18年山小屋バイト 決定打と申告

出稼ぎ・バイト

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決定打となった出来事たち

2018年6月15日、雨の日に25kgの歩荷。
背負子での荷物の縛り方も碌に分からない状態で自分なりに固定し、ビニールを被せて雨水対策。

木と藁縄で出来た背負子を担いで登っている途中、何だか少しずつ肩紐から音がしてきて、千切れました。
足場の良いところで千切れたので転ばずに受け身が取れたのですが、今のままでは担げません。
どうすれば良いのか分からなかったので小屋番に電話。

YU

背負子の肩紐が千切れました。
ど、どうしましょう…?
新しいものとか持ってきてくれますか?

小屋番

ビニールの紐持ってたよね?
それで応急処置して。
駄目ならまた電話して。

…いやいや頑丈にかつ張りがあるように結べるようなロープワーク技術がある人ってそんなに多くないんじゃない?
しかも一切「こけた?怪我した?」とか心配しないし。

雨の中一人で短くなった藁縄に紐を結んで延長し、その結束箇所にあまり負荷がかからないような荷重方向となるように肩紐上部をグルグル巻きにしてみました。
その後、新たに千切れたりほどけたりすることは一度もなく、無事に小屋まで歩荷できました!
荷物にもダメージ無し!
「我ながら、トラブルに強い奴じゃわい」と心の中で自画自賛したのです。

山小屋に帰ってカッパや荷物を整理し、とりあえず昼寝。
いつも通りのタイミングで夕飯の準備、そして食事。
夕飯は会話もしやすいので、背負子の肩紐が千切れたことを話題に出しました。

YU

背負子の肩紐のことですが…どうしましょう?
今は応急処置ですからまた重い荷物を積むことは出来そうにないです。

小屋番

…背負子を渡したとき自分で管理するよう言ったはずだよね?
ちゃんと使う前に点検すべき。

YU

いやいや!重さ25kg、2回目の使用で壊れるような背負子渡されるなんて想定の範囲外だよ!
つうか自分は登山経験あっても背負子初体験(しかも木と藁縄製)だということは知ってたよね!?
だからどこをどう点検する必要があるかなんて分かるわけねえんじゃねえの!?

YU

ていうか何この沈黙!?
この話題もうこれでお終いなの!?

そんで痺れを切らして

YU

それで?肩紐はどうするんですか?
ここで修理できないなら下に持って行って交換ですか?

と言うとしぶしぶ、

小屋番

…新しい肩紐持ってきますから自分で交換してください

とのこと。
はぁー…
私は山小屋初勤務のバイトやで?経験豊富のプロちゃうんやで?

 


時系列が少し前後しますが、実は背負子担いで登っている時に熊を見ました。
前方10~20m程度のところの木に熊が登っていて、私の姿に気づいてすぐに降りて逃げていってくれました。
ツキノワグマの黒い毛並みや顔つきがハッキリと分かるような距離、襲ってくる可能性だって十分ありました。
初めてだったのでかなりびっくりし、それ以降は息切らしながら歌を歌ったり声を出しながら登っていました。

そして夕飯の肩紐の話題の次、なぜか険悪なムードになった雰囲気を変えるために熊を見た話題も出しました。

YU

そ、そう言えば!
今日登っている時に〇〇と〇〇の間で熊を見ました!

小屋番

…この辺は熊多いよ。
まあ動物たちが多い大自然の中に人間が入り込んでいくんだから、熊にだって会うよね。

YU

あれ!?予想とは全く違う反応!?
心配するとか「熊鈴持ってた?」とか聞かれると思ってたんだけど!?

YU

う、う~ん、でもこの辺には熊への注意喚起みたいな看板とか一切見られませんでしたよ?
熊が出没する他の人気の山でも看板はよく見たことありますよ?

小屋番

山には他にも遭難とか滑落とか噴火とか色々と危険があるものであり基本的に自己責任だけど、注意喚起を怠ったとして自治体が訴えられたりしているよね。
全く、困ったもんだよ。

などと頓珍漢なことをぬかす。
私が言おうとしていることが何一つ通じてなかったしイライラしてきていたので、

YU

とりあえず!
熊がいるなら熊避けの鈴が必要だということですよ!

とはっきり言うと、また沈黙。

YU

…何だこいつ
もしかして口答えされて拗ねてんのか?
間違ったこと言ったならちゃんとハッキリ反論しろよ

そのような会話を見かねたのか、小屋番のお姉さんが口を開きました。

お姉さん

…私、熊避けの鈴持ってますからお貸ししましょうか?

YU

…えっ?あっ、すいません。ありがとうございます。

と返事。
お姉さんが取りに行っている間に会話を進めてみる。

YU

小屋番は熊鈴付けないんですか?

小屋番

山に登ってくるときは付けない。
重いから。

YU

はあ?鈴が重いんですか?

小屋番

麓で作業するときは付けるけど。

YU

…全くもって意味が分からん

以降は私と小屋番の間で会話らしい会話は無し。
お客さんの食器を片付けて、明日の準備をしてこの日の業務は終了。
なぜか土曜日となる次の日は休日だと言い渡される。
…晴れの土曜日に休ませるとか、アホなの?

 

小屋番のお姉さんは全く本当に優しいけど、小屋番は駄目だわ。
危険予知ができながら、従業員に忠告を受けても安全対策取らないなら、私のような従業員が事故したときに訴えられたらもの凄い賠償金を払うことになったりするのが全く分かってないようですね。
個人同士の感情で嫌いあうだけなら狭い山小屋の中で極力事務的な会話をするのみに努めるだけですが、(多分小屋番は)私のことが嫌いだからって必要な安全対策を取らさせないのは、従業員として身の危険を感じます。
今回は小さな小さな熊鈴についてでしたが、「そうかそうか、つまり君はそういう雇用主なんだな」と判断してしまったのです。

 

申告

6月16日(土)、天気の良い休日。
22連勤後に得られたようやくの休みなので、ザックに日の丸弁当詰め込んで山歩きすることにしました。
やはり小屋番は私が嫌いなのか、出発前に取るに足らないことをネチネチ言われました。
お前は今までずっと俺と一緒にいて、別の山小屋の営業を邪魔するくらい話し込むような人間だと判断したのか!?何を見てきてたんだ!?

朝は雲海がとても綺麗。
身体を大きく動かして進んでいきます。心地良い疲れ。
やっぱり登山という行為も、山自体も美しいものですねえ。
この世に悪と醜さがあるとしたら、それは人間の心の中以外には存在しないだろう、なんてね。

 

歩いている最中に辞める手順と次の仕事の候補を考えました。

YU

次は海の近くでリゾバするかなあ~。
7月から求人も増えるので6月末までに辞めるか~。
小屋番と自分、お互い無駄にストレス貯めながら働き続けるのは身体に毒だろうな~。

客と仕事の少ない昼過ぎの時間帯に山小屋に帰宅し、一人でいた小屋番に早速伝える。

YU

今日歩きながらじっくり考えたんですけど、6月末までに辞めます。
それまでならいつ辞めても良いです。

小屋番

…はぁー
どうしようかな…
(間)
とりあえずバイトの急募かける。
一応保留にして。

と回答。
このようなことを言われるのは意外にも予想外だったらしく、まあそんな時に言われたらそういう返事になるもんかと思って、「とりあえず今はそれで」と言ってバイト部屋に戻りました。
もうすでに完璧に私の心は固まっていて、退職時期を延ばすつもりは一切無いけど、じっくり考えてくれ。

しかしまあ、退職を伝えると一気に仕事へのやる気が下がって、顔も合わせづらくなるのが嫌ですねえ。
山小屋バイトは例え休日でも食事の時には一同に会さないといけませんから。

雰囲気最悪の夕飯を終えて「では明日は何時からで良いですか?」と聞くと、「明日も休日」とのこと。
…客の多い日曜日に休ませるとは、何考えてんのかね?

 

次回が2018年山小屋バイトの記事の最終回です。

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