ワイヤーメッシュと丸太と木材で省コスト囲い罠自作にチャレンジ

2018年11月16日狩猟

条件がありますが免許・税金無しで囲い罠猟が出来ることが前回の記事で判明しました。
また、囲い罠は箱罠の作り方を応用できそうだということも考えられました。

 

そこで今回、実際に囲い罠を自作してみることに挑戦してみました!

コンセプトは、出来るだけ安価に、獣に逃げられにくいものを作るということですね。
絶対に逃げられないものを作ろうとしたら高価になるし、経験値不足の今ではまだ難しい。
ということで、「シカと小型イノシシが捕まえられればいいや~」という気持ちで作っていきます。

 

この記事は島根県の『低コスト簡易型箱わな設計書』を参考にしていますから、予め流し読みしてからこの記事を読むと、理解が早いかもしれません。

 

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木製落とし扉

仕掛け付き扉はホムセンで売られているL字アングルを使う人が多いし、研究センターのマニュアルでも使われています。
しかしアングルの切断が面倒だし、端材で燃えないゴミが発生してしまうのが難点。
それに、ちょっと高価です。

そこで今回、木造の小屋を建築した経験もあって木材の使い方に慣れている私が、木材で扉を作ることに挑戦してみました!
木材なら切断などの加工も簡単!金属臭さが少なくなるから警戒心も減る!塗装すれば耐久性も上がる!安い!軽い!

 

箱罠の扉についてはほとんど知らなかったので、手探りで作業していきます。

まずはマニュアルを見ながら何となくイメージを膨らませていきますが、要は前後方向にずれず、スムーズに12mm厚コンパネをストンと落とせばよいのでしょう。
それに獲物の体当たりに耐えるよう、内側から外側への衝撃に耐えやすい構造がヨシ。
外側から内側への衝撃はあまり無いから、そこまで重視しなくても良し。

…ということをうやむやと考え、備蓄してあった、6f(約1,820mm)の2×4(38×89mm)を骨格として、野縁(30×40mm)を固定していけば良いのではないか?

 

そして外側上部に12mm厚ウレタンコートコンパネ半分を固定して全体の剛性を上げ、扉上部からの獲物の脱出を防ぐ。

落とし扉はコンパネ半分程度のものとする。

内側への扉コンパネ倒れを防止するため、12mm厚合板をカットしたものをレール部分に沿って内側に取り付けていけば良いのではないか?

…おお、なかなかいい感じだ!
12mm厚のコンパネと言えども、隙間は厚さ20mmほどにしておけばスムーズに上げ下げ出来ました。
防水コンパネと言えども、湿気で曲がったりしますからね。このくらい余裕を持たせた方が良いでしょう。

最上部、下部にも2×4をビスで固定して扉の剛性を高めていきます。

最上部にはフックと滑車を取りつけ、扉をスムーズに上げ下げ出来るようにします。

基本構造はこんな感じで良さそうだ!

補足

PEロープは滑りが良いので、滑車は外しました。
外すと扉を更に高く上げることが出来、開口部を大きく出来ます。

 

設計が固まったので、必要材を塗装していきます。
塗装しない方が獲物の警戒心を下げられると思いますが、耐久性が低下してしまいます。

今回もいつも通り、タフソートで塗装。

 

塗装後にちゃんと組み立てていきます。

2×4(38×89mm)と野縁(30×40mm)の接合でははみ出ないギリギリの65mmビスを使用。
2×4と2×4では90mmビスを使用。
12mm厚合板の固定は32mmビスを使用。
金槌&釘でも作ることが出来ますが、インパクトドライバー&ビスの方が分解が楽だし打ち損じも出ないのが利点です。

 

扉がスムーズに動くかどうか、全体の強度に不安が無いか確認できれば、木材を使った箱罠・囲い罠用仕掛け扉が完成です!

 

これだけの大きさだと金属製ならかなり重くなりますが、木材なら何とか運べるくらいの重さに収まります。
重量比強度が鉄よりもあるのが、木材の利点の一つですね。

木製扉の製作事例はネット上であまり発見できなかったので、ちょっと設計に悩みました。

 

ワイヤーメッシュの組み立て

出来るだけ金属は使いたくないけど、やっぱりあると便利なのでワイヤーメッシュをホームセンターで購入してきました。
「ちょっと雨に濡らすだけでこんなにサビが!」という写真↑

 

約1×2m、径5mmで1枚450円でした。

マニュアルでは径6mm以上のものの方が良いし、実際5mm径のものだと大型のイノシシに破壊されて逃げられている方もおられるようです。(→百姓の道楽記様)

一応別のホムセンに6mmくらいのものが売ってあったのですが、そこだと1枚1,000円近くしたんだよなあ。
「どうせ側面ワイヤーメッシュだけだと補強は不可避だろう。5mm径+丸太補強で良いか?」ということで、今回は径5mmのものを使ってみることにしました。

この選択が正しいか否かは、今季の狩猟結果で判明することでしょう…

ワイヤークリップで4枚を仮止めして、イメージを膨らますことに。
ワイヤーメッシュには長方形のものしかないので、直方体のものにするなら奥のものが半分余ってしまう。

…どうせ高さ2mくらいにするんだから、奥のものは縦に使えば良いんじゃないか!?
ということでそうすることに。

側面のものも縦使いにしてメッシュを2枚追加するのもアリなんですけど、上半分は下半分よりも隙間多めでも逃げられないかな…と思って今回はナシ。

ワイヤーメッシュどうしの固定はワイヤークリップが基本だし、自分もいくらかは使っていきます。

しかし、ちょいと実験的に、安かったステンレス製結束バンドも併用してみることにしました。
ワイヤークリップなら1個50~100円ほどしますが、この商品なら1個7円くらい。
これでも強度的に十分なら、こっち使ったほうが安く収まりますね。

 

このようなものを使うのは初めてなので最初は使い方が分かりませんでしたが、リリースホールに「リリースキー」(別売)を差し込むと取り外しが出来るようです。

(…適当な棒突っ込んでもイケるのでは)

 

取り付けは楽々。
素手で掴むと怪我しそうなので、ラジオペンチで引っ張りました。

 


扉とメッシュの接合

マニュアルでは、スチール製の穴開きフラットバーを切断&折り曲げて、ワイヤーメッシュとL字アングルをボルト留めで接合しています。

フラットバーはそれなりに安いから加工道具がそろっているならそれで良いんですが、今の私はろくな金属加工道具持ってないんだよなあ…
あんまり多くの道具を持ちたくもないし。

う~ん、何かいいものないか、と考えながらホムセンを巡回していると、

 

電材コーナーにあったVVF固定用の『片サドル』が使えそうだと分かりました!

これなら加工せずともそれなりに使えるし、1個当たり10円程度と安いものでした。

扉をメッシュの間に入れて立たせ、片サドルにワイヤーメッシュの縦棒を入れて、ビスで固定。

これなら取り外しも簡単だし他の部分と干渉もしにくいし、なかなか良いんじゃないですか?

 

…何だかあらゆる業界の資材を使おうとしているなあ。
まあ広く浅くの知識と経験があれば、こういうのも見つけやすくて、良いか。

 

丸太と紐で補強

ワイヤーメッシュと扉を組み立てても、まだまだグニャグニャのヨワヨワですから、補強していきます。

補強材料は、そこら辺にある堅い材質のヒサカキ(ツバキ科)の丸太を使っていくことに。
まずは真っすぐっぽいものを2m程度に切ります。

そして針金でワイヤーに括り付けていきます。
針金は小屋暮らし当初に購入したものだから、線径はどのくらいか忘れた…
とりあえず、細めのもの使ってみました。
ぶっ壊されたら太めのものを使うことにしましょう…

補強丸太の間隔ですが、今回はメッシュ2つで1本、つまり20cmで1本入れることにしました。
全部のメッシュに入れると止めさしがしにくくなるし、少なければ破壊されます。

今のままでは扉上部などの強度が低いですから、奥のワイヤーメッシュにポリエチレンロープを繋げて、グルっと一周させて強力に全体を締め上げました。
このロープが上部の横棒の代わりにもなり、獣が飛び越えて逃げられる恐れも少なくしています。

繋ぎ方は、始点を「もやい結び」、終点は「ロープ・テークル」を用いました。
倍力のおかげでがっちがちやで!

ちなみにポリエチレンは燃やしてもCOとCO2以外の有毒ガスは発生しません。
環境にも優しい、はず。

 

更に、上部に補強丸太の剛性を高めるべく横木を繋げていきます。
ここでは「角縛り」を使用。
簡単ですが強固に出来ます。

更に更に、上部丸太たちが内側から外側に倒れないように、対角に位置する丸太同士を数本繋げていきます。
縛り方は、「ねじり結び」と「ロープ・テークル」を使用。

全ての丸太を繋げてしまうと「箱罠」になってしまいそうです。

そんなこんなで、丸太とワイヤーメッシュと木製扉の囲い罠本体が完成です!

高さが2m近くありますから、飛び越えて逃げられることはまあ無いでしょう。
あるとしたら体当たりで破壊されることか。
一体どこを壊されることになるのか?
ちょっと楽しみですらあります。

 

 

次回は仕掛けと餌?

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