埼玉ホンダの期間工 仕事の感想をもう一度

2017年10月19日出稼ぎ・バイト

前回?

 

より雑多な記述となってきました。


工場内ではICカードで食事や飲み物の決済をしたり、出退勤時間の打刻をしていました。
食堂内では現金が原則使用不可なので、カードを無くすと食事も出来ません。
まあ赴任して一週間で無くしましたけど何か?
…再発行までは飯抜きなのでコンビニで買った菓子パンをロッカー内に持って行って、昼休憩に押し込んでました。
再発行は出来ましたが、総務や食堂の落とし物コーナーも探してみても旧カードは最後まで見つからず。
どこ行ったんだろう?
二度と無くさないように首から下げるタイプのカードホルダーを購入して、ネクタイっぽく装備してました。


車種やタイプ(ガソリン、ハイブリッド、2駆、4駆など)によって作業も少し異なるのですが、結局9種類くらい覚えました。
9種類というと単純作業にしてはちょっと多いような気もするのですが、しかし最初の2,3タイプ覚えてしまえばその工程の基本というか根底にあるものが分かってきます。
そうなってしまえば、それ以降は1回先輩の説明を聞くだけで自立出来るようになりましたよ。
どの仕事でもそうですが、一番最初は右も左も分からなくて大変!だけど、そこが過ぎれば新たに覚えることが出来ても楽!ということです。
最初は辛いもんだとして、我慢ですね。
まあ…最初の頃の方が達成感あって面白かったんだけど…。
後の方に覚えた時は「ん?ああ、そうするのね。はいはい、こうね」って感じ。


仕事が始まる前に毎回朝礼があるのですが、最初は何を言ってんのかほっとんど分かりませんでした。
「どうしてみんな、こんな騒音まみれの中で聞き取れるの?」と不思議に思ってました。
しかしどんなことを毎回言っているのか、用語の意味だとかが徐々に分かってくると、例えインパクトドライバーが「ガガガガガ!!」と鳴っている中でも全部聞き取れるようになりました。
やはり音を聞いているのは耳でも、言葉を聞いているのは脳なんでしょうね。

…初めは「チョコテイ」の意味が全く分かりませんでした。
これは「(ラインが)チョコっと停止」の略だそうですが、私は最初「チョコレートティー」の略かと思いましたよ!
「紅茶とチョコはなかなか相性いいよね!でも工場で関係あるか?」と戸惑ってました…

ちなみに「チョコ停」の対義語に、「ドカ停」があります。
ドカ停は「ドカッと停止」の略ですが、バイク乗りの私には「DUCATI」かと思ったわ!


期間社員だなんて工場の中でも底辺レベルなのかと思ってましたので、てっきり正社員から「おい期間!ちんたらクソみてーな仕事してんじゃねーぞ!」とか言われるのかなあとか不安でした。
でも実際は、正社員も期間社員もみんな、基本的に優しい人ばかりでしたよ。
同じ工程のパイセン社員さんが有給を取ることになり(会社から半強制)、穴埋めで入った正社員の中でも上の立場の方からも敬語で接せられました。
う~ん…立場も年功も上なんだからちょっとくらい偉そうにしても(私は)怒らないんだけどね。
某期間工ブログに「2ch(5ch)のホンダスレは荒れない」と書かれているように、ホンダ社員は全体的に雰囲気が緩いのでしょうか?
私個人はそういうの大歓迎なのですが。


「期間工は消耗品だ。きつい工程に配属されて使い潰される」だなんて噂もありますが、私の働いていた場所では正社員のほうがきつい工程にばかり入っていましたから、そんな訳ないと思います。
正社員の中でもちょっと仕事出来なさそうな人や高齢の人はライン外に配属されてたりもしますが、基本的に正社員はライン内で忙しそうに働いてます。
ライン内の期間社員はよくよく見るとゆとりを持った作業をしており、正社員に比べれば楽そうに見えますね。
「期間工すると身体を壊して一生をボウニフル~」とか言っているのはただの根性無し野郎なんじゃないの?


仕事にほぼ完璧に慣れ、「山に帰って何しようかな~」と考えることも無くなってきた仕事3カ月目くらい、物凄い飽きが来ました。
もう本当に頭の中が手持ち無沙汰すぎて、時間が流れるのがめっちゃ遅くなりましたね~。
単純作業ってのは「成功する」よりも「失敗しない」ことが重要なので、「もっと仕事出来るようになってみよう!」なんて向上心も持てず、うんざりしやすいなんじゃないかと思います。
簡単な仕事を失敗せずにやるよりも、難しい仕事を成功させるほうが面白いに決まっていると思うんだが。

色んな仕事をしてきたので難しい・面倒な仕事でも慣れてしまえば大丈夫ということは十分理解しているのですが、飽きそのものには慣れることが出来ません。
もうこればっかりは本当にどうしようもない、今の自分には解決方法が分からないので、全く同じ作業するのは出来れば3カ月以内もしくは長くても半年までにしないと精神がどんどん劣化してしまいそうですよ…
農業や林業などの一次産業も単純作業は多いですが、工場労働みたいに季節関係なく1年中ずーっと同じ作業するっていうのはなかなかありません。季節によってやるべき作業も変わるので。
飽きないという点では、やっぱり季節に沿った労働するのがいいなあと思います。
自分のような飽き性は、多地域居住だとか出稼ぎだとか開拓だとか起業だとか、不安定と呼ばれる生活のほうが向いているんじゃないかと思いますね。
分業による専門化を推し進めるのは、人間が仕事に飽きないということが前提でしょうな。

期間工というか工場労働に向いているのは、体力があるよりも単純作業に飽きにくい人なんじゃないかと、今では思います。
趣味や副業などでよく考える必要がある人、例えば小説家やライター志望とかは案外向いているんじゃないでしょうか。
何となくお金を稼ぎにきたような人はすぐに飽きるだろうと推測するのですが、期間工ブログみるとそんな人のほうが多い気がします。
3年間同じ工程で働いて満了した人は、どういう精神構造だったのでしょう?

やっぱり出稼ぎの理想は三ヶ月前後ですね~。
でも工場としては三ヶ月なんて最短レベルだから、もっと長期間働いて欲しいらしいです。
後腐れ無く働きたいなら、やっぱりリゾートバイトとかになるんでしょうか?


退職予定日一カ月前くらいに、退職手続きをしました。
各種社会保険に関する書類と退職届を記入するのですが、退職理由を書く欄がありました。
退職理由の項目には「次が決まった」と「人間関係が嫌になった」と「作業が嫌になった」と「寮が嫌だった」と、「その他」のみ。
あれ?「季節労働」の欄が無いよ?
私の場合は次は決まっても無いし特に嫌になったこともない(実際は作業に飽きて嫌になっていたけど)ので、その他の欄に「季節労働だから」って書いておきました。
農耕民族のジャパニーズが農閑期などに工場に働きに来るって、昔よりかは少なくなってきただろうけど普通の範疇に入ることだと思ってたのに…
田舎暮らしのことを勉強しすぎて世間との認識がずれまくってる!?


最後の1週間くらい、引き継ぎとして自分が後任に教えることになりましたが、その後任がリーダーから「ちょっと物覚えが悪い」と言われている自分の同期

リーダー「大変かもしれないけど辞める前に完璧に教えておいてね。教えたら辞めて良いから。じゃ!(スタコラサッサ)」
ぼく「(ちょ、オイ!)」

え?本当に私がやるの?教え方の基本とか教えないの?
…大企業の工員でも教育者の教育みたいなことはしないのでしょうか?
こんなんじゃあ、前任者が教えるのが上手いかどうかで仕事の難易度が違いすぎる気がするけど!

う~ん…自分は(自称)自主自立タイプだから、教えるのも教えられるのも苦手なんですよ。
とりあえず自分にとっては、まず「作業の立ち位置、全体像を教わる」、次に「具体的な作業を大ざっぱに教わり、自分でやってみる。要点さえ間違えなければ厳しく注意されない」、最後に「細々としたコツを教わる」という流れで教えてもらったほうがいいので、自分もそんな感じで教えました。

結果、やはり物覚え悪い感じがあったけど、基本動作は一通り出来るようになってくれました。
一日で全部忘れたり何回言っても同じミスばかりするような滅茶苦茶な馬鹿だったり、不遜なやつだったりしたらどうしようかと思ってましたが、そこんところは一応クリアしてました。
後はパイセンに任せるとしよう…


10月16日終わった…

先輩方やリーダーに挨拶し、ICカードや保険証を返却、ロッカーを片付けて、問題なく退職処理終了。
気分が抑えられず、寮へ帰る途中に「終わった、終わった!終わったんだ!」と呟く。
新しい仕事をするときは毎回心労があるけど、その代わりやり切った時には達成感ありますね。

これからまた生活環境が変わるけど、今回のは不安無し。
自由を求めて、旅立ちだ!

 

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