チェンソーのエンジン焼き付き…原因と防止方法を調べる

機械

タイトル通り、悔しいことにチェンソーのエンジンが焼き付きました…

焼き付いた機種は、ハスクバーナ製「550XP」というプロ用のものです。

元々はチェンソー屋に置いていた中古のもので、ピストンとシリンダー交換済みのものでした。
前使用者が手放した理由も、おそらくエンジンの焼き付きだったのでしょう。

 

エンジンが勝手に停止しスターターロープが引けなくなったので、チェンソー屋に持って行って原因を究明してもらおうとしました。
ここら辺は前回の薪割り日誌で。

その後、電話がかかってくる。

 

チェンソー屋

ピストンが欠けてます。
ピストンとシリンダー交換で6万円かかってしまいます。

 

 

いや~、久しぶりでした。

ショックのあまり絶句すること。

 

「…ゆっくり考えてみます?」

と聞かれましたが、他に安く抑える方法なんてなさそうなのでそのまま震え声で

「…交換お願いします」

 

悲しいし悔しいですが、とりあえず、再発防止のため原因と対策を調べていくこととします…

 

 

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状況調査

判明タイミングは、朝イチにエンジンかけて使い始めようとしたときです。
さて使おうとしたら異音がしてエンジンが止まり、何度もスターターロープを引いているうちに引けなくなりました。
おそらく、前日以前に壊れたと思われます。

前日、朝イチから作業していましたが雨が降ってきたので1時間程度で作業終了。チェンソーでの玉切りは10回程度でした。

4日(回)前にチェーンがガタガタに固着しました。
チェーンが固着した原因はチェーンオイルの出が悪くなっていたからと思い、オイルの出を最大に。
以降はクラッチカバー下にオイルで固まった木屑が増えました。
それまではさらさらした粉が溜まることが多かったです。

3日前からはソーチェンの熱対策のため、使い方では以下の対策を施していました。

  • 連続玉切りは1セット10回まで
  • チェーンオイルを行き渡らせるため、始動後10秒ほどアイドリングさせてから使用。

なお、エンジンの停止は1セットの作業終わらせてからすぐに行っていました。

 

目立てとクラッチ・ガイドバー部の清掃は毎回していました。

しかし10月後半から使い始めて、エアクリーナーは一度も掃除していませんでした。
昨シーズン多く使っていた135eでは何回使っても汚れなかったから。
今回、550XPのエアクリーナーを見てみると、粉状の木屑が多く付いていました

 

混合燃料は自作です。
ホムセンに売られていた2st用エンジンオイルを混合容器で50:1で混ぜて3Lずつ作成。

保管は日陰の野外。
混合日は覚えてませんが、2~3週間前。
焼き付いた時は混合容器内の燃料が無くなりそうでした。

なお、昨シーズンも同じような燃料・使い方で同じくハスクバーナのチェンソー135eでは一度も焼き付きませんでした。
ソーチェンの固着も無し。

 

 

原因と対策

以下の記述はネットで検索した後、チェンソー屋で実際に確認を取ったことなので、間違いではないはずです。

 

エンジンオイルの潤滑不足

2stエンジンオイルには品質差があります。

現在市販されているものの中では、FD>FC>FB、というグレードがあります。

今回使用していたのは低品質なFBです。
チェンソーや刈払機などの高回転機器ではFC以上が必要となります。

ゆえに、広葉樹薪づくりの連続玉切りなど過負荷がかかる場合、以下のようなFDグレードの純正オイルを使うべきでした。

 

なおFBオイルでも135eが焼き付かなかったのは、長時間玉切りをすることがほとんど無く低木・中木ばかり伐っていたから、過回転にならないように性能が抑えられていたからだと思われます。
まだ3Lも残ってもったいないので今のFBオイルは135e専用として、過熱に気を付けながら使ってみます。
どうしても使い切れそうにないなら汎用の洗浄・潤滑油として使いますかね。

一応以下のような安物でも「FD」となっていますから、連続玉切りするのでないならこちらでも良いのかも。
でも、ホムセンブランドの安物も「FD」と表記されてるんだよなあ。
調べてみるとJASOのグレードは自己申告制らしいし、一体何を信用すればいいのやら…口コミだけ?

 

また、今まで使用していた混合容器は、1回で5L作れる大きなものです。
しかし容器が大きければ大きいほど中の空気の割合が多くなってガソリンが揮発しやすいですから、1L程度の容器で混合し、すぐに使い切ったほうが良かったのかも。

 


チェーンオイル吐出し量不足による過熱

エンジン焼き付きの前に、ソーチェンが固着したことがありました。

もしかしたら、ソーチェンが固まったときにすでにエンジンも壊れそうになっていた可能性があります。
新品ソーチェンを使い始めてからそんなに経ってないから。

連続玉切りをする場合、チェーンオイルの吐出し量は「最大」にしてエンジンとソーチェンの過熱を防ぎましょう。

 

暖気・冷気運転不足

朝イチのエンジン始動後、数秒で作業を開始していました。

暖気運転をしないとエンジン内部の潤滑が上手くいかず、エンジン内の摩耗を促進してしまいます。
作業開始時は2~3分アイドリングさせましょう。

 

また、チェンソーではターボ車のように、エンジン停止前に1分ほどアイドリングさせてエンジン内の熱を放散させる「冷気運転」を行うと、ピストン・シリンダーの寿命が上がるようです。
エンジン停止後も熱が発生し、その熱がピストンとシリンダーを固着させてしまう!
よって、楢や樫の玉切りでは数回~10回ほど行った後、1分アイドリングさせてから停止させ、冷やす。

(参考:樋口金物機工様)

 

エアクリーナー清掃不足

エアクリーナーに木屑が付着していくと、エンジン内への異物混入や空気不足による様々なエンジンの不調の原因となります。

エアクリーナーは毎日・毎回清掃しましょう。

 

目立て不足

目立ては毎日・毎回やってたんだけどなあ…

目立てがちゃんと出来てないと、切削時間増加によるエンジン過負荷、ソーチェンの抵抗増による過熱の原因となります。

刃研ぎ、デプスゲージ調整などの目立て作業一式は常に完璧に。

 

 

他にも全体的な清掃、高気温時には特に気を付けるなどの対策もあります。

今回、修理代は6万円となりましたが、ネットで見た感じ他の修理店でもこのくらいはかかるようですね。
チェンソー作業で経費を抑えるには、エンジンを焼き付かせないのが肝要のようです。

焼き付きが判明したときは落ち込みましたが、調べてみたら色々と原因が判明し、対策法も分かってきました。
チェンソーが悪かったのではなく、単に自分が悪かっただけです。
重大な事故というのは様々な原因が重なることで起こりますから、再発防止策はいくつも取ったほうが確実ですね。

私を踏み台にして、皆さまは同じ失敗をせぬよう!

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