くくり罠(踏み板部分)の製作

2016年1月11日狩猟

罠のトリガーとなる、踏み板部分を作成していきます。
こちらは計算尺愛好会さんを参考にしました。
まだまだ洗練されていないので、ご参考程度に読んで下さい。

前回はくくり罠の基本となる締め付け部分を製作しました。
合わせてお読みいただけると幸いです。

 

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材料

木ねじ

踏み板の囲いを作成する時に、最低4本用います。
長さは合板の厚さ+α必要となります。
ネジ径は何でも良いです。
1セット100円くらいです。

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ねじ

金具と合板、金具と塩ビパイプを繋ぐのに用います。
こちらはナットとワッシャ含めて8組必要となります。
頭がなべ型ではなくて、皿型が良いです。
長さは、今回の材料の場合20mm以上が必要となります。
ネジ径はアングルに合うものを選びます。
8組100円くらいです。

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アングル

アングルには多くの種類がありますが、私が使ったのは以下の10cm長さのものです。
基本的に、アングルの長さが長いほど小さな踏み込みで作動します。
また、高さが高いほど獲物の大きな踏み込みが必要となります。
1つ150円程度で、2つ使用するので300円ほど必要となります。
このアングルなら多くのホームセンターで売ってある、と思います。

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塩ビパイプ

ワイヤーのガイドとして使用し、アングルと繋ぐことになります。
細いほど小さな踏み込みで作動することになるでしょうが、細いほど設置時のバランスがシビアなものになります。
まだ結論は出ていませんが、総合的に考えれば16mm程度のもののほうが良いと思います。
使用するアングルによって使用する塩ビパイプの長さも変わりますが、上のアングルの場合23.5cm使用することになります。

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角材

踏み板の囲いを作成するときに用います。
合板では横から木ネジを用いて繋げることが出来ないので、このような角材が必要となります。
角材と言っても、合板以外の棒なら何でも良いくらいです。
14cmの長さのものを、2つ使用します。

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合板

囲いと踏み板の作成時に用います。
どうせ多く生産するし色々なものに使用できるだろうと思って、ホームセンターで900×1800×9mmのものを買ってしまいました。
この大きさでも1300円程度ですから、安いものです。

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材料の加工


合板

合板を切る場合、ノコギリだけでは大変です。
ジグソーや丸ノコなどの電動工具を使うことをおススメします。

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踏み板は、10×10cmの正方形で大丈夫です。

囲い部分は、まず19×7cmの長方形のものを2つ作成し、内1つに横6cm×縦3cmの穴を開けます。
この穴に罠の基本構造部が通ることとなります。

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角材

角材はノコギリで長さ14cmに切ります。

その後、木ネジで刺しても裂けない程度の太さにしていきます。
ノコギリで縦割りが面倒なら、ナタで叩き割ってもほとんど大丈夫です。

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塩ビパイプ

塩ビパイプはひとまず23.5cmに切り、ジグソーなどで縦割りします。
縦割りは以下の写真のように、ジグソーを動かすのではなくて机に置いた塩ビパイプをジグソーの方に動かしていくと切りやすいです。
最後は逆から切ります。

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材料は以下の写真のとおりとなります。
原価は1組500~600円程度でしょうか?
アングル代が多くを占めています。

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組み立て

囲いの組み立て

合板で作った長方形の2枚のものと、角材、木ネジを使用します。
まずは穴の空いた合板に角材を木ネジで固定していきます。
角材の上端が、合板の穴の下端と同じか少し上くらいに置き、電動ドリルで穴を開けてから木ネジで固定していきます。
もう一つの角材は、先に付けておいた角材と同じ高さになるように固定します。

固定に使用する木ネジは1本ずつで構いません。
力を入れると角材が少し回りますが、そんなに負荷のかかる部材で無いので大丈夫です。

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もう一枚の合板を角材と繋げていきます。
完成すると以下の写真のようになります。
少々歪んでいても問題はありません。

雨で濡れて腐りやすい部分ですので、長持ちさせたいなら塗装したほうが良いかもです。
ちょっと臭いがついて獣に怪しまれる恐れも出ますが。

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踏み板部分の組み立て

まず最初に、10cm正方形の合板に、アングルを取り付けます。
特に何も考えずに、合板の端に位置取りして穴をドリルで2つずつ開けて、ネジとワッシャとナットで固定します。

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次に、要となる塩ビパイプの曲げ加工に移ります。
この加工が罠の製作で最も面倒なので、気合を入れていきましょう。

必要となるものは、安定した熱源と、径12cmほどの金属の補助具です。

熱源は、趣味の登山で使用している小型ガスコンロを用いました。
焚き火が出来るなら熾なんかでも良いでしょう。
直径12cmの補助具は、100円均一ショップで購入したステンレスのふるいを用いています。

なお、塩ビパイプは熱で曲げるだけですが、どうしても少し燃えてしまう部分があるので、作業時は換気をきちんとしましょう。

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まず、塩ビパイプの両端の、片側3cmほどを平らにします。
最終的には、曲がっている方を下に、平らな方を上に組み立てることで、罠作動時に塩ビパイプの曲がりがワイヤーに干渉することを防げます。

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次に、塩ビパイプ全体を曲げていきます。
塩ビパイプの半分の表裏を温めて柔らかくして補助具に巻きつけ、少し冷やしてからもう半分を温めて曲げていくと、それなりに綺麗なものが出来ると思います。

ある程度半円になったら、アングルに設置出来そうか試します。
調整が必要なら温めて調整します。
なお、パイプの両端は、アングルに干渉しないように3cmほど真っ直ぐにしておいたほうが良いです

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大体形が綺麗になったら、両端にネジ用の穴を開けます。
ネジをゆるく締めてみて、スムーズに動くなら成功です。
動かないなら塩ビパイプの加熱からやりなおしです。

なお、ネジはこのまま緩いままで大丈夫です。
あまりきつく締めると動きが渋くなるし、頻繁に動かす部分でも無いですから。

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罠の設置テスト

これまで作ってきた罠の設置テストを行ってみます。
なお、山に仕掛けるときは地面が凸凹だったり柔らかかったりするので、実際はもっと難しいです。

まず必要となるのは、罠の基本部分、踏み板の囲い、踏み板部分です。
細長くて高さの揃った棒が2本あると便利です。

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まずは軽く罠の輪の部分を塩ビパイプに巻きつけます。
このとき、塩ビパイプの下に棒なんかを挟んでおくと、ワイヤー等が下に巻き込まれなくなるので便利です。

場所が調節できたら、踏み板全体を踏みながら、体重をかけてバネを圧縮します。
片手で精一杯バネを圧縮しながら、もう片方の手でワイヤー止めのネジを締めます。

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ワイヤー止めのネジが締め終わったら、恐る恐る足を除けます。
手で作動しないように抑えるのも良いでしょう。

手や足を離しても罠が動作しなくなれば、振動を与えずに慎重に囲いに載せます。
これで一応、罠の設置が完了しました。
とりあえず動作テストとして棒などで踏み板を押してみてください。
上手く棒に巻き付いたら完成です。

実際は、この後罠を隠す作業に移ります。
なお、私の罠を隠す技術はまだまだ未熟ですので、ある程度上手くなってから記事にしようかと思います。

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別のアングルを用いた場合

他に安いアングルが無いか調べてみると、以下のものがありました。
合板に固定するための穴が1つしかないので安定はしにくいですが、一応は使用できます。
これなら1つ100円程度、2つで200円程度になります。

上述したアングルよりも短いものなので、その分塩ビパイプの長さも長くする必要があります。

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上記の手順で全く同じように製作した場合、大抵の場合以下の写真のように、パイプ同士が干渉してしまうことになります。
この場合、パイプの隅を切る必要があります。

なお、このアングルの高さは高いので、合板との距離が遠くなり獲物の大きな踏み込みが必要となります。

やはり今のところ、罠の作成手間や感度や精度などを総合的に考えれば、上記の10cmアングルが良いと思います。

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