっているよう。

直売所での販売では、大手スーパーとの差別化を図る必要がある。
やはりサプライチェーンの短さによる、鮮度を第一に推すべきか
農業者の所得向上のため、大手スーパーとも価格競争するのではなく価格が安い以外の別の価値を見出していくべき。

元データ見ると、他にも立地タイプ別の分析もあり。

「都市型直売所」では、「食料調達」を目的として「平日午前中」に「40代以上」の「地元」の人が訪問する。「恒常的な品揃え」と「試食・レシピ」のニーズが高い。
「中山間地域型直売所」では、「観光」を目的として「休日の午後」に訪問する人が多い。「午後の品揃えや商品量の確保」へのニーズが高い。
「都市近郊型直売所」は、上記二つの中間。

 

農産物の産直を志向する消費者の特性―農産物生産者のダイレクトマーケティングへの示唆―

作成年:2009年
作成者:東京農業大学国際食料情報学部 藤島廣二、静岡県立大学経営情報学部 岩崎邦彦

PDF(http://nodaiweb.university.jp/noukei/pdf/NSO110_02.pdf)

ネット上でのアンケート結果を利用して、数量化Ⅱ類などを使って解析した研究。
数量化とか懐かしス。

少し面白いグラフを引用。

この二つのグラフを見ると、産直と(ネット)通販利用者には相関があるようです。
つまるところ、産直で売れるものは通販でも売れそうだということ。
(まあでも、ネット上でのアンケート結果だから相関があった、という可能性も十二分にあるけどな!)

 

 

まとめ

基本的に農産物直売所には、50代以上の女性が車で「新鮮な野菜」を購入目的としてやってくる。

出荷する直売所が「都市型」か「農山村型」かでニーズも変わる。
「都市型」では「平日午前中」に買いに来る人が多いのでその時間帯に出荷したほうが良い。
日常的な買い物客が多いので「品揃え」を重視する。
近くにスーパーなどがあるのに来るのは、直売所に「鮮度」や「安全」を求めているから。
有機栽培であること、収穫日時などを表示するのがおススメ。
日々の食事メニューを決めるのに役立つので、「レシピ」もあると良い。

「農山村型」では、「休日午後」に観光客がやってくるので、その時間帯に新鮮な物を出荷してお土産として買ってもらう。
自分の推測ですが観光客は「伝統・郷土食」にも関心があると思われるので、そのような惣菜類を出品したり、「地場野菜」「レシピ付き」で出品するのも良さそうか?
都市型同様に、栽培方法や収穫日時も表示するべき。

鮮度以外の品質が近場のスーパーの商品と同じなら、出品価格は同じか、少し安い程度とする。
直売所には儲けを考えない人も出品してくるので、プロの場合はそのような人との差別化を図る必要がある。
有機栽培など品質が良ければ、少し高くても売れる。

直売所利用客と通販利用客には相関がある。
直売所でよく売れるようなものをネットで販売したりするのも良さそう。
ネットでの販売でも、やっぱり「鮮度」「安全」「レシピ」が重要だと思われ。

 

もしかしたらバイアスがかかった解釈がなされた資料を、更にバイアスかけてまとめてしまった記事かもしれません。
本気で直売所に出品されたい方は、元データ要チェキ!

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